◎オートバイに乗った男2人はマニラ首都圏ラスピニャス市でジャーナリストのマバサさん(63歳)が運転する車を襲い、頭を2発撃ち逃走した。
2022年10月4日/フィリピン、ケソン州、ジャーナリストの殺害に抗議する人々(Aaron Favila/AP通信)

フィリピン当局は4日、武装勢力がラジオコメンテーターを射殺したと発表した。

警察によると、オートバイに乗った男2人は3日夜、マニラ首都圏ラスピニャス市でジャーナリストのマバサ(Percival Mabasa)さん(63歳)が運転する車を襲い、頭を2発撃ち逃走したという。

警察は2人の行方を追っている。

マバサさんは暴力的な薬物撲滅政策を推進したドゥテルテ(Rodrigo Duterte)前大統領とマルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr)大統領に批判的なジャーナリストとして知られていた。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは事件を非難し、「この攻撃はフィリピンのジャーナリストが暴力に直面していることを浮き彫りにしている」と指摘した。

またアムネスティはこの攻撃を「超法規的処刑」と評し、政府に批判的な声を黙らせようとする試みであると述べた。

遺族は地元メディアを通じて声明を発表。政府に容疑者を捕え、裁判にかけるよう要請した。

地元メディアによると、マルコス・ジュニア氏が6月に就任して以来、ジャーナリストへの嫌がらせや暴力が増加しているという。先月にはラジオ局のジャーナリストが口論の末刺殺されている。容疑者は逮捕された。

アムネスティによると、独裁者の故フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)氏が打倒された1986年以降にフィリピンで殺害されたジャーナリストは確認できているだけで200人近くに達したという。

2009年には南部マギンダナオ州の知事の家族が配備した武装兵が対立する野党候補の家族を襲撃し、メディア関係者32人を含む58人が虐殺された。この知事の息子を含む事件に関与した28人は終身刑を言い渡されている。

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