◎カーン氏の支持者は各地で小規模なデモを始めている。
パキスタンのカーン(Imran Khan)前首相は25日、首都イスラマバードで早期解散総選挙を求めるデモ行進を開催すると発表した。
カーン氏の支持者は各地で小規模なデモを始めている。
選挙管理委員会は先週、カーン氏が外国高官から受け取った贈答品の売却益を正しく申告していなかったとして、公職に就く資格を剥奪した。
選管はカーン氏が2020~21年に提出した資産明細で虚偽の申告を行ったと指摘。「カーン氏の議員資格を剥奪する」としたが、カーン氏の弁護団は選管に議席を剥奪する権限はないとして裁判に打って出る構えだ。
カーン氏は記者会見で、「北部ラホールからイスラマバードまでデモ行進を行うことが決まった」と語った。この2都市の距離は380kmである。
カーン氏はこのデモを「歴史上最大の長征(遠くまで征伐に行くこと)」と呼び、シャリフ(Shehbaz Sharif)首相に解散総選挙を命じた。「今すぐ解散しなさい...」
政府は以前、カーン氏のデモ参加者はイスラマバードへの立ち入りを禁じられ、それを阻止するために3万人の法執行官を配備すると発表している。
また当局はデモ隊が到着する前に、イスラマバード近郊の道路に数百のコンテナを設置する予定だ。
中露寄りのカーン氏は今年4月に不信任決議で追放されて以来、政府と司法を厳しく批判し、全国各地で政治集会を開催。シャリフ氏に解散総選挙を迫っている。
カーン氏は先月、首相在任中に受け取った少なくとも4つの贈答品を売却し、所得税申告書に記載したことを認めた。政治家は個人的に受け取った贈答品を申告しなければならないが、一定額以下のものは保管しておくことを許可される。
選管はカーン氏を国会から追放すると発表し、カーン氏の弁護団は裁判で争うと誓った。
パキスタンの政情不安は経済の不確実性を高め、国際的な格付け機関はシャリフ政権が▽政治的圧力▽来年予定されている選挙▽未曽有の大洪水から復興など、複数の問題に対処し、経済を維持できるかどうかを疑問視している