輸出の低迷

韓国はコロナウイルスのパンデミックを制御し経済活動を再開させたが、輸出の低迷が影響し急激な景気後退に直面している。

アジア第4位の巨大マーケットは、国内総生産(GDP)が前年比から2.9%低下し、1998年以来となる下げ幅を記録した。

経済活動の40%近くを占める輸出が1963年以来の大不調に陥ったことが最大の要因だった。公表されたデータによると、日本およびシンガポールとの取引が不調続きで、急激な落ち込みを後押しした。

ホン・ナムギ財務相は記者団に対し、「パンデミックの鈍化に伴い、海外の企業、生産、学校などが活動を再開するため、第3四半期に中国のような反発(プラス成長)を期待している。韓国の景気は急速に回復するだろう」と語った。

韓国政府はコロナウイルスの大流行でダメージを受けた経済を復活させるために、約277兆ウォン(25兆円)相当の景気刺激策を実施した。

しかし、同国の輸出依存経済は、コンピュータのメモリチップ、各種半導体製品、自動車などの世界的な低迷の影響を強く受け、景気刺激策もそこには届かなかった。

コロナウイルスが世界の輸出国に与えたダメージは計り知れない。輸出大国オーストラリアでは、第二次世界大戦以来となる最大の財政赤字を報告。2020年6月までの1年間で、858億豪ドル(約6兆5,700億円)の赤字に転落した。

オーストラリア政府は記者団に対し、「パンデミックの影響による30年振りの急激な景気後退は避けられず、2020年会計年度の不足額は1,845億豪ドル(約14兆円)に拡大すると予測される」と語った。

アジア諸国は、欧米やアフリカに比べコロナウイルスの影響を最小限に抑えたと言われている。しかし、数カ月に及んだロックダウンの影響は計り知れず、その中でも輸出に依存する国は厳しい現実に直面している。

世界第3位の経済規模を誇る日本では、第1四半期のGDPが年間ベースで3.4%低下した。

アジアの虎と呼ばれるシンガポールも、第2四半期のGDPが前年比から12.6%低下し、政府は世界経済が失速したままであれば、さらなる景気後退を覚悟しなければならないと警告した。当局は、1965年にマレーシアから独立して以来、史上最悪の不況に陥ると警戒感を強めている。

コロナウイルスの震源地、中国は、第1四半期に記録的なクラッシュを経験した。しかし、第2四半期では3.2%のプラス成長を記録。当局は、「低迷後の反動で今後も上昇を維持できる」と述べた。

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