◎西欧に亡命を求める移民は頼りないゴムボートや木造船で北アフリカを出港し、ギリシャやイタリアなどへの入国を試みる。
2022年9月17日/チュニジア沖の石油採掘施設、亡命希望者たち(Petros Karadjias/AP通信)

スペインのNGO「プロアクティバ・オープン・アームズ(Proactiva Open Arms、POA)」は18日、北アフリカから出航したとみられる亡命希望者372人を救助したと報告した。

POAの広報担当によると、人身売買業者に撃たれたとされる男性1人の遺体を収容したという。

POAはホームページとソーシャルメディアに、「372人を受け入れてくれる安全な港を探している」と声明を投稿した。

広報担当によると、マルタ政府に2回救援を要請したという。

POAはこの24時間で3回亡命希望者を救助したと報告している。その中で最も困難だったものがマルタ島南東の海域で遭難したボートの救助だった。

POAによると、このボートには294人が乗船していたという。救助された人はAP通信の取材に対し、「4日間海上をフラフラと彷徨ったが、陸は全く見えず、死を覚悟した」と語った。

さらにPOAは、チュニジア沖にある石油掘削施設に流れ着いた移民59人も救助した。59人のうち10人は未成年で、施設の横に泊められていたボートには人身売買業者に撃たれたとされる男性の遺体が残っていたようだ。

この59人はシリア、エジプト、スーダン、エリトリア人で構成されていた。

AP通信の取材に応じた男性は、「人身売買業者は出航後まもなく、私たちを見捨てた」と説明した。

POAは17日にもリビア沖で頼りないゴムボートに乗った19人を救助している。19人中16人はシリア人とみられる。

POAの作戦に同行したAPのジャーナリストはツイッターに、「救助作業中に逃亡を図る人が後を絶たず、救助チームを危険にさらしている」と投稿している。

西欧に亡命を求める移民は頼りないゴムボートや木造船で北アフリカを出港し、ギリシャやイタリアなどへの入国を試みる。

2022年9月17日/チュニジア沖の石油採掘施設、救助された親子(Petros Karadjias/AP通信)
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