コラム:自分の血糖値、把握してる?将来後悔しないために
血糖値は単なる数値ではなく、生命活動の基盤となるエネルギー供給と密接に関連し、慢性的な異常は全身の血管・神経・臓器に深刻な影響を与える。
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日本における糖尿病・高血糖の問題は依然として大きい。国民健康・栄養調査や患者調査の集計では、「糖尿病が強く疑われる者」の割合が男性で約16.8%、女性で約8.9%と報告されており、治療を受けている患者数も数百万人規模にのぼる。日常診療と公衆衛生の両面で糖代謝異常の管理が重要だ。さらに国際的な推計では、日本の成人における糖尿病有病率はおよそ8%前後、成人の患者数は数百万〜1,000万近くと推定されており、今後の高齢化や生活習慣の変化による影響が懸念される。
血糖値(血液中のブドウ糖濃度)とは
血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度を指す。単位としてはmg/dLやmmol/Lが用いられ、通常は空腹時血糖や食後血糖、さらに長期の平均を示すHbA1c(ヘモグロビンA1c)などで評価される。血糖は体内で最も基本的なエネルギー源の一つであり、とくに脳と赤血球はブドウ糖を主要な燃料としているため、血糖の恒常性(ホメオスタシス)は生命維持に不可欠だ。血糖は食事で摂取された炭水化物の消化吸収、肝での糖新生と貯蔵(グリコーゲン)、筋や脂肪組織での取り込みなど複数のプロセスで調節され、インスリンやグルカゴン、その他ホルモンがこのバランスを保つ役割を担う。
生命活動のエネルギー源としての役割
ブドウ糖はATPを介して細胞のエネルギー需要を満たす主要な基質であり、短時間で利用可能なエネルギーとして極めて重要だ。日常活動、脳機能、運動時の筋収縮など、あらゆる生理機能が血糖の供給と利用に依存している。特に絶食時や運動時には肝での糖の放出が重要になり、インスリン分泌異常やインスリン抵抗性があるとエネルギー供給の不均衡が起きやすく、低血糖や慢性的な高血糖という臨床的問題が生じる。
高血糖は全身の血管を傷つける(合併症のリスク)
慢性的な高血糖は血管の内皮や周囲組織にさまざまな悪影響を及ぼし、微小血管障害と大血管障害の両方を引き起こす。高血糖状態では糖化最終産物(AGEs)の蓄積、酸化ストレスの増加、炎症経路の活性化が進行し、血管内皮の機能障害や基底膜の肥厚、血流障害を招く。これが糖尿病に特有の合併症、すなわち網膜症・腎症・神経障害(いわゆる三大合併症)をはじめ、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患のリスク上昇につながる。
三大合併症
糖尿病の代表的な合併症として、以下の三つが臨床的に重要だ。
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は慢性腎臓病(CKD)を進行させ、末期になると透析療法を必要とする。日本では透析導入の主因に糖尿病性腎症が常に上位を占めており、新規透析導入患者のうち糖尿病関連の割合は高い。腎機能低下を早期に発見し、蛋白尿(尿中アルブミン)やeGFRの定期検査を行い、血糖・血圧・脂質管理と生活指導で進行抑制を図ることが重要だ。
糖尿病性網膜症
網膜の微小血管が障害されると視力低下や失明のリスクが高まる。糖尿病性網膜症による重度視覚障害は年間で一定数発生しており、定期的な眼科検査(眼底検査)と血糖・血圧管理が不可欠である。早期のレーザー治療や抗VEGF療法、血糖管理は進行を抑える効果がある。
糖尿病性神経障害
末梢神経障害は手足のしびれ・疼痛・感覚鈍麻を招き、足潰瘍や感染、最悪の場合は切断に至ることもある。自覚症状が出る前から神経機能の変化が進行するため、足の定期チェックとリスク管理(適切な靴の着用、皮膚のケアなど)が必要だ。合併症による入院や医療費増大の一因ともなっている。
その他の合併症:動脈硬化、感染症への罹患率上昇など
高血糖は大血管にも悪影響を与え、冠動脈疾患(心筋梗塞)や脳血管疾患(脳卒中)の発症リスクを高める。実際、糖尿病は心血管疾患の重要な独立危険因子であり、糖尿病患者では心血管イベントの発生率が非糖尿病者より明らかに高い。さらに高血糖と免疫機能低下が関連し、感染症(皮膚感染、呼吸器感染、尿路感染など)にかかりやすく、治療が難航するケースが増える。これらは個人のQOLを下げるだけでなく、社会的・経済的負担も大きい。
低血糖も危険
一方で血糖が過度に低下する「低血糖」も生命に関わる危険を招く。急激な低血糖では意識障害や転倒、事故につながり、重度の低血糖は心不整脈や死亡のリスクを上げる。特にインスリンや一部の内服薬を使用する患者、高齢者、腎機能が低下している患者では低血糖のリスク管理が必須である。治療では低血糖を予防しつつ、慢性的な高血糖の合併症を防ぐバランスを取ることが重要だ。
血糖値の適切な管理(全体像)
血糖管理の目的は短期的な低血糖・高血糖の回避と、長期的には微小血管・大血管合併症の発症・進行抑制である。個々の患者では年齢、罹病期間、併存疾患、低血糖リスク、生活状況を考慮して目標設定を行う。日本糖尿病学会のガイドラインでは、一般的にHbA1cの目標や空腹時・食後の血糖レベルの目安が示されており、若年で罹病期間が短く合併症リスクが低い場合は厳格コントロール(例:HbA1c 6.0%未満)を目指すことが推奨されている一方、高齢者や低血糖リスクが高い場合は緩やかな目標が適切とされる。治療は「食事療法・運動療法・薬物療法」を組み合わせて行う。
食事療法:血糖値を急上昇させない工夫
食事療法は血糖管理の基礎であり、即効性のある介入だ。以下のような実践が有効である。
食べる順番の工夫:野菜やたんぱく質を先に、炭水化物を後に摂る「順番食」は食後血糖の上昇を抑える効果が示されている。食物の消化吸収速度が緩和されるため、血糖スパイクを軽減できる。
糖質の質と量を見直す:単純糖質(砂糖、白パン、清涼飲料など)は吸収が早く血糖を急上昇させるため、全粒穀物や低GI食品、果物の選び方に配慮する。1食あたりの糖質量を把握してコントロールすることも重要だ。
腹八分目を心がける:過食は血糖の急上昇を招きやすく、長期的には肥満やインスリン抵抗性を助長するため、適正なエネルギー摂取を維持する。
食物繊維を積極的に摂る:可溶性・不溶性の食物繊維は腸内での糖吸収を遅らせるとともに、満腹感を高める。野菜、海藻、豆類、全粒穀物などを意識して摂取する。
間食・飲料の管理:糖分を多く含む飲料やスナックを避ける。飲料のカロリーは見落とされやすく、血糖管理を乱す一因となる。
これらの方法は個人差があるため、栄養士や医師と相談のうえ、実践可能なプランを作ることが望ましい。
運動療法:ブドウ糖の利用を促進
運動は筋肉でのグルコース取り込みを増やし、インスリン感受性を改善するため血糖改善に有効だ。推奨される内容は以下の通り。
有酸素運動:ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどを週に少なくとも中程度の強度で合計150分程度行うことがガイドラインや多数の研究で推奨されている。継続が鍵である。
筋力トレーニング:筋肉量の増加は基礎代謝を上げ、日常のグルコース利用を高める。週に2回以上のレジスタンストレーニングを取り入れると効果的だ。
日常活動の増加:エレベーターではなく階段を使う、通勤で歩く機会を増やすなどの軽度活動の累積も有益。
運動時の注意:薬物療法(インスリンや一部の内服薬)で低血糖リスクがある場合は運動前後の血糖測定や補食を検討する。心血管リスクの高い人は事前評価が必要だ。
薬物療法:医師の指導のもとで適切に
薬物療法は個々の病態に合わせて選択され、内服薬(ビグアナイド、SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬、スルホニル尿素製剤など)やインスリン注射がある。近年は心血管・腎保護効果を示す薬剤(例:SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など)が登場しており、合併症リスクの高い患者において治療方針を変える重要な役割を持つ。薬剤選択は個人の年齢、腎機能、合併症、低血糖リスク、体重目標などを総合的に判断して行われる。インスリン療法は必要に応じて導入されるが、注射管理や低血糖対策、自己血糖測定(SMBG)や持続血糖測定(CGM)の活用が推奨される。医師・薬剤師・看護師・栄養士らによるチーム医療が有効である。
重要事項:検査と目標設定
定期的な血糖値測定:家庭での自己血糖測定(SMBG)や持続血糖測定(CGM)、定期的なHbA1c(通常2〜3か月ごと)の測定で治療効果を評価することが重要だ。ガイドラインは患者に応じた目標を示しており、治療変更の判断材料となる。
血圧・脂質の管理:血管合併症予防には血糖だけでなく、血圧と脂質管理も不可欠であり、トータルリスク低減が必要だ。
足のケアと眼科受診:網膜症や神経障害・壊疽予防のために定期的な眼科・足診察を行う。
その他の重要な対策
十分な睡眠:睡眠不足はインスリン抵抗性や食欲調整ホルモンの乱れを招き、血糖に悪影響を与える。規則正しい睡眠習慣を心がける。
ストレス管理:慢性的なストレスは交感神経を介して血糖を上昇させる。マインドフルネス、リラクセーション、社会的支援などでストレスを軽減する。
禁煙:喫煙は動脈硬化を促進し、糖尿病合併症リスクを高める。禁煙は合併症予防に有益である。
ワクチン接種:インフルエンザや肺炎球菌など、感染症予防は糖尿病患者で特に重要だ。
将来後悔しないために
糖尿病合併症は一度進行すると回復が難しく、生活の質を大きく損なうことがある。早期発見と早期介入が結果を左右するため、定期健診の受診、異常時の速やかな医療機関受診、生活習慣の見直しを「できるうちに」始めることが将来の後悔を防ぐ最善の方法だ。また社会的には予防・早期介入プログラム、地域での健康支援、職場での健康促進が必要であり、これらは医療費削減にもつながる。
今後の展望
将来的には以下の点が鍵になるだろう。第一に個別化医療の進展で、遺伝学的背景や生活習慣を踏まえたより精密な治療選択が可能になる。第二にデジタルヘルス(CGM、リモートモニタリング、アプリ連携)によって患者の自己管理支援が強化され、早期の異常検知と迅速な介入が期待される。第三に新規薬剤や治療法の発展が合併症予防に寄与する可能性がある(例:腎・心保護効果のある薬剤群)。最後に公衆衛生的施策、食品政策、都市設計(歩行しやすい街づくり)など生活環境の改善が予防効果を高めるだろう。国や医療機関、地域社会、個人の協働が不可欠だ。
まとめ
血糖値は単なる数値ではなく、生命活動の基盤となるエネルギー供給と密接に関連し、慢性的な異常は全身の血管・神経・臓器に深刻な影響を与える。日本の現状を鑑みると、多くの人々が糖代謝リスクを抱えており、個人レベルでの生活習慣改善(食事・運動)、定期検査、医療機関での適切な薬物療法の組み合わせが不可欠である。低血糖と高血糖の両方を避けるバランス感覚が重要であり、患者・医療者・社会が協力して取り組むことで、将来の合併症や後悔を減らせる。現行のガイドラインと最新のエビデンスを踏まえ、早めに行動を起こすことが何より大切だ。
参考(主要出典)
国民健康・栄養調査などの集計(糖尿病が強く疑われる者の割合など)。
IDF Diabetes Atlas(国内外の有病率推計)。
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン 2024」および関連資料(HbA1c 目標、治療方針)。
厚生労働省、糖尿病性腎症関連資料(透析導入や合併症の現状)。
■ 食事メニューの具体例(血糖値を急上昇させない構成)
以下では、低GI食材・野菜先食べ・適正糖質・食物繊維多めを基本にした一日のモデルメニューを示す。
● 朝食例
◎ メニュー A(バランス重視)
野菜スープ(キャベツ、玉ねぎ、ほうれん草、きのこ)
ゆで卵 1個
全粒粉パン 1枚(バター少量)
無糖ヨーグルト+ブルーベリー少量
無糖紅茶またはブラックコーヒー
ポイント
食物繊維のあるスープから食べることで血糖の急上昇を抑える
パンは白パンより全粒粉を選ぶ
フルーツは少量にする
◎ メニュー B(和食タイプ)
納豆
豆腐とわかめのみそ汁
焼き鮭
玄米 80〜100g
温野菜(ブロッコリー、にんじん)
● 昼食例
◎ メニュー C(外食でも比較的安全)
定食:刺身 or 焼き魚
玄米 or 雑穀米 小盛り
小鉢(ひじき、切り干し大根)
サラダ(葉物+海藻)
ポイント
最初にサラダ・小鉢から食べる
揚げ物を避ける
ご飯を小盛りに調整
◎ メニュー D(麺類が食べたい場合)
そば(ざる or 温)
付け合わせに野菜の小鉢(サラダ、ほうれん草のおひたし)
ゆで卵 or 豆腐
ポイント
麺だけは血糖スパイクの原因
麺を食べる前に必ず野菜・蛋白質を摂る
● 夕食例
◎ メニュー E(低糖質かつ満足度高め)
鶏胸肉のグリル(レモン・ハーブ風味)
大根と豆腐の味噌汁
ほうれん草ときのこのソテー
雑穀米 80g
刺身こんにゃく(食物繊維補給)
◎ メニュー F(鍋メニュー)
野菜多めの鍋(白菜、ねぎ、豆腐、きのこ、豚肉 or 鶏肉)
しらたき
玄米 or うどん少量(後半に)
● 間食の例
ナッツ(素焼き、10〜15粒)
チーズ
無糖ヨーグルト
高カカオチョコレート(1〜2かけ)
■ 運動プログラム:週次プラン(血糖改善を目的)
以下は一般的な成人向けモデルであり、体力や既往歴によって調整が必要だ。
● 週次スケジュール例
◎ 月曜日:有酸素(30〜45分)
ウォーキング(速歩)または自転車
ペース:やや息が弾むレベル(中強度)
目的:筋へのブドウ糖取り込みを促進し、インスリン感受性を高める
◎ 火曜日:筋トレ(20〜30分)
スクワット 10〜15回×3
腕立て伏せ(膝つき可)10回×3
ランジ 10回×2
ダンベル or ペットボトルで肩・胸・背中のトレーニング
◎ 水曜日:軽めの有酸素(20〜30分)
散歩
階段昇降
ゆっくりサイクリング
◎ 木曜日:筋トレ(20〜30分)
体幹トレーニング(プランク 30秒×3)
お尻周りのトレーニング(ヒップリフト 15回×3)
背中のトレーニング(タオルロー 15回×3)
◎ 金曜日:有酸素(30〜40分)
ジョギング or 早歩き
◎ 土曜日:ミックス(有酸素20分+筋トレ軽め)
ウォーキング 20分
スクワット 10回×2
腕立て 5〜10回×2
◎ 日曜日:休息 or 軽めのストレッチ
ストレッチ 10分
深呼吸・リラックス
■ 糖尿病薬の特徴比較表(代表的薬剤)
以下は主要薬剤の一般的特徴であり、個別の判断は医師が行う。
● 各薬剤の比較表(簡易版)
| 薬剤分類 | 代表薬 | 主な作用機序 | 低血糖リスク | 体重への影響 | 心血管/腎保護 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ビグアナイド(メトホルミン) | メトグルコなど | 肝の糖新生抑制、インスリン抵抗改善 | 低 | 不変 or 減少 | 着目されている | 腎機能に応じて調整 |
| SGLT2阻害薬 | カナグル、ジャディアンスなど | 尿中への糖排泄増加 | 低 | 減少 | 強い(腎・心保護) | 脱水・尿路感染 |
| DPP-4阻害薬 | ジャヌビア、トラゼンタなど | インクレチン維持→インスリン分泌促進 | 低 | 不変 | 一部データあり | 腎調整必要な薬あり |
| GLP-1受容体作動薬 | オゼンピック、ビクトーザなど | インクレチン作用強化 | 低 | 減少 | 心血管保護あり | 消化器症状、注射 |
| スルホニル尿素(SU薬) | アマリールなど | 膵β細胞刺激→インスリン分泌 | 高 | 増加 | 特に無し | 低血糖注意 |
| 速効型インスリン分泌促進薬 | スターシスなど | 食後インスリン分泌補助 | 中 | 増加 | 特に無し | 食直前投与 |
| チアゾリジン(TZD) | アクトス | インスリン抵抗性改善 | 低 | 増加 | 特に無し | 浮腫、心不全注意 |
| インスリン製剤 | 超速効〜長時間型 | 血糖を直接下げる | 高 | 変動 | 必要に応じ調整 | SMBG・低血糖管理必須 |
■ 自己血糖測定(SMBG)の実践方法
● 1. 測定タイミング
医師の指示に従うが、一般的には以下を測ると良い。
起床時(空腹時)
食後2時間
就寝前
低血糖症状がある時
運動前後(薬物治療中の場合)
● 2. 手順
手洗いをする
測定器・採血器具を準備
ランセットで指先を軽く穿刺
血液を試験紙に付着
測定値を記録
必要であれば食事内容、運動、有無、ストレス、睡眠時間などもメモ
● 3. SMBG のポイント
食後高血糖を把握するには「食後2時間値」が重要
インスリン使用者は特に測定が治療に直結する
記録は医師と治療方針を決める上で重要な資料になる
■ 持続血糖測定(CGM)の実践方法
CGM(Freestyle Libre など)は皮下の間質液の糖濃度を連続測定し、血糖変動をリアルタイムで把握できる。
● 1. 利点
血糖スパイクを見える化できる
夜間低血糖の把握に有効
血糖管理の改善につながる
注射や内服薬の調整に役立つ
食事や運動の影響が一目でわかる
● 2. 基本的な使い方
上腕などにセンサーを装着
スマホや専用端末でデータを読み取る
14日間続けてデータを取得(製品により異なる)
グラフで血糖トレンドを確認する
低血糖・高血糖アラートを設定(機種による)
● 3. 活用のコツ
食事前後の変動を確認し、血糖が急上昇する食品を把握
夜間の下がりすぎ・上がりすぎのパターンを確認
運動の効果を数値で評価する
医師が治療調整をする際の強力なデータ源となる
