◎スペースXの次世代ロケット、スターシップ(プロトタイプ:SN10)の飛行試験がテキサス州ボカチカの基地で行われた。
2021年3月3日 スペースX/AP通信/テキサス州ボカチカ、スターシップ(プロトタイプ)の飛行試験

3月3日、スペースXの次世代ロケット、スターシップ(プロトタイプ:SN10)の飛行試験がテキサス州ボカチカの基地で行われた。

このロケットは月または火星に人や物資を輸送する目的で開発されており、2023年には民間人を乗せて宇宙に飛び立つ予定である。なお、昨年12月の飛行テストでは直立着陸に失敗し大爆発したが、スペースXのイーロン・マスクCEOはチームを称賛し、「火星、来たぞ!!」と火星への熱い想いをツイートしている。

この日、スターシップは見事な直立着陸を披露したが、着陸の過程で機体の一部が破損し、その後何かしらの理由で大爆発を起こした。しかし、スペースXとアメリカ航空宇宙局(NASA)は昨年の大爆発の経験を活かし、歴史的な自動飛行による着陸をほぼ成功させた。

スターシップは、現在国際宇宙ステーション(ISS)で活動しているクルードラゴンの発射時に使用されたファルコンロケットの次世代機と見なされている。

2021年3月3日 キム・ギョンフン/ロイター通信/日本、東京でロイター通信のインタビューを受けた前澤友作 氏

スターシップは地上約10kmまで急上昇し、水平降下に移行したのち、垂直着陸を試みた。スペースXとNASAは「発射→上昇→目標高度に到達→水平降下→垂直姿勢に移行→着陸(全て自動)」の流れをテストしている。

スターシップは水平姿勢を保ったまま急降下し、3つのラプターエンジンを再点火して姿勢を整え、ゆっくり地面に接近した。スペースXによると、同機は着陸直前に姿勢を整え、必ず目標地点に着陸するという。

プロトタイプSN8とSN9は減速に失敗し地面に叩きつけられたが、SN10は急速に減速し、姿勢を保ったままゆっくり着陸した。

スペースXのウェブキャストコメンテーター、ジョンイン・スプラッカー氏は声明で着陸成功を祝福した。

その後、SN10は消火活動中に何かしらの理由で大爆発を起こしたが、自動飛行による垂直着陸はほぼ成功し、2023年宇宙への旅はいよいよ現実味を帯びてきた

歴史的な民間人初の宇宙旅行にエントリーした前澤友作 氏は先日、月の周回ミッションに参加する一般人を8人募集するとツイートした。

前澤氏はビデオの中で、「ミッションに参加する8人を募集します」と述べた。なお、当初は世界中のアーティストを宇宙に連れて行く予定だったが、インタビューの中で「計画は進化しました」と語っている。

前澤友作 氏:
全旅程の費用は私が負担します。10人から12人が参加する予定です。楽しい旅行になることを願っています

「当初はアーティストと一緒に旅行するつもりでした。しかし、クリエイティブなことをしている人なら、誰でもアーティストと呼べるのではないかと思い始めました...何らかの形で社会に貢献している人、宇宙に行くことを目標にしている人でも参加できます」

「私は同じような志を共有する他の乗組員を喜んで支援できる人を求めています」

スターシップは70メガニュートン以上の推進力を生み出し、人類を月に送り込んだアポロ11号よりはるかに優れた性能を有している。また、ロケットは再利用できるように設計されている。

スペースXによると、スターシップの積載重量は最終的には100トン以上、全長は118mに達する予定だという。

2018年10月9日 ゲッティイメージズ/北村 敏文/AFP通信/日本、東京、前澤友作 氏
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