◎ロベルト・シンゴラニ生態学的移行大臣は9月28日にミラノで開幕したユース気候サミット(Youth4Climate)を主催している。
9月29日、イタリアのロベルト・シンゴラニ生態学的移行大臣はスウェーデンの気候活動家グレタ・トゥーンベリ氏の厳しい非難を受け入れると述べた。
シンゴラニ氏は28日にミラノで開幕したユース気候サミット(Youth4Climate:期間9月28日~30日)を主催している。このサミットには180ヵ国の気候活動家約400人が参加し、10月31日に開幕するCOP26(第26回国連気候変動枠組条約締約国会議)に勧告を送る予定である。
シンゴラニ氏はトゥーンベリ氏の演説について、「彼女は深刻な問題を公の場であらためて提起した」と述べ、再生可能エネルギーを推進し、温室効果ガスを削減すると約束しながらも行動に移さない人々を非難した。
ユース気候サミットの活動家たちはサミットの主催者、世界の指導者、そしてCOP26に出席するジョー・バイデン大統領を含む主要先進国の指導者に圧力をかけた。
トゥーンベリ氏はサミットの冒頭、演説で温室効果ガスを削減すると約束した世界の指導者を嘲笑した。「政治家の約束はスカスカで中身がありません...」
トゥーンベリは、「ビルド・バック・ベターblah blah blah」「グリーンエコノミーblah blah blah」「2050年までに温室効果ガスゼロblah blah blah」と述べ、指導者は調子の良いことばかり言うが、行動が伴っていないと非難した。
ビルド・バック・ベターはバイデン大統領の政権公約、blah blah blah(ブラブラブラ)は中身がないという意味。
シンゴラニ氏は、「トゥーンベリ氏の言葉は挑発的だったかもしれないが、彼女の言ったことは正しく、私たちは十分なことをしてこなかった」と述べた。
ウガンダ出身の気候活動家ヴァネッサ・ナカテ氏も主要先進国の指導者を厳しく非難した。「温室効果ガスを大量に排出している豊かな国は貧しい国に資金を提供するという約束を破りました...」
ナカテ氏はアフリカの貧しい国々は豊かな国より温室効果ガスを排出していないにもかかわらず、気候変動の影響で最も強く受けていると語った。
シンゴラニ氏は、「ナカテ氏とトゥーンベリ氏の言葉を組み合わせると、世界の指導者に伝えたいメッセージは完璧なものになる」と述べた。「行動不足と世界的な不平等の解消は、今まさに私たちがやろうとしていることです」
シンゴラニ氏はCOP26に脆弱な国々への財政援助を強化し、脱炭素に向けた主要な取り組みのひとつである石炭火力の段階的な廃止を加速させ、世界の気温上昇を抑えなければならないと警告した。
またシンゴラニ氏は、環境活動家を含む世界の全ての人々は過去の行動を見直し、言葉ではなく行動で示さなければならないと強調した。
「石炭火力の廃止を求めている人の一部は、裏庭や自宅近くに太陽光発電所や風力発電所を建設するなと主張します。一部の活動家は石炭火力を廃止しろと要求しながらも、電力供給量は減らすなと好き勝手なことを言います。世界は最も真剣に考えなければなりません」