◎歴史的な3期目をスタートさせた習近平 国家主席は先月、ゼロコロナ政策を維持すると誓ったように見えた。
中国共産党は11日、全国のコロナウイルス陽性者数がこの数カ月で最高レベルに達したにもかかわらず、規制の一部を緩和した。
中国中央テレビ(CCTV)によると、濃厚接触者の検疫期間が緩和されたという。
また当局は二次接触者(濃厚接触者と接触した人)の記録を停止すると発表した。これにより、数千万人が検疫対象から除外されるとみられる。
歴史的な3期目をスタートさせた習近平(Xi Jinping)国家主席は先月、ゼロコロナ政策を維持すると誓ったように見えた。
報道によると、習主席は10日、政治局常務委員との初会合を開いたという。
共産党の厳しいゼロコロナ政策は多くの命を救ったが、経済と国民生活に大打撃を与えている。
多くの国民が強制PCR検査にウンザリし、自分の居住エリアが封鎖されることを恐れて生活している。
中国版ツイッターのWeiboには「日常を取り戻したい」「マスクを脱ぎ捨てたい」「宴会が恋しい」などといった投稿が数えきれないほど寄せられている。
国家衛生健康委員会(NHC)は11日、「今回の変更は緩和ではなく、変化を続けるコロナウイルスの形態に適応するためのものである」と主張した。
またNHCは「ワクチン接種を加速させる計画を策定する」と明らかにした。
保健当局のまとめによると、10日の全国の陽性者数は1万500人を超えたという。これは上海市で今年4月に発生した流行以来の水準である。
北京、広州、鄭州(ていしゅう)などの主要都市で感染が広がっている。鄭州市のiPhone工場閉鎖の影響は世界に広がりつつある。
Weiboユーザーたちは二次接触者と濃厚接触者の制限緩和を歓迎したが、「もう一歩踏み込んでほしい」「封鎖をやめよう」「お願いだから封鎖はやめて」といった懇願投稿が散見された。
ほとんどの制限はまだ維持されている。多くの都市で住民の移動が突然制限され、仕事や学校生活に支障をきたしている。
現在の震源地である広州市では今週、一部地区で外出禁止令が公布され、各家庭の代表ひとりしか外に出て買い物をできなくなった。公共交通機関も止まり、学校と企業も閉鎖を余儀なくされている。
もうひとつの震源地である鄭州市も似たような状況で、台湾のiPhon関連メーカー「フォックスコン」の巨大工場の寮に住む労働者が敷地内に閉じ込められた。