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運動ガイドラインを満たしている米国の成人47%=CDC


米国の成人のうちガイドラインを満たしているのは約47%に過ぎない。
トレーニングジムのイメージ(Getty Images)

米国で成人の運動不足が深刻な実態にあることが、最新の調査で明らかになった。疾病対策センター(CDC)の報告によると、推奨される運動量を満たしている成人は全体の半数未満にとどまり、健康への影響が懸念されている。

米国の成人のうちガイドラインを満たしているのは約47%に過ぎない。これは週150分以上の中強度の有酸素運動、またはそれに相当する運動量を確保している人の割合を指す。裏を返せば、過半数の人々が十分な身体活動を行っていないことになり、生活習慣病のリスク増大などが問題視されている。

米国の運動指針では、成人は少なくとも週150~300分の中強度運動、または75~150分の高強度運動を行うことが望ましいとされている。さらに、筋力トレーニングも週2回以上取り入れることが推奨されている。こうした基準は心血管疾患や糖尿病、肥満、さらには精神的健康の改善にも寄与するとされる。

しかし現実には、多くの人々がこうした基準に達していない。専門家はその背景として、デスクワーク中心の生活様式や長時間の座位行動、運動習慣の欠如などを挙げている。また、忙しさや時間不足を理由に運動を後回しにする傾向も強い。

一方で、近年のデータは必ずしも悲観的な側面だけを示しているわけではない。過去には基準を満たす割合がさらに低かった時期もあり、一定の改善傾向が見られるとの指摘もある。とはいえ、依然として半数以上が基準未達である現状は、公衆衛生上の大きな課題であることに変わりはない。

専門家は運動不足の解消には必ずしも特別なトレーニングやジム通いが必要ではないと強調する。日常生活の中で歩く時間を増やしたり、階段を使ったりするだけでも一定の効果が得られるという。重要なのは「まったく動かない状態」を避け、少しでも身体を動かす習慣を継続することである。

また、運動は長期的な健康だけでなく、短期的にも気分の改善やストレス軽減といった効果をもたらす。こうした即効性のある利点を理解することが、運動習慣の定着につながる可能性があると指摘されている。

今回の報告は現代社会における運動不足の構造的問題を浮き彫りにした。テクノロジーの進展によって生活が便利になる一方で、身体活動の機会は減少している。こうした状況の中で、個人レベルの努力だけでなく、職場環境や都市設計、教育など社会全体で運動を促進する取り組みが求められている。

米国における運動習慣の改善は、医療費の抑制や生活の質の向上にも直結する重要な課題である。半数以上が基準を満たしていないという現実は、健康政策の再検討を迫る警鐘とも言える。今後、どのようにして人々の日常に運動を取り戻すかが大きな焦点となる。

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