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コラム:高市政権2026、政治基盤と政権運営

第2次高市政権は、衆院選の歴史的勝利を契機として、政治基盤の強固化と政権運営の体制整備を進めている。
高市首相(AP通信)
現状(2026年2月時点)

2026年2月時点において、日本では第2次高市政権が発足準備段階にあり、2月8日の衆議院選挙の歴史的勝利を受けて、政治的勢力の再編と政権基盤の強化が確認されている。高市早苗(たかいち さなえ)総裁・首相は、2025年10月の自民党総裁選で勝利し首相に就任した後、発足から間もない段階で衆院解散・総選挙に踏み切り、自民党単独で310議席超の歴史的多数を獲得した。これにより自民党と連立与党との安定多数体制が成立し、政策遂行能力の強化が見込まれている。内閣支持率も高水準で推移し、強固な政治基盤の形成が進行中である一方、経済リスクや外交課題など不透明要素も存在する。

2月8日の衆議院選挙

2026年2月8日に実施された第51回衆議院議員総選挙(以下「衆院選」)は、高市政権の政治的正統性を問う選挙として位置付けられた。自民党は単独316議席を獲得し、戦後最大級の勝利を収めたことが確認された。これは自民党が単独で衆院議席の3分の2を超える「超多数」を確保した歴史的な結果であり、与党全体での安定多数確保を通じて高市政権の立法基盤が強化された。選挙戦は短期集中の戦いとなり、高市首相の人気と政策アピールが無党派層の支持を集める主因となった。

与野党の争点は経済政策(物価高対策・積極財政)、安全保障強化、外国人政策など多岐にわたり、自民・維新連立の信任を問う構図が鮮明になった。野党側は中道勢力の連合を模索したものの、自民党側の圧倒的支持に太刀打ちできなかった。

2月18日発足予定

衆院選後、第2次高市政権は2月18日を目途に閣僚・内閣人事を固めて発足する予定である。この人事により、高市体制の政権運営スタイルと政治的重心が明確になる見通しである。候補者リストやポスト配分は政権の政策課題(経済安全保障、外交・安全保障、規制改革等)に照準を合わせたものになる可能性が高い。

政治基盤と政権運営の現状

第2次高市政権の政治基盤は、大きく以下の3層で成り立っている。

  1. 党内基盤(自民党内の支持と「高市1強」体制)、

  2. 与党・協力体制(日本維新の会との関係・連立協力)、

  3. 政策遂行能力(官邸主導の統制・省庁横断的体制)。

党内基盤:「高市1強」体制の確立

高市首相は自民党総裁選で党内支持を固め、現在は「高市1強」体制が党内で確立している。これは高市首相が党員・党友票でも強い支持を集めたことに加えて、自民党内の有力議員層からも支持されていることに基づく。この結果として、自民党内の政策決定プロセスは高市首相のリーダーシップに大きく依存する構造となっている。

党内基盤は安倍派・石原派を中心とする保守本流に回帰しつつあり、高市政権はその系譜を強調している。党内からは高市首相の「政策ドライブ感」が評価され、岸田政権期の「静(静的)」な政治から脱却しているとの見方もある。

保守本流への回帰

高市政権は政策面で保守本流への回帰を標榜しており、防衛力強化、積極的安全保障政策、憲法改正議論推進などを掲げる。これらの政策アジェンダは安倍・福田以降の自民党主流派の主張と親和性が高く、党内支持層の期待にも応えている。

ただし、この保守基調の強化は一部で国内外に懸念も招いている。特に対中外交や台湾問題に関する強硬発言は、外交リスクを高める可能性が指摘されている。

「選挙の顔」としての圧倒的実力

衆院選における自民党の圧勝は、高市首相を「選挙の顔」として評価する国民多数の支持を反映している。無党派層や若年層の支持も取り込み、政権基盤の社会的広がりを見せた。これにより、高市政権は単なる党内支持に止まらず、国民的な支持をも基盤としていると評価される。

閣僚・党役員人事

第2次高市政権の発足にあたっては、閣僚・党役員人事が政権運営のキードライバーとなる。人事は保守本流の重鎮、若手実力者、政策ブレーンをバランス良く配置することが求められる。特に経済安全保障・外交・防衛関連閣僚の顔ぶれは、政権の政策推進力と一体性を象徴するものとなる。

与党・協力体制:自民・維新関係の変容と「自維協力」

第2次高市政権の与党基盤は自民党単独の多数に加え、日本維新の会との連立・協力関係(以下「自維協力」)が重要となっている。維新は政策的に自民党と一致する点も多く、防衛・行政改革・規制改革に関して協力体制を築いている。

維新の会との摩擦

ただし維新との関係には摩擦も存在する。選挙後、維新側はより積極的な構造改革や地方分権を求める姿勢を示しており、自民党本流との政策調整が必要となる。連立協力とはいえ、政策優先順位や具体的政策内容で対立が生じる可能性を孕んでいる。

政策遂行能力:官邸主導の「有事型」運営

高市政権は官邸主導の強力な政策遂行体制を構築しつつある。これは省庁横断的な政策調整メカニズムを強化し、経済安全保障や官民連携の重要政策を迅速に展開することを目指すものである。

「経済安全保障」を軸とした省庁横断

経済安全保障政策は高市政権の中核的政策テーマであり、経産省・防衛省・内閣官房などの省庁横断的な協力体制が整備されている。これによってテクノロジー戦略、サプライチェーン強化、デジタルインフラ保護などが総合的に推進される見通しである。

SNS・メディア戦略

高市政権はSNSやデジタルメディアを活用した広報戦略にも力を入れている。このアプローチは特に若年層向けの支持基盤形成に寄与しており、政策メッセージの直接発信を通じて支持拡大を図るものとなっている。

直面するリスクと不透明要素

「高市インフレ」への懸念

積極財政の推進は国民からの支持を得やすい一方で、金融市場や財政の持続可能性に懸念を生じさせている。日本は高齢化と債務残高の増大という構造的課題を抱えており、積極財政と財政規律のバランスを如何に取るかが政策運営上の重要課題である。

対中・対米外交のバランス

高市政権は対中国強硬姿勢を鮮明にしているが、外交面では米国との連携調整も不可欠である。台湾問題や安全保障協力を巡る米中間の緊張は、日本の外交選択に大きな影響を与えるため、緻密なバランスが政治運営の鍵を握る。

政治基盤の構造分析まとめ

高市政権の政治基盤は、党内強力支持、国民的支持の確立、与党連立協力、省庁横断的統治といった複数の要素から構成される。これらの結合は政権の安定性と政策遂行力の源泉であるが、同時に経済・外交・内部摩擦といったリスクを抱える。高市政権はこれらの要素を精緻に運営しつつ、政策的成果を示す必要がある。

今後の展望

高市政権は強力な政治基盤を背景に、憲法改正議論の前進、経済安全保障戦略の深化、防衛力強化といった構造的政策課題への対応が期待される。政治基盤の安定性と国民支持の持続がこれらの政策実現に不可欠であり、今後の政権運営は国際情勢や内政リスクに対する柔軟かつ戦略的な対応が試されることになる。

まとめ

第2次高市政権は、衆院選の歴史的勝利を契機として、政治基盤の強固化と政権運営の体制整備を進めている。党内外の支持、与党協力体制、官邸主導の政策遂行能力が相まって高市政権は強い立場を確立しているが、経済的持続性や外交リスクなど不確定要素への対応が今後の課題である。


参考・引用リスト

  • 高市首相 衆院選後会見(自民党公式)

  • Takaichi Dominates Japan’s Lower House Election(CSIS analysis)

  • 衆院選 自民党の歴史的大勝が日本株に与える影響(Nomura report)

  • As Japan's Takaichi creates election history, only markets stand in her way(Reuters)

  • 総選挙で圧勝した高市首相の政策と展望(東洋経済オンライン)

  • Landslide election victory lets Takaichi confront China on her terms(Japan Times)

  • 〖衆院選〗高市自民歴史的圧勝 日刊スポーツ記事(turn0search18)

  • 〖政権進路問う真冬の審判〗東日本放送(turn0search19)

  • 2026衆院選争点整理(nippon.com)

  • 自民党選挙戦略と政策(自民党公式)

  • 高市新総裁の保守政治分析(nippon.com)

  • 高市政権の強みとアキレス腱(FNNオンライン

  • 自民党歴史的圧勝と金融市場(NRI分析)


追記:第2次高市政権の政治基盤と中長期リスク

これまでの政権とは一線を画す「強固かつ実験的」政治基盤

第2次高市政権の最大の特徴は、強固性と実験性が同時に存在する政治基盤にある。従来の長期安定政権は、派閥均衡・利益配分・合意形成を軸に制度的安定性を確保してきた。一方、高市早苗政権は、以下の点で質的に異なる構造を持つ。

① 派閥均衡型からリーダー集権型への転換

従来の自民党政権では派閥力学が政策決定の前提であったが、高市体制では「高市1強」による首相官邸主導型統治が顕著である。これは意思決定速度を高め、危機対応能力を強化する利点を持つ反面、権力集中による調整機能の劣化という制度的リスクを伴う。

② 政策駆動型基盤

政治基盤が「数」ではなく「政策支持」で支えられている点も重要である。安全保障・経済安全保障・規制改革といった明確な政策軸が支持の源泉となっている。この構造は高い動員力を持つが、政策成果が支持率に直結するため、政策失敗時の揺り戻しが急激化する傾向を持つ。

③ 実験的統治モデル

官邸主導・SNS直接発信・省庁横断チームなどの統治手法は、日本政治としては実験的要素が強い。成功すれば統治モデルの転換点となるが、制度摩擦や官僚組織の抵抗が顕在化した場合、政権運営コストが増大する。


対中強硬姿勢とサプライチェーン混乱リスク

高市政権の外交・安全保障路線は対中抑止を強調する。これは安全保障戦略として合理性を持つ一方、経済安全保障と市場安定性の間に構造的緊張を生む。

① 経済依存構造の現実

日本経済は依然として中国との貿易・生産ネットワーク依存が大きい。半導体材料、レアアース、電子部品、製造装置分野では相互依存関係が深い。このため、外交摩擦は以下の連鎖反応を引き起こし得る。

  • 原材料供給の不安定化

  • 生産コスト上昇

  • 国内物価押し上げ

  • 企業収益圧迫

② 経済安全保障政策の逆説

サプライチェーン再編は安全保障合理性を持つが、短期的には非効率性と価格上昇圧力を伴う。これがいわゆる「地政学的インフレ」を加速させる可能性がある。

③ 市場心理への影響

金融市場は地政学的緊張に敏感である。対中関係悪化は為替変動・株価調整・資本移動の不安定化を誘発し、政権支持率や経済評価へ影響を与える。


米国政権交代(2028大統領選)と日米関係再調整

中長期的視点で不可避なのが米国政権交代リスクである。米国の対外戦略は政権ごとに振幅を持つため、日本の外交・安全保障戦略にも直接的影響を及ぼす。

① 安全保障政策の揺らぎ

仮に孤立主義的政権や対外関与縮小路線が採用された場合、以下の再調整が必要となる。

  • 日米防衛負担の再配分

  • 在日米軍体制の再評価

  • 自主防衛論の再浮上

② 経済・通商政策変化

米国の保護主義強化は、日本企業の投資戦略や輸出構造へ直接影響を与える。関税政策や産業補助金政策は日米経済関係を再構築させる要因となる。

③ 外交的自律性の試練

米国の政策変化は、日本の外交自律性拡大を促す一方で、戦略的孤立リスクも増幅させる。高市政権の強硬外交路線は、この文脈において慎重な調整能力を要求される。


保守岩盤層の支持構造と政治安定性

高市政権の政治的推進力は、強固な保守支持層に支えられている。この支持構造は政権安定性の源泉であるが、同時に制約条件ともなる。

① 支持の安定性

保守岩盤層は政策的一貫性を重視するため、政権への忠誠度が高い。この結果として、

  • 政権基盤の耐久性向上

  • 政策遂行時の抵抗低減

といった効果が生じる。

② 政策柔軟性への制約

しかし、支持層期待から逸脱した妥協や修正は政治的コストを伴う。外交・財政政策での現実的調整が難しくなる可能性がある。

③ 中道層との緊張関係

長期政権維持には中道・無党派層の支持も不可欠である。政策硬直化は支持基盤の社会的広がりを制限するリスクを持つ。


旧派閥の再編と権力構造の再構築

派閥政治の弱体化が進む一方で、新たな権力ブロック形成の兆候が観察される。

① 派閥から政策連合へ

従来型派閥の代わりに、政策テーマ別・世代別の緩やかな連合体が形成されつつある。これはより流動的で機動的な政治構造を生む。

② 潜在的権力闘争

長期的には「ポスト高市」や政策主導権を巡る内部競争が不可避である。権力集中が強いほど、後継争いは激化する傾向を持つ。

③ 制度的帰結

この再編は、日本政治における派閥政治終焉の加速を意味する可能性がある。だが同時に、調整メカニズムの再制度化が課題となる。


総合構造分析

本追記で示された要素は、以下の構造的図式に収斂する。

要素安定化要因不安定化要因
強固な支持基盤政策推進力・統治速度権力集中・柔軟性低下
対中強硬姿勢抑止力・政治的動員経済摩擦・物価圧力
日米関係同盟安定性米政権変動リスク
派閥再編新陳代謝・機動性内部対立・後継争い

第2次高市政権は、高い政治的駆動力と制度的不確実性が共存する政権モデルとして位置付けられる。


追記まとめ

高市政権の持続性は以下の均衡管理能力に依存する。

  • 経済安全保障と市場安定性の均衡

  • 強硬外交と実務外交の調整

  • 保守支持層と中道層のバランス

  • 権力集中と制度調整の両立

成功すれば、日本政治の統治モデル転換点となる可能性がある。失敗すれば、急激な政治的反動を誘発するリスクを孕む。第2次高市政権は、日本政治における典型的安定政権ではなく、高リスク・高変革型政権として理解されるべきである。


補強分析:政治基盤モデル・国際比較・経済影響・世論動態

Ⅰ. 政治基盤モデルの図解

第2次高市政権の政治基盤は、従来型の派閥均衡モデルではなく、多層的ハイブリッド基盤モデルとして理解する必要がある。

■ 構造モデル(概念図)

 
【国民支持層】

│(選挙正統性)

【首相官邸】───【SNS直接発信】

│(政策統制・司令塔機能)

【自民党基盤】───【政策連合型議員層】

│(立法基盤)

【与党・協力体制(自維協力)】

│(政策遂行)

【官僚機構・省庁横断チーム】

■ 特徴的ポイント

① 権力集中核:官邸

  • 意思決定の司令塔

  • 危機対応型統治

② 支持基盤の二層構造

  • 保守岩盤層(安定装置)

  • 無党派・中道層(拡張装置)

③ 派閥代替メカニズム

  • 政策別連合

  • 官邸依存型調整


Ⅱ. 国際比較分析

高市政権の統治スタイルは、歴史的に以下の政権と比較可能である。

  • マーガレット・サッチャー政権

  • ロナルド・レーガン政権


1️⃣ サッチャー政権との比較
観点サッチャー高市
政治基盤強いイデオロギー支持強い保守支持
統治スタイル強力な首相主導官邸集権型
政策ドライブ市場改革・構造改革経済安保・安全保障
リスク社会分断・格差拡大経済摩擦・外交緊張

共通点

✔ リーダー主導型政治
✔ 支持層の強い忠誠度
✔ 政策的一貫性の重視

相違点

✔ サッチャー=国内経済改革中心
✔ 高市=地政学・安全保障中心


2️⃣ レーガン政権との比較
観点レーガン高市
政治的役割冷戦下の強硬路線地政学的不安定期
経済政策減税・軍拡積極財政+安全保障
支持基盤保守革命連合保守岩盤+無党派層
リスク財政赤字拡大インフレ圧力

共通点

✔ 安全保障ドライブ政権
✔ 強い政治的メッセージ性
✔ 市場への複合的影響


■ 国際比較の含意

第2次高市政権は、

「サッチャー型の統治集中 × レーガン型の安全保障駆動」

という複合モデルに近い。


Ⅲ. 経済影響シミュレーション

(理論モデルによるシナリオ分析)

先ほどの図表は、供給制約ショック+物価反応モデルを単純化したものである。


■ モデル前提

✔ ベースライン物価上昇率:約1.5%
✔ サプライチェーンショック発生
✔ コストプッシュ圧力上昇
✔ 政治評価への影響関数


■ 観察結果

① インフレ経路

  • ショック発生 → 急激な物価上昇

  • 徐々に減衰するが尾を引く

政策含意

✔ 経済安保政策は短期的インフレ圧力を伴う
✔ 市場安定策が不可欠


② 支持率動態

  • 物価上昇 → 支持率低下圧力

  • 経済心理が政治評価へ直結

政治含意

✔ 経済管理能力=政権安定性の核心


■ 構造的示唆

ショック要因政治的帰結
物価上昇支持率変動
実質賃金低下政権評価悪化
市場不安定政治リスク増幅

Ⅳ. 世論動態分析

第2次高市政権の世論基盤は、異質支持層の統合モデルである。


■ 支持層構造

【コア支持層(保守岩盤)】
・政策的一貫性重視
・安全保障評価高い
・変動性低い

【拡張支持層(中道・無党派)】
・経済評価依存
・物価・生活実感重視
・変動性高い


■ 動態メカニズム

① 安定装置:保守層

✔ 政権の下支え
✔ 政策継続性確保

② 不安定装置:中道層

✔ 経済ショックに敏感
✔ 支持率の振幅拡大要因


■ 政治的帰結モデル

状態世論反応
経済安定支持率維持
物価上昇中道層離反
地政学緊張保守層結集
政策成果顕在化支持回復

Ⅴ. 統合的理論結論

第2次高市政権は以下の政治経済モデルに分類される。


✅ 「高変動・高駆動型政権モデル」

特徴

✔ 強い政策推進力
✔ 権力集中型統治
✔ 世論弾性が大きい
✔ 経済ショック感応度高い


✅ 成功条件

1️⃣ 経済安定(インフレ制御)
2️⃣ 外交リスク管理
3️⃣ 支持層間均衡維持
4️⃣ 制度調整能力


✅ 失敗時の典型パターン

✔ 物価ショック → 中道層離反
✔ 権力集中批判 → 党内摩擦
✔ 外交緊張長期化 → 経済圧迫


最後に

高市政権は歴史的比較で見れば、

「構造改革型強権政権」ではなく
「地政学駆動型統治実験政権」

として理解される。


自民党 2026年衆議院選 公約 ―「日本列島を、強く豊かに。」(高市政権)

自民党公式による2026年衆議院選挙の政権公約は、「日本列島を、強く豊かに。」をスローガンとして掲げ、以下の5本柱を中心に構成されている。


1. 強い経済で、笑顔あふれる暮らしを。
  • 国内経済の持続的成長と雇用創出を目指し、重点的に経済投資を実施する方針を掲げている。経済安全保障・重要鉱物等の安定供給、先端技術振興などを通じて産業競争力を強化することが含まれる。

  • 物価高対策として飲食料品の消費税を2年間限定で対象外とする方向で検討を加速すると明記し、家計負担軽減を図ることを重視している。


2. 地方が日本経済のエンジンに。
  • 地方経済を強化するため、地方への投資を拡大し、地域ごとの産業クラスター形成を推進する。これによって「地方が経済のエンジン」となるよう地方活性化を進める方針である。

  • 中小・小規模事業者への支援強化、農林水産業の振興なども地方経済施策の重要項目として打ち出されている。


3. わが国を守る責任。国際秩序を担う日本外交。
  • 外交・安全保障政策の強化を掲げる。自民党は、日本の国際的役割と責任を強調し、防衛力と外交力を一体的に高める方針を示している。

  • 日中関係については「開かれた対話」を図るとしつつも、地域の安全・平和確保のため冷静かつ毅然と対応する姿勢を打ち出している。また、台湾海峡の平和と安定を重要課題として位置付ける旨が盛り込まれている。


4. すべての世代の安心と次世代への責任。
  • 社会保障制度の持続可能性と負担軽減の両立を打ち出している。消費税軽減策(2年限定の食品消費税対象外検討)に加え、社会保険料負担の見直し、生活支援策などを通じた世代間の安心を重要な政策課題としている。

  • 外国人政策については国民の不安や不公平感に正面から向き合い、住宅・土地取得に関するルール見直しを含めた対応を明記している。


5. 時代にふさわしい新しい憲法を、私たちの手で。
  • 憲法改正を公約に掲げ、自衛隊明記や緊急事態対応、地方自治・教育充実などを中心とした改正項目について国民への丁寧な説明を進める方針を示している。憲法に関する国民的議論の深化と実現に向けた取り組みを明示している。


なお自民党の公約解説では、これら5本柱に関連した具体政策として以下の点が国内外報道でも紹介されている。

  • 消費税の一時停止や食品税ゼロ案など、生活者の負担軽減策が選挙戦の目玉となった。

  • 憲法改正(戦後憲法の見直し)も強い意志で推進する点が政権・与党の意欲として報じられている。

  • 外交・安全保障では防衛費の拡大、国家安全保障法制の強化など、積極的な政策展開が予想される。


公約の要約

自民党・高市政権の公約は、

① 経済成長と生活支援、
② 地方活性化、
③ 外交・安全保障強化、
④ 社会保障と世代間安心、
⑤ 憲法改正への本格的挑戦

という5本柱を中心に構成されている。

これらは、高市政権が掲げる「日本列島を、強く豊かに。」という国家ビジョンを具体化する政策体系として位置付けられ、国内外の政治課題に対応することを意図している。


以下では、自民党(高市政権)の公約5本柱それぞれについて、具体的な法案案・政策スケジュール、財源見通し、中長期影響、立法プロセスの分析を整理する(2026年衆院選公約に基づいた推定・分析)。なお、以下の内容は公式公約原案や報道に基づくものを整理したものである。


Ⅰ|強い経済と暮らし支援

● 具体的な法案案

1)飲食料品の消費税2年間ゼロ法案(暫定減税)
 ・「特例消費税法」の改正によって、対象となる飲食料品の消費税を2年間に限り免税とする法案。
 ・実施対象範囲・品目リストの規定を付する附則を設ける必要がある。

2)新予算枠創設法(成長投資枠制度化)
 ・経済成長投資を目的とした予算枠を恒久化・制度化する「成長投資枠制度法」。
 ・予算編成法の見直しと付帯決議で「機動的財政運用」を可能にする体系を法文化する。

● 財源

  • 消費税免税分の財源は現時点で未確定とされており、政府・与党の国民会議で「実現可能性を検討」するとしている。

  • 中期財政管理の枠組み(2026〜2029年度)は国債発行による財政出動余力を一定確保した上で、緊急投資枠を設定する案が議論されている。

● 政策スケジュール

1)2026年夏〜秋:国民会議で対象範囲・財源案を策定
2)2026年通常国会:税制改正議論
3)2027年1月:国会成立を目標
4)2027〜2028年:施行 → 2年間免税措置(2029年末まで)

● 中長期影響

  • 消費需要刺激効果が期待される一方で、財政悪化と税収構造の歪みが課題となる。

  • 国際比較では短期減税は景気刺激策として有効だが、構造的財政再建への出口戦略を明確にする必要がある。

● 立法プロセス

  • 衆・参両院で税制改正関連法案の審議必至。

  • 自民単独3分の2超の勢力は下院で優位だが、上院(参議院)での与党議席が十分でないため、野党との合意形成が不可欠となる。


Ⅱ|地方活性化と産業強化

● 法案案

1)地方投資優遇税制法
 ・地方経済圏への企業投資に税制優遇措置(法人税の特別控除・固定資産税減免)を付与。

2)地方産業振興特区法
 ・地方独自の産業特区制度を法制化し、規制緩和・資金支援とセットで推進。

● 財源

  • 地方交付税・交付金制度の見直し

  • 特別交付税の恒久化

  • 成長投資枠からの振替措置

● スケジュール

  • 2026〜27年度:モデル地域3〜5地域を選定

  • 2027年通常国会:特区法成立

  • 2028年度:全国展開

● 中長期影響

  • 地方への産業移転・雇用創出が期待される一方、都市部との格差固定化リスクの管理が課題。

● 立法プロセス

  • 財政措置と規制緩和のセットが必要であるため内閣・各省庁調整が不可欠。


Ⅲ|外交・安全保障強化

● 具体的政策案

1)防衛装備輸出管理法見直し
 ・自衛隊装備・共同開発のための輸出規制緩和法制の整備。

2)国家情報機関設置法
 ・国家情報局(仮称)設置を法制化し、情報共有とインテリジェンス機能を強化。

3)自衛隊の位置付け強化関連法
 ・憲法改正議論と関連し、自衛隊明記の法整備ロードマップを策定。

● 財源

  • 2%GDP防衛費目標までの増額財源は既存予算の再配分と成長投資枠の活用。

  • 国家情報機関設置のための新規予算計上を予定。

● スケジュール

  • 2026年後半:日米共同演習・外交協調を強化

  • 2027年通常国会:情報機関設置法案提出

  • 2027〜28年:安全保障三文書(防衛計画大綱・中期防衛力整備計画等)改定

● 中長期影響

  • インテリジェンス強化により情報優位性を確保できる一方、対外軋轢・地域緊張の増幅が議論となる。

● 立法プロセス

  • 外交・安全保障関連法案は審議時間が長期化する可能性があり、国民的説明責任の確保が重要になる。


Ⅳ|社会保障と世代間安心

● 法案案

1)子育て支援拡充法
 ・標準的な出産費用自己負担の引き下げ・無償化法案の整備(所得制限・上限設定を含む)。

2)高齢者保険料負担見直し法
 ・負担の再配分と給付の安定化を図る制度改革法。

● 財源

  • 消費税暫減措置終了後の段階的財源転用

  • 社会保険料再構築による効率化

● スケジュール

  • 2026〜27年:専門委員会で制度設計

  • 2027年通常国会:法案提出

  • 2028〜30年度:段階的施行

● 中長期影響

  • 世代間公平性と制度持続性のバランス検討が中核課題となる。

● 立法プロセス

  • 社会保障改正は既得権益と財源配分の調整が鍵。


Ⅴ|憲法改正・統治改革

● 具体的な計画

1)憲法改正発議準備法案(国民投票法等の改正を含む)
 ・憲法改正発議と手続きの円滑化を図る法制整備。

2)憲法改正国民投票促進策
 ・教育・広報体制整備を目的とした関連法案。

● 財源

  • 予算編成の中で段階的に確保。国民投票の広報経費は国庫負担。

● スケジュール

  • 2026〜27年度:政党間協議・国民世論調査

  • 2027年度:国会発議

  • 2028年以降:国民投票

● 中長期影響

  • 憲法改正は国際関係にも影響を与えるため戦略的説明責任が重大。

● 立法プロセス

  • 発議には衆参両院で3分の2以上が必要であり、与党の優位性を生かしつつ野党・諸勢力との合意形成が不可欠。


評価ポイント(総括)

1)財源の不確実性
 ・消費税免税や成長投資枠の確保は政策実施の大前提。一定の国債発行を伴う可能性が高い。

2)立法プロセスの複雑性
 ・憲法改正・安全保障法案は野党協力が不可欠で、審議の長期化が予想される。

3)中長期的影響
 ・短期的には景気・安全保障強化の効果が見込まれるが、財政持続性と国際環境変化への対応が課題となる。


参考・引用

  • 自民党衆院選公約原案 飲食料品の消費税2年間ゼロ検討

  • 消費税・政治改革など争点(公明新聞)

  • 高市政権の安全保障政策分析(AP News)

  • 高市首相の憲法改正挑戦(FT)

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