ボルソナロ大統領、政府公式サイトからコロナウイルスに関連する数カ月分のデータをBANBANBAN!

コロナウイルスに関連する一連の対応を批判されているブラジルの極右大統領は、コロナウイルスに関連するスか月分のデータを政府公式サイトから抹消した。

サイトに情報をアップロードしていた厚生労働省によると、今後は過去24時間の新規感染者数と死者数のみを掲載し、期間中の合計感染者数および合計死者数は示さないことになったという。

これを指示したボルソナロ大統領は、「過去のデータは嘘っぱち、虚構に満ちている。国民に簡潔かつ明瞭に事実を伝えることが大切だ。累積データは何の役にも立たない」と力説した。

ジョンズ・ホプキンズ大学の調査によると、7日時点のブラジルの累計感染者数は64万人超、これまでに35,000人以上が死亡した。なお、PCR検査体制はほとんど整っておらず、貧困地域の感染者はほぼ放置されている状態である。

5日、ボルソナロ大統領は世界保健機関(WHO)によって推奨されたロックダウン措置を否定。「WHOはイカレタ政治結社であり、奴らの言うことを聞いた結果、大勢の死者が出た。ブラジルはWHOを脱退するだろう」と脅迫めいたコメントを発表した。

大統領は支持者たちのロックダウン解除を求める抗議活動に参加し、州政府が発出した措置の撤回および企業活動、スポーツイベント、バーなどの再開を求めている。なお、社会的距離の確保およびマスクの着用にも嫌悪感を示しており、「コロナウイルスは季節性の風邪である。スポーツを観戦し、皆でウォッカを飲めば健康を維持できるだろう」と推奨している。

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BANBANBAN!

7日、ブラジル厚生労働省は、数カ月間積み上げてきたコロナウイルスの累計感染者数および死者数に関連する情報を政府公式サイトから完全に抹消した。

その後同省は、過去24時間の新規感染者が27,075人、904人が死亡、10,209人の患者が回復したという情報だけをアップロードしなおした。

ボルソナロ大統領はツイッターに、「累積データを見ても国の現状を理解することはできない。国民に誤った認識を植え付ける可能性が高く、削除が妥当である。感染者数の増加は恐れるに足らずだ。コロナウイルスは間もなく消滅するだろう」と投稿した。

今回のBAN指示は、ジャーナリストや議会議員などから批判されていた。なお、ここ数日、ブラジルの24時間当たり死者数は1,000人を超えており、自分に不利な情報を隠蔽することで、批判をかわしたいと考えているようである。

同国の感染者数はアメリカに次ぐ世界第2位。ただし、感染のピークは数週間後に訪れると予想されており、状況はさらに悪化するものと思われる。

ボルソナロ大統領はコロナウイルスの危険性を一切認めておらず、感染を抑えるために州政府が発出したロックダウン措置やスポーツイベントの中止を批判し続けてきた。なお期間中、二人の保険大臣が大統領の楽観的姿勢を批判、辞任した。

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ブラジル/パンデミックを放置したボルソナロ大統領の罪
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ブラジル/コロナウイルスに蹂躙されるアマゾナス州マナウス

苦悩する医療スタッフたち

セアラ州はサンパウロ州に次ぐ感染者数を記録しており、パンデミックが始まって以来、病院の収容率は2倍に増加した。

救急病棟で働くオリベイラ氏は、「私たちは誰を生かし、誰を死なすか決めなければならない。集中治療を必要とする患者はあまりに多く、全員を助けることは到底できない。彼らが安らかに逝けるように、緩和ケアを施している状態だ」と述べた。

州政府は犠牲者の遺体を長期保存できる大型冷蔵コンテナを各所に設置、対応に苦慮する病院をバックアップしている。

同州の病院で働く医師はBBCの取材に対し、「多くの国民が現実を直視できずにいる。ボルソナロ大統領のように社会的距離を無視し、マスクを着用せず、大規模集会を開催し、感染拡大を助長している」と述べた。

先月、アマゾナス州マナウスの当局関係者が死者の数を意図的に増やし、空の棺を埋葬している、という噂がソーシャルメディア上に拡散された。しかし、これは事実と異なることが既に証明されている。

オリベイラ氏の兄弟たちは、ボルソナロ大統領のアドバイスに従っていたという。感染予防措置を一切取らず、高齢の両親宅を訪ねていると知り、彼女は「非常に動揺した」と述べた。

医療現場の最前線で働くオリベイラ氏のような医療スタッフたちは、家族や子供、パートナーから数週間離れるなど、己を犠牲にして懸命に働いている。ボルソナロ大統領が国を真っ二つに分断したことで、オリベイラ氏の苦悩は増大した。「政府が混乱を招いていなければ、私たちはより多くの命を救うことができたでしょう

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