2026年、多くの電子機器が値上がりする可能性、メモリ需要急増
背景には、これまで比較的安価だった主要部品、特にコンピューターのメインメモリ(RAM/DRAM)の価格急騰があると報じられている。

2026年、スマートフォンやパソコンをはじめとする多くの電子機器の価格が上昇する可能性が高いとの見方が業界から出ている。背景には、これまで比較的安価だった主要部品、特にコンピューターのメインメモリ(RAM/DRAM)の価格急騰があると報じられている。RAMはスマホやPCがアプリやデータを一時的に扱うために使う重要部品で、最近の価格は2025年10月ごろから数倍に跳ね上がったとの指摘がある。
この現象の主因として、人工知能(AI)データセンター向けのメモリ需要が急増していることが挙げられている。AIモデルの学習や推論に用いられる高帯域幅メモリ(HBM)や大容量DRAMは通常のスマホやPC向けより多くのメモリを必要とし、主要なメモリ供給企業がAIインフラ向けの生産を優先しているため、従来の消費者向けメモリ供給が逼迫しているという。
この供給逼迫は、技術市場全体に波及している。メモリ価格が高騰すると、スマホやノートパソコン、タブレット、さらにスマートテレビやゲーム機などの製造コスト全体が押し上げられる。ある専門家は「現在、主要メモリメーカーが提示する価格は数カ月前の数百パーセント高になっている」と述べ、代表的なコンポーネントコストの急増が避けられない状況だと指摘している。
これまでは製造各社が原材料や部品の価格上昇をある程度吸収し、消費者価格への転嫁を抑えてきたが、今回の価格変動は規模が大きく、吸収しきれないとの見方が強い。メーカーがコスト増を製品価格に転嫁することで、消費者が支払う価格が直接的に上昇する可能性が高いとされている。
メモリ価格の高騰は、単なるスマホやPCだけでなく、電子機器全般の価格構造にも影響を及ぼすとみられる。例えば、RAMが車載コンピューターや医療機器にも使われているため、その価格上昇は幅広い分野に波及し、消費者が日常的に利用する製品の価格全般に上乗せ圧力をかける可能性がある。
さらに、メモリ不足は消費者の選択肢にも影響するとの指摘もある。価格の上昇に伴い、低価格モデルや中価格帯のスペックが抑えられる可能性があり、性能と価格のバランスにおける調整が迫られる可能性がある。メーカーが消費者向けのメモリ量を減らして価格を据え置く戦略を採る可能性も指摘されているが、これもユーザー側にとっては「価格押し上げ」と同様の負担となり得る。
価格上昇の影響は市場全体にも及んでおり、スマホやPCの出荷量が鈍化する可能性も取りざたされている。部品価格が上昇することで、消費者の購買意欲が減退し、結果として生産量が減少するシナリオも考えられている。
一方で、大手ブランドは長期的な供給契約や資金的な余裕を背景に、短期的な影響を最小限に抑える可能性があるとも報じられている。しかし、中小メーカーや価格競争力の低い企業は価格上昇の影響を大きく受け、消費者にとって選択肢が狭まる可能性もある。
こうした価格上昇圧力は、世界的な半導体供給の逼迫がもう一段深刻になっていることの表れと見る向きもあり、今後の動向を巡る業界と市場の注目が高まっている。2026年は、消費者電子機器の価格トレンドにとって重要な試金石の年になる可能性がある。
