◎迷子のシロイルカは今週、北極圏の生息地から遠く離れた蒸し暑いパリのセーヌ川で初めて目撃された。
フランスの環境保護団体は6日、首都パリ西部のセーヌ川に迷い込んだシロイルカを救出する作戦が難航していると報告した。
シロイルカはイッカク科シロイルカ属に分類されるクジラ類。欧州ではシロクジラやベルーガと呼ばれている。
反捕鯨団体シー・シェパードのフランス支部は24時間体制で救出作戦を行っているが、シロイルカはエサを拒んでいるという。
同支部は6日、「救出チームはシロイルカを脅かさないように慎重に作業を進めているが、エサ(魚)を食べてくれない」とツイートした。
専門家によると、野生のイルカは警戒心がとても強く、エサを与えるのは至難の業だという。
野性のシロイルカは魚類、カニなどの甲殻類、貝類、環形動物などを食べると考えられている。
同支部は、「シロイルカはひどくやせ細り、フラフラ泳いでいる」と報告している。
迷子のシロイルカは今週、北極圏の生息地から遠く離れた蒸し暑いパリのセーヌ川で初めて目撃された。
消防当局はドローンでシロイルカを追跡し、ボートでノルマンディー方面に誘導できないか模索している。
専門家によると、イギリス海峡からパリまでは数百キロ離れているため、自力で泳いで戻るのは困難だという。
シー・シェパードは5日に現地入りし、迷子のシロイルカにニシンを与えようとしているが、ことごとく無視されているようだ。
シー・シェパードは救出作戦を「時間との戦い」と呼び、「シロイルカはお腹を空かせて衰弱死してしまう」と危惧している。
パリ当局は6日遅くの声明で、「シロイルカは船から逃げるように泳ぎ、より安全な水域に誘導しようとしても無視される」と報告した。
シー・シャパードはシロイルカにストレスを与えないよう慎重に作業しているという。