◎一部の便で陽性者が確認されたことで、72人の選手がメルボルンのホテルに隔離された。
◎ビクトリア州のダニエル・アンドリュース州首相は声明で、「選手を特別扱いすることはない」と誓約した。
Getty Images/ノバク・ジョコビッチ氏

全豪オープンテニスに出場する予定の選手たちが検疫下に置かれたことについて、ビクトリア州のダニエル・アンドリュース州首相は声明で、「選手を特別扱いすることはない」と誓約した。

同大会の出場選手および関係者約1,200人は入国前のコロナ検査などの規則をクリアしチャーター便で入国したが、一部の便で陽性者が確認されたことで、72人の選手がメルボルンのホテルに隔離された

当局によると、少なくとも9人の陽性(選手は1人)を確認したという。

陽性者と同じ便に搭乗した選手は14日間の自己隔離および外出禁止を命じられた。一方、対象外の選手は1日5時間コートでトレーニングすることを許可されている。

一部の選手は14日間の厳しい検疫および外出禁止に不満を表明した。

しかし、地方自治体、大会主催者、保健当局は、出場を予定していた全選手にリスクを事前に周知していたと述べ、「規則を見直すことはない」と誓約した。

アンドリュース首相は1月18日の記者会見で、「多くの選手から様々な指摘や提案を受けたことは承知している。しかし、規則はすべての入国者に適用される。選手たちはオーストラリアに入る前に規則を知っていた。規則に従うことが入国の条件だった」と述べた。

ダニエル・アンドリュース州首相:
「特別な扱いを受ける者はいない。コロナウイルスはあなたを特別扱いしない。私たちも特別扱いしない」

同大会を8度制したノバク・ジョコビッチ氏が検疫条件の見直しを提案したと伝えられているが、真偽は明らかにされていない。

2021年1月14日 AP通信/オーストラリア、アデレード空港、ラファエル・ナダル氏

検疫下に置かれた選手たちは、ロサンゼルス、アブダビ、ドーハ発の飛行機に搭乗していた。

72人の選手のひとり、フランスのアリーゼ・コルネ氏は14日間の検疫を「非常識」と非難した後、謝罪した。

カザフスタンのユリア・プチンツェワ氏は、「機内で陽性者が確認された場合の検疫規則を伝えられていなかった」と述べた。

他の選手は大会主催者から厳しい規則と起こりうるシナリオを伝えられていたと主張している。

ビクトリア州議会議員のティム・スミス氏は、「州は特定地域からの立ち入りを禁止しているにも関わらず1,200人の選手、スタッフ、関係者を他国から受け入れた。これは不公平であり、大会は中止すべきだ」と要求した。

スミス議員は地元メディアのインタビューの中で、「二重規則ほど非常識かつ悪臭を放つものはない」と述べた。

ティム・スミス氏:
「ダニエル・アンドリュースは世界的なテニスプレーヤーではなく、オーストラリアの市民のために行動すべきだ。数万人のオーストラリア人が海外で帰国する順番を待っている。ビクトリア州に入りたくても入れない市民がいる。全豪オープンはキャンセルしなさい」

オーストラリア政府は国境をほぼ閉鎖しているが、特別な状況では免除される。ただし、入国した者は指定の施設で必ず検疫を受けなければならない。

ビクトリア州はコロナウイルスの影響を最も強く受けた地域である。そのため、他国から選手や関係者を集めて大会を開催することに反対する意見が多数寄せられていた。

ある専門家は、「入国前の検疫で陰性を確認したにも関わらず、コロナは上陸した。これが変異種であれば、医療関係者はさらなるリスクを背負わされることになるだろう」と警告した。

同大会主催者のクレイグ・タイリー氏は記者団に対し、「大会は予定通り2月8日に始まる」と述べた。

クレイグ・タイリー氏:
「練習できない選手のために、そして、可能な限り公平な環境を作るために、私たちはできる限りのことをしなければならない」

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