◎買収額は30億スイスフラン(約4600億円)を予定している。
スイスの金融大手UBSは5日、クレディ・スイスの買収手続きが来週にも完了する見込みであると発表した。
「システム上重要」とされる世界30行のうちの1行であるクレディ・スイスは今年、預金の大量流出に見舞われ、破綻寸前まで追い込まれた。
スイス政府と規制当局は米国のシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行に続いて同行が破綻すれば世界規模の金融危機に発展しかねないという懸念を受け、救済措置を取った。
買収額は30億スイスフラン(約4600億円)を予定している。
UBSは声明で、「早ければ6月12日までに買収を完了する見込みである」と明らかにした。
クレディ・スイスも同じく、「早ければ来週12日に取引が成立し、その翌日にはスイス証券取引所およびニューヨーク証券取引所から上場廃止になる」と報告した。
UBSは声明の中で、「買収手続き完了は株式を対象とする登録届出書が米国証券取引委員会により有効であると宣言されること、その他残りの完了条件を満たすこと、そしてUBSがそれを放棄することを条件とする」と述べている。
167年の歴史を持つクレディ・スイスの評判は近年、株価の下落、相次ぐ不祥事、同行の将来を心配する顧客の大量流出により失墜した。