◎北朝鮮の外務省当局者はAUKUSを綿密に検討しており、「わが国の安全に少しでも悪影響を与えると判断された場合、対抗策を講じる」と述べた。
北朝鮮、朝鮮人民軍の潜水艦を視察する金正恩 党総書記(Korean Central News Agency/AP通信)

北朝鮮の国営メディアは20日、米英豪が15日に発表したインド太平洋地域の新しい安保協定AUKUSを非難し、協定が北朝鮮に影響を与えると判断した場合、新たな対抗策を講じると警告した。

国営メディアは外務省当局者のコメントを引用した。「米英豪の協定はアジア太平洋地域の安全保障バランスを破壊し、軍拡競争の連鎖を引き起こす非常に危険な行為である...」

当局者はAUKUSを綿密に検討しており、「わが国の安全に少しでも悪影響を与えると判断された場合、対抗策を講じる」と述べた。

ジョー・バイデン大統領は先週、ボリス・ジョンソン英首相とスコット・モリソン豪首相と共にAUKUSの概要を説明した。協定は主にロシアと中国を意識しており、締結に伴い、アメリカとイギリスは初めてオーストラリアに原子力潜水艦の技術を提供することになった。オーストラリアは原子力潜水艦を保有する世界で7番目の国になる予定。

しかし、オーストラリアとディーゼル原子力潜水艦12隻を建造する武器協定(2016年)を結んでいたフランスはこの発表に激怒し、駐米大使と駐豪大使を緊急帰国させ、激しく抗議した。

フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外相は先日の声明で協定を非難し、「(アメリカとAUSに)背後から刺された」と怒りを爆発させていた。仏豪の武器協定には少なくとも660億ドル(約7.3兆円)の価値があったと見積もられている。

ル・ドリアン外相はAUKUSが結ばれたことを発表直前まで知らなかったと述べたが、オーストラリアのモリソン首相は20日の声明でこの主張を却下し、フランスは2016年の武器協定が破棄されることを知っていた「はずだ」と述べた。

北朝鮮の国営メディアによると、外務省の当局者はバイデン大統領が最古の同盟国であるフランスを怒らせたことについて、「アメリカは同盟国を逆刺しにする」と嘲笑したという。また当局者は「北朝鮮は、AUKUSは地域の平和・安全・国際的な不拡散システムを破壊し、軍拡競争を激化させるという中国や他の国々の見解を支持する」と述べた。

金正恩 党総書記は2018年の米朝首脳会談以来、アメリカ本土に到達する可能性のある核爆弾と大陸間弾道ミサイル(ICBM)のテストを一時停止したと信じられている。

しかし、アメリカと北朝鮮の核交渉は2019年の首脳会談で完全に行き詰まった。金正恩はウラン濃縮プラントのある老朽化した寧辺(ねいへん)原子力研究センターの解体と引き換えに制裁を緩和するようアメリカに求めたが、当時のドナルド・トランプ大統領はこの要求を却下し、交渉は崩壊した。

北朝鮮はアメリカの主要同盟国である日本と韓国を脅かす短距離ミサイルの開発とテストを継続している。

北朝鮮は先日、核弾頭を搭載できると考えられている巡行ミサイルの発射テストを行い、弾道ミサイルを列車から発射する新しいシステムを世界に公開した。

一方、背後から刺されたフランスは今週ロンドンで予定されていたフロランス・パルり軍事大臣とベン・ウォレス英国防相の会談を延期した。

バイデン大統領とフランスのエマニュエル・マクロン大統領は近日中に電話会談を行うと期待されている。

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