◎これまでに児童19人を含む21人の死亡が確認された。
米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は24日、テキサス州ユバルディの小学校で発生した銃乱射事件の犠牲者に哀悼の意を表し、苦悩と怒りを込めて銃器に対する新たな規制を求める緊急の呼びかけを行った。
事件はメキシコ国境に近いユバルディ郡のロブ(Robb Elementary School)小学校で24日に発生した。
同州のアボット(Greg Abbott)州知事によると、容疑者は地元の高校生サルバドール・ラモス(Salvador Ramos、18歳)で、当局者に撃たれ死亡したという。
これまでに児童19人を含む21人の死亡が確認された。
バイデン氏は銃暴力に対応する必要があると訴え、連邦議会の銃規制法案を阻止している強力なロビー団体とその支持者を痛烈に批判した。
バイデン氏は、「一体いつになったら銃のロビー団体に立ち向かえるのですか?」と感情を込めて言った。「いつまで私たちはこの殺戮を受け入れるのですか?なぜこのような事態を放置し続けるのですか?」
バイデン氏は犠牲者とその家族に哀悼の意を表し、「子供を失うということは、自分の魂の一部を引き剥がされるようなものだ」と述べた。「胸の奥に空洞ができるような感じです。吸い込まれていくような、決して抜け出せないような感覚に陥るのです」
バイデン氏は自分の子供を2人亡くしている。
地元当局によると、犠牲者は21人に増加した。負傷者の数は明らかにされていないが、AP通信などによると、少なくとも14人が病院に搬送されたという。この中の数人が病院で死亡したと伝えられている。
バイデン氏はちょうど1週間前、日韓訪問の直前にニューヨーク州バッファローの銃乱射事件の現場を訪問し、花を手向けた。この事件では10人が死亡している。
バイデン氏は、「このような大量殺戮は世界のどこでもめったに起こらない」と述べ、他の国々にも憎しみに満ちた人々や精神衛生上の問題を抱えた人々はいるが、米国のようなレベルの銃暴力はめったに発生しないと国民に問いかけた。
2012年にコネチカット州の小学校で発生した銃乱射事件では児童20人を含む26人が射殺されたが、銃規制の取り組みは失敗に終わった。
今回の事件が銃規制に関する政治的行き詰まりを打破できるかどうかは分からない。
バイデン氏は、「18歳の少年が銃器店でアサルトライフルを購入できるということは間違っている」と訴えた。バイデン氏は以前から、殺傷能力の高い自動小銃の販売禁止、連邦政府による身元調査の強化、精神衛生上の問題を抱える人々への銃販売禁止などを要求している。
民主党のシューマ―(Chuck Schumer)上院院内総務は24日、銃購入時の身元調査を拡大する下院が可決した2つの法案に取り組むと示唆したが、採決を行うとは明言しなかった。
共和党は銃規制に反対しているため、この法案は議事妨害で廃案になる可能性が高い。
ホワイトハウスによると、バイデン氏はホワイトハウスに到着する直前にテキサス州のアボット知事と電話で話し、あらゆる支援を提供すると約束したという。
ホワイトハウスは犠牲者に敬意を表し、28日の日没まで半旗を掲げるよう政府機関に通知を出した。