◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ郊外の難民キャンプ(Getty Images)

コンゴ民主共和国当局は9日、イスラム国(ISIS)系組織が占領していた集落で少なくとも20人分の遺骨を発見したと明らかにした。

当局によると、遺骨は東部・北キブ州郊外の集落で今週見つかったという。

この集落は東部地域に拠点を置く「民主同盟軍(ADF)」の支配下に置かれ、今年、陸軍によって奪還された。

ADFはウガンダで発足した反政府勢力であり、1990年代半ばからコンゴ東部に拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。

AFP通信は目撃者の話しとして、「カカオを植える畑で住民のものとみられる衣服と骨が見つかった」と報じている。

それによると、陸軍は通報を受け、この集落に部隊を派遣し、政府の専門家チームと調査に当たったという。

集落の酋長はAFPの取材に対し、「処刑された住民は尊厳を持って埋葬される」と語った。酋長によると、陸軍は少なくとも20人分の遺骨を収容したが、ADFの戦闘員が近くの集落から攻撃を仕掛けてくる可能性があるため、調査範囲を広げることは難しいという。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

武装勢力の活動目的は様々だが、その多くが▽土地や貴重な鉱物が採れる鉱山の支配権を求めて▽地元コミュニティを守るために戦っている。

ADFは主に北キブ州で活動してきたが、最近では隣のイトゥリ州でも攻勢を強め、民間人を虐殺している。

陸軍の報道官はAFPに、「テロリストたちは処刑した住民を畑に埋葬した」と語った。それによると、この集落では遺骨だけでなく陸軍兵士の遺体も見つかったという。

捜索に協力した地域住民は中央政府に正義を追求するよう求めている。

ADFが民間人への攻撃を強める一方、北キブ州では同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」が攻勢を強めている。

M23と政府は戦争状態にあり、停戦の目途は全く立っていない。

米国務省は今年3月、ADFのリーダー、ムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に最大500万ドルの報奨金を出すと発表した。

米国務省はバルクを2021年に「特別テロリスト」に、ADFをテロ組織に指定している。

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