◎身元不明の軍当局者は10月25日にアブダッラー・ハムドゥーク首相と5人の政府高官を拘束した模様。
スーダンの現地メディアによると、軍当局は10月25日にアブダッラー・ハムドゥーク首相と5人の政府高官を拘束したという。
アルジャジーラは、「ハムドゥーク首相は25日早朝に身元不明の軍当局者に拘束され、自宅軟禁下に置かれた」と報じた。
一方、スーダンの主要な民主主義グループであるスーダン専門家協会は25日、AP通信の取材に対し、「国内のインターネットと電話通信が遮断された」と述べた。
軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを打倒し、合同暫定政府ソブリン評議会を発足させた。しかし、今年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。
軍事政権の復活を求める人々はソブリン評議会の民主勢力を「無能」と非難し、各地で都市封鎖を含む抗議デモを決行した。
スーダンの国内総生産(GDP)は軍事政権末期の2016年から2018年の間に約50%縮小した。
スーダン専門家協会によると、拘束された連邦政府高官はハムドゥーク首相、イブラヒム・アル・シェイク産業相、ハムザ・バルール情報相、ソブリン評議会のモハメッド・アル・フィキー・スリマン氏、ハムドゥーク首相のメディア顧問であるファイサル・モハメッド・サレー氏の5人。
さらに、首都ハルツームの州知事事務所はフェイスブックに、エーマン・カーリッド州知事が逮捕されたと投稿した。
6人の逮捕は米国のジェフリー・フェルトマン特使とソブリン評議会の民間代表との会談から数時間後に発生したと伝えられている。
サイバーセキュリティとインターネットのガバナンスを監視しているNet Blocksは25日、スーダン全土の固定回線とモバイルインターネット接続で重大な混乱が生じたと報告した。
Net Blocksは声明の中で、「混乱は何らかの理由で通信網が遮断されたことを裏付けている」と述べ、「通信の混乱は現地の状況確認とメディアの報道に影響を与える可能性がある」と指摘した。
軍政派の抗議は全国に拡大し、東部地域で活動する反政府組織は紅海州の州都である港湾都市ポート・スーダンの港、燃料パイプライン、そして幹線道路を封鎖した。ポート・スーダンの封鎖は3週間以上経った今も続いており、国の物流に深刻な影響を与えている。
スーダン専門家協会は高官の逮捕を軍事クーデターと非難し、国民に街頭抗議を実施するよう呼びかけた。