◎シロサイは国際自然保護連合(IUCN)の準絶滅危惧種に、クロサイは絶滅危惧種に指定されている。
南アフリカ政府は28日、昨年のサイ密猟数が22年から増加したと明らかにした。
それによると、昨年密猟により死んだサイは499頭。22年から51頭増加したという。
環境省の報道官はSNSに声明を投稿。「密猟者は国有地で406頭、私有地の公園・保護区・農場で93頭のサイを殺した」と書き込んだ。
また報道官は「南東部クワズールー・ナタール州の国立公園の被害が特に深刻であり、22年の3倍以上に急増した」と述べた。
シロサイは国際自然保護連合(IUCN)の準絶滅危惧種に、クロサイは絶滅危惧種に指定されている。
その角(犀角、さいかく)はアジアの一部地域で漢方薬として利用され、取引価格は金やコカインに匹敵すると伝えられている。
サイの保護団体「セーブ・ザ・ライノ(Save the Rhino)」も密猟シンジケートがクワズールー・ナタール州で活動を活発化させていると指摘。昨年だけで325頭が殺されたと警告している。
これは22年の3倍以上であり、同州の記録を大幅に更新した。
国際サイ財団(IRF)によると、南アには世界最大のサイの生息地があり、世界のシロサイ約1万6800頭の80%、クロサイ約6500頭の33%が生息している。
南ア最大のクルーガー国立公園の密猟数は取り締まり強化が功を奏し、減少傾向にある。昨年は78頭で、22年からわずかに減少した。