コラム:ニッチェの魅力、2025年THE W優勝
ニッチェは2025年THE W優勝を契機に、更なるメディア展開およびデジタル戦略の強化を図る可能性が高い。
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ニッチェとは
ニッチェは日本のお笑いコンビであり、ボケ担当の江上敬子(えのうえ けいこ)とツッコミ担当の近藤くみこ(こんどう くみこ)の女性2名によって構成される芸人ユニットである。2005年に結成され、テレビ・ラジオ・舞台・デジタルメディア等で活動する。所属事務所はマセキ芸能社であり、ジャンルとしては漫才・コントを主軸に据えている。
江上 敬子(えのうえ けいこ、ボケ担当)とは
江上敬子は1984年9月17日生まれ(41歳)、島根県津和野町出身の芸人である。ボケ・ネタ制作を担い、コンビ内では立ち位置が向かって左である。出身校は日本映画学校(現・日本映画大学)であり、入学当初は女優志望であったが、同校の漫才授業で近藤と出会いコンビを結成した経緯がある。コンビ名「ニッチェ」は、日本映画学校の英語名称を由来としつつ、哲学者ニーチェの名前から来ているとされる。ネタ作成者としての貢献が評価されており、コント・漫才双方で独自のボケやキャラクター立てを担っている。
江上は特技として歌唱やイラストなど多彩な表現力を持ち、舞台・テレビ番組で歌唱力を活かした独自の芸を披露している点でも注目されている。
近藤 くみこ(こんどう くみこ、ツッコミ担当)とは
近藤くみこは1983年1月4日生まれ(42歳)、三重県四日市市出身の芸人であり、ツッコミ担当としてコンビ内で立ち位置が向かって右である。近藤も江上と同様に日本映画学校出身であり、女優志望からお笑いコンビ結成を経て現在に至る。趣味としてゴルフ・お酒などがあり、特技としてハモリを持つ。
近藤は豊富なテレビ・ラジオ出演歴も有し、コンビ内でのツッコミ芸だけでなく多様なメディア論者としての顔を持つ。
芸歴(結成から現在まで)
ニッチェは2005年に結成された。前述のとおり2人は日本映画学校での漫才授業を通じて出会い、卒業後、芸人としての活動を開始した。初期はフリーの状態でライブ出演や賞金制ライブへの参加を中心に活動し、2008年頃にテレビ番組出演も始めた。芸能事務所・マセキ芸能社への所属は2011年1月であり、以後はテレビ・ラジオ・舞台など多方面での露出が増加している。
この時期から彼女たちはお笑い賞レース出場やメディア出演を重ね、百戦錬磨の芸歴を形成していった。特に2011年前後は同年に複数の賞を獲得するなどキャリア上の大きな成果を挙げている。
芸風(ネタ作り・キャラクター・傾向)
ニッチェの芸風は漫才とコントの双方を柔軟に使い分ける点に特色がある。江上はキャラクター性の強いボケを中心に、近藤がツッコミでバランスを取る伝統的な日本のコンビ芸を体現するが、コントにおいても設定やキャラクターで笑いを作る力量に優れている。
例えば、江上が欲張りな海女キャラクターとして登場するネタや、歌唱要素を用いながらゴスペル調で楽曲を披露する芸まで、幅広い表現を持つ点が特徴である。これは歌唱力を活かした演出としても評価される。
また、年齢・性別を跨いだ視点での笑い、社会的・文化的背景を反映した内容構築力も伺える。コントと漫才の比率やユーモアの据え方は、年齢を重ねるにしたがって洗練されているとの評価も見られ、とくに2025年の賞レース挑戦では「身の丈に合ったネタ」を戦略的に重視したことが報じられている。
主な実績(大会優勝・メディア出演など)
ニッチェの主な実績として以下が挙げられる:
第2回お笑いハーベスト大賞 優勝(2011年):全国のお笑いライブや出演者評価において高評価を得た大会で優勝した記録。
平成23年度NHK新人演芸大賞 大賞(2011年):NHK主催の若手芸人コンテストにおいて演芸部門の頂点に立った。
女芸人No.1決定戦『THE W 2025』 優勝(9代目女王):過去最多1044組のエントリーから勝ち抜き、決勝戦を制して女芸人No.1の座を獲得した。
その他、キングオブコントや歌ネタ王決定戦などでも決勝進出や好成績を収めており、テレビ番組出演も多数に上る。代表出演としてTBS『王様のブランチ』や日本テレビ『ヒルナンデス!』、その他情報・バラエティ番組でのレギュラー・準レギュラー出演が多数ある。
2011年「NHK新人演芸大賞」大賞
「NHK新人演芸大賞」は、NHKが主催する新人お笑い大賞・演芸部門の登竜門的賞レースである。結成10年未満の若手芸人が出場対象とされる賞であり、その受賞はプロとしての実力・将来性の識別指標として高い評価を受ける。
ニッチェは2011年に演芸部門大賞に輝き、東西の275組の中から頂点に立った。優勝によって全国的知名度を獲得し、その後の活動基盤を大きく広げる転機となった。
2025年「THE W」優勝
2025年12月13日放送の『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』にて、ニッチェは9代目女王に輝いた。大会は女性芸人のみを対象とする全国規模のネタ賞レースであり、漫才・コント・ピン芸など多様な笑いの形式を競う。決勝では過去最多1044組から勝ち残った8組が競合し、ニッチェが見事に勝利を収めた。
優勝により賞金および関連番組出演権・冠番組などの副賞を得たことや、所属事務所マセキ芸能社としても賞レース優勝者を輩出する初の事例となった点が報道された。
YouTube・ラジオ・その他デジタル活動(実績とデータ)
ニッチェはYouTube公式チャンネル「ニッチェちゃんねる」を運営し、コント・ショートネタ・バラエティ企画などを投稿している。チャンネル登録者数は約10,000人規模とされ、テレビ番組露出だけでなくデジタルメディアでのファン接点も確保している。
ラジオ出演においても、単独番組やゲスト出演など多岐に渡る。これはテレビと連動したプロモーション効果をもたらし、コンビの影響範囲を広げる役割を果たしている。
結成背景から大きな転機まで
ニッチェ結成の背景には、日本映画学校での漫才授業を通じての出会いがある。女優志望で学んだ二人が、同校の指導や進路評価を経てお笑い路線へ転換したことは、標準的な芸人育成モデルとは異なるが、芸としての表現力が高い根源になっているとの分析がある。
2011年のNHK新人演芸大賞受賞は大きな転機であり、以後テレビ出演・メディア活動が飛躍的に増加した。そして2025年THE W優勝は、20年以上のキャリアの集大成として位置づけられる出来事であり、新たなステージへの足掛かりとなっている。
コンビ固有の課題
ニッチェは長期に渡る芸歴によるキャリア成熟が強みである一方、テレビ中心の活動構造やメディア露出の波の影響を受けやすいという課題を抱える。特にデジタルファースト世代の視聴習慣においてはYouTube・SNSでのファン獲得力が重要であり、伝統的なテレビ露出中心のモデルからの転換が求められているという指摘も可能である。
また、女性芸人の市場競争は激しく、若手台頭による視聴者関心の分散という外部要因も存在する。このような環境において、独自性あるネタ作り・コンテンツ戦略が持続可能性に直結する課題となる。
高い歌唱力を活かした「歌うま芸人」として
ニッチェは単なる漫才・コントにとどまらず、歌唱力を活かした芸を演目に取り入れている点が注目される。江上のゴスペル調歌唱等は、観客にエンターテインメント性の高い印象を与え、テレビ・ライブ双方での差別化要素となっている。これは一般的な芸人キャリアでは見られないマルチパフォーマー性を示しており、歌唱を用いたネタは観客心理にも作用する強みである。
今後の展望
ニッチェは2025年THE W優勝を契機に、更なるメディア展開およびデジタル戦略の強化を図る可能性が高い。ライブ・テレビ出演・ラジオ・YouTubeなど複数のプラットフォームを活用し、多面展開のモデルケースとなるポテンシャルを持つ。また、彼女たちの経歴を活かした教育的コンテンツ・ワークショップ展開や、劇場・映像作品との融合といった新たな活動領域への進出も考えられる。
参考出典
- スポニチ – NHK新人演芸大賞受賞詳細(2011年)
オリコンニュース – THE W 2025優勝報道等
山陰中央新報デジタル – THE W 優勝記事
タレントチューバーランキング – YouTube登録者情報
各種芸能ニュース報道・ライブドアニュース等
以下では、「年ごとのテレビ出演一覧」「YouTube活動実績&最新登録者数」「他の女性芸人との比較分析」を整理する。記載内容は可能な限り公的データや集計サイトに基づく事実情報を用いる。
年ごとのテレビ出演一覧(概要・代表例)
ニッチェのテレビ出演履歴は複数の番組・レギュラー出演・不定期出演を含む。正確な年別全リストは公開アーカイブが存在しないが、タレント名鑑等の出演記録から主な出演例を整理する。出演年は必ずしも全出演を網羅するものではなく、代表的なものに留める。
2000年代
2008–2009
『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)出演(初期露出の契機)
『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)出演、戦績あり
2010年代
2010–2013
『爆笑オンバト+』(NHK総合)出演:女性芸人として高得点記録を残す
大賞・賞レース出演
2017–2018
『王様のブランチ』隔週レギュラー開始(2017–)
『女芸人No.1決定戦 THE W』決勝4位・3位進出(2017・2018)
2020年代
2020–2024
『OCHA NORMAの お茶の間さまの言うとおり』(BSJapanext)レギュラー出演(開始2022年3月31日–)
『スイッチ!』隔週レギュラー出演(東海テレビ)
『ノンストップ!』江上のみ隔週出演
『カイモノラボ』(TBS、2025年4月2日–)レギュラー出演
その他不定期出演多数(例:『潜在能力テスト』『タモリ倶楽部』等)
『女芸人No.1決定戦 THE W』2025年優勝(9代目)
※この一覧には定期レギュラー・準レギュラー・代表的バラエティ出演を中心に記している。出演番組は多岐に渡り、スポット的出演も多数ある。
出演情報の多くはタレント名鑑などに基づく(上記)。
YouTube活動実績と最新登録者数
ニッチェは公式YouTubeチャンネルとして「ニッチェちゃんねる」を運営している。YouTubeデータは第三者集計サイトや公式ページによる。
チャンネル基本情報
チャンネル名:ニッチェちゃんねる
登録者数:約34,700人(2025年時点)
動画本数:約36本(投稿済み)
総再生回数:約9,262,338回規模(累計)
活動傾向
ネタ動画・ショート動画・告知系動画を投稿。
『THE W 2025』優勝直後の動画投稿や打ち上げ動画の告知等が確認されている(コラム・配信紹介)。
YouTubeチャンネルの数字では、大手YouTuberには及ばないものの、女芸人としては中堅~上位層の登録者数を保持している。
YouTube登録者数ランキング(2025年版・女芸人カテゴリ)では、ニッチェは34,700名台でランク入り(他にも島田珠代、山田邦子などの別世代芸人が同規模で存在)。
YouTube年次実績(傾向)
正確な年次統計は公開されていないため傾向分析となるが:
2023–2024年:定期投稿で再生数と登録者の堅調な積み上げが確認される。
2025年:THE W優勝後、関連動画投稿によりシーズン的な視聴増が発生していると見られる(報道引用・関連記事)。
他の女性芸人との比較分析
比較は「メディア露出」「YouTube登録者数」「賞レース実績」など複数指標で行う。女芸人は多様なキャリアを持つが、代表的な例を挙げる。
比較対象:他女芸人YouTubeチャンネル(登録者数ベース)
ニッチェちゃんねる:約34,700人
ゆりやんレトリィバァ チャンネル:約36,200人(2025年データ)
島田珠代チャンネル:約72,300人
山田邦子クニチャンネル:約86,700人
平野ノラ 約25,100人、紺野ぶるま 約20,000人 などもランクイン
ニッチェは女芸人YouTubeカテゴリで中堅クラスの登録者数となっている。ゆりやんレトリィバァは登録数がやや上回るが、著名芸人としては同等のスケールと言える。この傾向は、YouTubeプラットフォームとテレビ中心の活動構造の違いが影響していると考えられる。
賞レース実績の比較
THE W 2025優勝(ニッチェ):9代目冠王者として大会優勝(賞金+番組出演権)
歴代THE W優勝者:ゆりやんレトリィバァ(第1回)、阿佐ヶ谷姉妹(第2回)、3時のヒロイン(第3回)、吉住(第4回)、オダウエダ(第5回)、天才ピアニスト(第6回)、紅しょうが(第7回)、にぼしいわし(第8回)など複数組が優勝実績あり。
ニッチェはベテラン世代としてTHE W優勝を果たした点で、若手中心の大会構造の中でも例外的成功例となっている。多くの優勝者は比較的若手・ブレイク期に優勝する一方、ニッチェは芸歴21年での優勝であり、キャリア継続力が評価された。
メディア露出・テレビ出演比較
他の人気女芸人(例:吉住、紺野ぶるま、3時のヒロイン等)は、テレビレギュラー・バラエティ出演が多くみられるが、ニッチェは2020年代に入ってからレギュラー化を確立している点が特徴である。『王様のブランチ』など長期番組出演、『OCHA NORMAの お茶の間さまの言うとおり』等のレギュラー出演が継続していることはメディア露出の安定性を示す。
結論(比較分析のまとめ)
ニッチェのテレビ出演歴は長期にわたり、2010年代以降はレギュラー出演も定着している。
YouTube登録者数は30,000台後半で女芸人カテゴリ中堅層であり、テレビ中心の芸能活動とデジタル活動のバランスを反映している。
賞レース実績では、THE W 2025優勝というキャリア集大成を達成しており、他の女芸人と比較して「長期実力型」の位置づけとなる。
明確な違いとして、YouTube人気だけでなく賞レースとテレビ露出の両面で高評価を獲得している点がニッチェの強みである。
