▽警察がフェミサイド(女性を標的とする殺人)の疑いで容疑者を追跡している。
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美容とメイクアップに関する動画で知られるソーシャルメディア・インフルエンサーがメキシコ西部ハリスコ州で何者かに射殺された事件について、被害者を中傷するコメントがSNSに多数投稿されている。
殺害されたのは23歳のバレリア・マルケス(Valeria Marquez)さん。ハリスコ州サポパンの勤務先の美容院で13日、何者かに殺害された。
警察がフェミサイド(女性を標的とする殺人)の疑いで容疑者を追跡している。
SNSではマルケスさんがメキシコで最も強力な麻薬カルテルのひとつである「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」の幹部と付き合っていたという情報が拡散。「彼女自身もカルテルの幹部だった」「怪しいビジネスにかかわっていた」など、真偽不明なコメントが多数投稿されている。
あるX(旧ツイッター)ユーザーはマルケスさんが「国際テロリスト」の幹部と付き合っていたと投稿。数千のいいねを獲得した。
インスタグラムとティックトックで20万人近いフォロワーを持つマルケスさんは13日、サポパンの美容院で侵入してきた男に射殺された。
検察によると、発砲の数分前、マルケスさんはティックトックのライブ配信を行っている最中で、ぬいぐるみを握りしめてテーブルに座っていた。
マルケスさんが「奴らが来る」と言うと、背後から「おい、ベイル?」という声が聞こえた。
「はい」とマルケスさんは答え、ライブ配信の音声を消した。
その数分後、マルケスさんは射殺された。事件後、誰かがマルケスさんの携帯電話を拾い、その人物の顔が一瞬映し出された後、配信は終了した。
多くの地元メディアがマルケスさんの元恋人とされるハリスコ新生代の地元リーダーが関与していると報じた。
一部のメディアは元恋人がマルケスさんを脅しているように見えるテキストメッセージのスクリーンショットを公開している。
ハリスコ州検察は16日、「マルケスさんの殺害に元恋人が関与しているのでは?」という記者の質問に答えなかった。
ハリスコ州はメキシコで最も危険な州のひとつ。世界最大の麻薬組織シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)の宿敵であるハリスコ新世代の本拠地がある。
米国務省は2月、シナロア・カルテルやハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬組織を「外国テロ組織」に指定した。
シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は週末の定例会見でこの事件に言及。国家安全保障会議が担当官をハリスコ州に派遣し、検察当局とともに事件解決に向けて取り組んでいると明らかにした。