◎米中央軍(CENTCOM)によると、ISISの指導者、工作員、拠点を含む75以上の標的を空爆したという。
米軍は8日、シリアのイスラム国(ISIS)に対して空爆を行ったと発表した。
米中央軍(CENTCOM)によると、ISISの指導者、工作員、拠点を含む75以上の標的を空爆したという。死傷者数には言及していない。
CENTCOMのクリラ(Michael Kurilla)司令官は声明で、「ボーイングB52ストラトフォートレスとマクドネル・ダグラスF15イーグルを含む空挺部隊が標的を空爆し、被害評価を実施している」と述べた。
またクリラ氏は「米国はISISがシリアの現状を利用して再結集したり、攻撃することを許さない」と強調した。
さらに、「シリアで活動するすべてのテロ組織はISISと提携したり、ISISを支援したりした場合、責任を負うことを理解すべきだ」とした。
バイデン(Joe Biden)大統領は8日、シリアのアサド政権が崩壊したことを歓迎し、平和的に権力が移譲されることを期待すると表明した。
バイデン氏は「ヨルダン、レバノン、イラク、イスラエルを含むシリアの近隣諸国への支援を優先する」と強調した。
またバイデン氏は「シリアの駐留米軍は北東部の基地に留まり、ISISに対抗するクルド当局への支援を継続する」と述べた。
米国は何年にも渡ってクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」に支援を提供している。SDFは米政府の支援を受け、シリアにおけるISISとの戦いで主導的な役割を果たしてきた。
シリア北東部には現在、約900人の米兵が駐留している。
バイデン氏はアサド政権の崩壊を「歴史的瞬間」と称え、「民主的な道を切り開く好機である」と述べた。
イスラエル軍も8日、シリア南部と首都ダマスカスの武器庫を空爆し、反体制派による奪取を阻止したとしている。
タハリール・アルシャーム機構(HTS)とその同盟組織は先月末、アサド(Bashar Assad)大統領の支配下にある北部アレッポ県に攻め込み、全土を制圧。正規軍への攻撃を本格化させた。
HTSはその後、中部の要衝ハマに侵攻。第3の都市ホムスもあっさり制圧した。
HTSは7日、首都ダマスカスを制圧し、アサド政権の終焉と「復讐のない新時代」の始まりを宣言。さらにHTS司令部は8日、アサド氏が国を去ったと発表。「独裁政権から解放された」と宣言した。
反体制派が電光石火の進撃を開始してから2週間も経たぬうちにアサド政権は崩壊した。
HTSは内戦下のシリアで活動する反政府組織のひとつ。「国際テロ組織アルカイダ」のシリア支部とみなされ、北西部イドリブ県に本部がある。