◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国の人権団体は6日、イスラム国(ISIS)系組織が北東部イトゥリ州の市民30人以上を虐殺したと発表した。
AP通信の取材に応じた団体の職員は、「民主同盟軍(ADF)がイトゥリ州郊外の集落を襲撃し、女性と子供を含む30人以上をナタや斧で切り殺した」と語った。
それによると、事件は3~4日にかけて発生し、少なくとも31人が死亡。その後、周辺の集落で国軍とADFによる戦闘が勃発したという。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
国連によると、この1年のADFによる攻撃で死亡した市民は400人近くに達し、子供数百人が拉致されたという。
ADFは東部・北キブ州に拠点を置き、活動範囲を隣のイトゥリ州に拡大した。ADFの暴力から逃れ避難民になった市民は15万人以上と推定されている。
国連やアフリカ連合(AU)の同盟国による暴力を抑える努力はほとんど成果を上げていない。
ADFが民間人への攻撃を強める一方、北キブ州では同国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」が攻勢を強めている。
M23とコンゴ軍は戦争状態にあり、停戦の目途は全く立っていない。
国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は今週、軍とM23の戦争に巻き込まれ避難を余儀なくされた市民がこの1年で100万人に達したと報告。人道上の大災害を引き起こしていると警告した。