◎地元メディアは首都フリータウンなどの都市部で野党支持者による暴動が発生する可能性があると警告した。
シエラレオネの野党・全人民会議党(APC)が1日、先週行われた大統領選の結果を破棄し、再選挙を実施するよう政府に求めた。
APCは公式ホームページに声明を投稿。「選挙管理委員会とビオ(Julius Maada Bio)大統領は共謀して結果を不正に操作した」と主張した。
また同党は選管の幹部をひとり残らず解任するよう求めた。
同党はこう書いている。「6月25日に行われた選挙が盗まれたことは大変遺憾であり、勝利を主張する勢力は民主主義と国家に対する最大の脅威である...」
選管によると、ビオ氏の得票率は56.17%。野党の主要候補カマラ(Samura Kamara)氏は41.16%だった。55%以上を獲得する候補がいなかった場合は上位2人による決選投票に移行する予定だった。
選管の発表後すぐ宣誓したビオ氏は1日、ツイッターに声明を投稿。「全国民に法を遵守するよう求める」とツイートした。「大統領選は法に基づいて行われました。選挙が終わった今、我々は愛する国の発展という共通の目標を追求するために団結しなければなりません...」
地元メディアは首都フリータウンなどの都市部で野党支持者による暴動が発生する可能性があると警告した。同国では数カ月前から経済の低迷やインフレに抗議する暴動が何度も発生している。
同国の経済はパンデミックやウクライナ侵攻の影響などで低迷を続け、貧困が蔓延。人口の60%近くが人道支援に頼り切っている。
欧米の選挙オブザーバーも選管のデータに懸念を示している。
アフリカ連合(AU)や西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)などの地域オブザーバーは今回の大統領選を自由で公正と評価したが、欧米のオブザーバーは集計プロセスに透明性が欠けていると指摘。特に米国、EU、イギリスは各投票所の結果を開示するよう選管に求めている。