◎パキスタン高裁は今週、シャリフ氏の帰国とその後の保護を約束。議会選出馬への道を開いた。
英ロンドンで亡命生活を送っていたパキスタンのシャリフ(Nawaz Sharif)元首相が21日、ドバイからチャーター機で帰国した。
シャリフ氏は首相に3度選出され、来年1月の議会選に出馬する見通し。
地元メディアによると、首都イスラマバードの空港にはシャリフ氏が所属するパキスタン・イスラム教徒連盟の議員や関係者などが集まり、帰国を歓迎したという。
シャリフ氏の弟であるシャバズ・シャリフ(Shehbaz Sharif)前首相(議会解散に伴い退陣)もSNSに声明を投稿。兄の帰国を歓迎した。
シャリフ氏は2017年、汚職裁判で有罪が確定した直後に辞任。2年後、さらなる汚職疑惑で起訴されるも、胸の痛みを訴え、裁判所の許可を得てロンドンに渡航した。
シャリフ氏はその後、医師が帰国を許可しないとして、ロンドンにとどまり続けた。
当時の首相であるカーン(Imran Khan、服役中)氏は胸の痛みを訴えたシャリフ氏の治療と海外渡航を許可していた。
パキスタン高裁は今週、シャリフ氏の帰国とその後の保護を約束。議会選出馬への道を開いた。
シャリフ氏は空港から東部ラホールに移動し、数万人の支持者の前で演説。「過去に自分に危害を加えた全ての人を許す」と語った。
またシャリフ氏は「誰にも復讐せず、政治家として国民の期待に応えることだけを考えている」と述べた。
シャリフ氏は低迷する国内経済を再生するための計画も発表した。「失業率を改善し、インフレを抑え、外国の投資・借款に頼らないようにしたい。パキスタンは物乞いではない。私はこの国をより良くするために、すべての国家機関と協力したい...」