◎ロシアの最高幹部は西部の独立国家にウクライナ軍が攻撃を仕掛けた場合、クレムリンは住民を守るために行動を開始すると警告した。
2021年4月7日/ウクライナ東部の軍事基地、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領(ゲッティイメージズ)

報道によると、ロシアの最高幹部は西部の独立国家にウクライナ軍が攻撃を仕掛けた場合、クレムリンは住民を守るために行動を開始すると警告した。

クリミア半島は公式にはウクライナの領土だが、2014年にロシアに併合された。その後、ロシアは「クリミア共和国(自称)」「ドネツク人民共和国(自称)」「ルガンスク人民共和国(自称)」の独立を承認したが、国連と国際社会はこれを認めておらず、反政府勢力と認識している

ロシアの支援を受ける分離主義者とウクライナはドンバス戦争の停戦協定「ミンスクⅡ」に2015年に合意したが、東部国境付近では小規模な衝突が続いている。

地元メディアによると、ロシア軍は国境付近の警備を強化し、ウクライナとNATO軍に圧力をかけているという。

ロシアのドミトリー・コザク副首相は声明の中で、「ロシア軍は住民を守るために行動する可能性がある」と述べた。「ロシアはウクライナ軍の動きに反応する」

また、コザク副首相はドンバス戦争のエスカレーションは「ウクライナの終わりの始まり」に発展する可能性があると警告した。「独立国家への攻撃を開始すれば、ロシアは彼らの顔を撃つだろう」

アメリカとドイツは両国の緊張の高まりに懸念を表明した。ジョー・バイデン大統領は4月2日に行われたウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談の中で、「クリミアはウクライナの領土であり、ドンバスを含む地域の民主主義を強化するために緊密に協力する」と述べた。

2021年4月2日/ロシア、首都モスクワ、ウラジーミル・プーチン大統領(AP通信)

ロシアは東部の独立国家を脅威(反政府勢力)と見なすべきではないと主張している。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は8日の定例会見の中で、2014年の紛争開始以来、東部に配備されたロシア軍の数は最も多くなったと懸念を表明した。

ロシアは追加した兵士の数を明らかにしていないが、ウクライナ軍は約2万人が国境付近に配備されたと主張している。ソーシャルメディアでも重火器を半島に向けて輸送する兵士のものと思われる車列の写真や動画が複数共有されている。

国境周辺での衝突は確実に増加しており、ウクライナ当局は4月8日に兵士が1人死亡したと述べた。これで今年死亡したウクライナ軍兵士の数は25人になった。一方、反政府勢力はウクライナ軍がドネツク人民共和国(自称)に迫撃砲を14発撃ち込み、兵士1人が殺害されたと述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、国境付近の軍事基地を表敬訪問し、「ウクライナはドンバスの厳しい戦いに直面しているが、私たちはこの問題に一丸となって立ち向かう」と兵士を激励した。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は7日にウラジーミル・プーチン大統領と電話で会談し、東部の緊張を緩和させるためにはロシア軍の数を減らさなければならないと述べた。これに対しプーチン大統領は、半島の状況を悪化させているのはウクライナ軍とNATO軍だと反論した。

2019年、プーチン大統領は、ウクライナがクリミア半島と東部の支配権を奪い取った場合、現地の住民は虐殺に直面すると述べた。

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