コラム:2026年度(令和8年度)予算案、課題と展望
本予算案は、日本社会が直面する高齢化、経済構造変化、安全保障環境の変動に対応するためのものであり、政策課題と財政制約のバランスをどう取るかが最大の焦点となる。
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1. 現状(2026年1月時点)
2025年12月末、高市政権は2026年度(令和8年度)当初予算案を閣議決定した。この予算案は、一般会計総額が約122兆3000億円に達し、2年連続で過去最大となる規模で提示されている。これは前年度予算を大幅に上回る金額で、社会保障費や防衛費の増額を背景に歳出を積み上げた結果であるとされる。今回の予算案は、高市首相(2025年10月就任)による初の当初予算編成であり、政府としての重点政策を反映する「責任ある積極財政」を掲げつつ、財政規律への配慮も同時に求められている。議会での審議は2026年1月23日に通常国会が召集され、予算案の審議が本格化する予定である。
現在の日本経済は、高齢化による社会保障支出の増加、エネルギー・資源価格の高止まり、長期金利上昇など多重的な構造変化の中にある。また、税収は企業業績の回復や物価上昇の影響で過去最高水準に達している一方、国債発行による財政依存は依然として高い水準にある。こうした背景が2026年度予算編成にも直接的に影響を及ぼしている。
2. 2026年度(令和8年度)予算案の概要
2.1 予算案の基本構造
2026年度当初予算案は、一般会計歳出総額が約122兆3092億円となる大型予算であり、過去最大規模として提示されている。これは、2025年度当初予算(約115兆1978億円)を大きく上回る金額で、2年連続の記録更新となった。
本予算案は、政府が掲げる経済成長戦略、社会保障制度の維持強化、安全保障・防衛力の強化、脱炭素・デジタル化促進など多岐にわたる政策分野を網羅している。税収の増加が期待される一方で、歳出がそれを上回るため新規国債発行は約29.6兆円に及ぶ見込みであり、財政構造上の課題が浮き彫りになっている。
高市政権は、今回の予算を「責任ある積極財政」と位置づけ、経済・財政運営のバランスを取る方針を打ち出している。財務大臣は、新規国債発行額を連続して30兆円以下に抑制し、公債依存度(Debt-to-Revenue Ratio)を24.2%に低下させたことを強調している。これは1998年以来の低水準であり、財政面での一定の配慮が見られる。
3. 一般会計総額約122兆3000億円、2年連続で過去最大を更新
2026年度予算案の一般会計総額は約122兆3000億円であり、前年に続き史上最大額を更新した。これは、社会保障費や防衛費、国債費などの増加が主な要因である。政府はこの規模を維持する一方、税収増や国債発行抑制による財政健全化も併せて掲げている。
この規模の予算は、人口減少・高齢化が進む日本において、増大する社会保障ニーズと安全保障環境の変化に対応するために必要不可欠と政府は説明している。一方で、財政負担の増大に対する懸念や将来世代への影響を指摘する声も国内外で拡大している。
4. 高市首相による初の当初予算編成
高市首相は2025年10月に第101代内閣総理大臣に就任し、2026年度予算案は彼女にとって初の当初予算編成となる。政策面では、経済成長と安全保障、社会保障の両立を掲げ、従来の財政運営方針を基盤としながら自らの政策優先事項を反映した予算措置が多数盛り込まれている。
高市政権は、政府スローガンとして「強い経済と持続可能な財政運営」の実現を掲げ、歳出の重点配分と歳入の確保を同時に追求する姿勢を示している。この予算案は、通常国会に提出され、2026年春までに成立する予定であり、国会審議の中で与野党の政策論争が活発に展開されることが予想される。
5. 主な特徴と重点項目
予算案の特徴は、以下のような重点分野に振り分けられている。
5.1 社会保障制度の維持強化
社会保障関係費は約39兆円規模となり、日本政府予算における最大の支出項目の一つである。高齢化が進展するなか、年金・医療・介護・子育て支援などの費用が増大している。政府は生活保護基準の見直し、医療費負担抑制策、介護報酬の調整などを含む社会保障制度の持続可能性の強化を図っている。
社会保障費の増加は、人口構造の変化(自然増に伴うサービス需要の増)や診療報酬・介護報酬の改定等が要因となっており、年金給付や医療サービスへのアクセス確保が重要視されている。
5.2 国債費(債務サービス費用)
国債費は約31.2兆円規模となっている。これは過去最高水準に達しており、長期金利の上昇を背景に債務の償還・利払い費用が増加していることを反映している。特に日本は世界でも極めて高い公的債務残高(GDP比230%超)を抱えており、国債費の増加は財政運営上の大きな制約となっている。
国債費の増大は、歳出の硬直化を促進し、教育・研究、インフラ整備など他の重要分野への予算配分を圧迫する構造的な問題を内包している。
5.3 防衛費の増額
防衛費は約9兆円規模となり、過去最高水準となる。これは日本政府が掲げる安全保障政策の転換によるもので、米国との安全保障連携強化や周辺国の軍事力増強を背景として、自衛隊の装備・能力強化へと予算を配分している。
防衛費の増額は、無人機・ミサイルシステムなどの先進装備への投資や、部隊の即応力強化、サプライヤーベースの確保に向けた支援策を含んでいる。
5.4 教育・科学技術: 高校授業料の無償化
教育・科学技術分野でも重要な予算措置が講じられている。具体的には、高校授業料の無償化措置が予算に盛り込まれ、家庭の教育負担軽減が図られる。これは、教育の機会均等と将来人材育成の観点から重要視される政策である。
5.5 経済活性化・産業支援
産業支援としては、半導体やAIなどの戦略的産業への支援拡大が挙げられる。また、中小企業への支援は1700億円程度に計上され、経営改善や技術革新に対する投資支援が強化されている。
6. 支出(歳出)の主な内訳
以下に支出(歳出)の主要内訳をまとめる。
6.1 社会保障費(約39兆円)
社会保障費は、日本の予算において最大の比率を占め、年金・医療・介護・子育て支援などが含まれる。2026年度には、年金給付、生涯医療制度、生活保護制度の強化などが重点的に取り上げられている。高齢化に伴い医療費・介護費用が増加していることが支出増の主な要因である。
6.2 国債費(約31.2兆円)
国債費は債務償還費と利払い費を含み、歳出全体の大きな割合を占めている。長期金利の上昇を受けて、国債費は増大傾向にある。高水準の債務残高を抱える日本では、この項目が財政の柔軟性を制約している。
6.3 防衛費(約9兆円)
防衛費は増加傾向にあり、装備調達・人的資源強化・サプライチェーン確保・戦略的投資など多岐にわたる分野に配分されている。近年は、特に無人機や軍事技術への投資が注目されている。
6.4 教育・科学技術
高校授業料の無償化をはじめ、教育機関の研究支援、先端科学技術への投資が予算に含まれている。科学技術振興は、長期的な経済競争力強化の基盤として位置づけられている。
6.5 インフラ・地域支援
インフラ維持・更新、災害対応など地域社会の基盤整備にも多額の予算が配分されている。例として、水道・下水道など老朽化インフラの更新費用が計上されている。
7. 収入(歳入)と財政状況
7.1 税収(約83.7兆円)
2026年度の歳入見込みでは、税収が約83.7兆円と過去最高額が見込まれている。これは企業業績の改善や物価上昇による税収増が背景にある。法人税・消費税・所得税のいずれも堅調に推移しているため、歳入基盤の強化が期待されている。
7.2 新規国債発行(約29.6兆円)と公債依存度
歳入で賄いきれない部分は、新規国債発行で約29.6兆円調達する計画である。これにより公債依存度は24.2%と、1998年以来の低水準に下がる見込みとなっているが、依然として高い財政依存度が課題である。
7.3 財政指標的評価
国際的には、日本の公的債務は先進国でも最も高い水準にあり、GDP比で230%超に達している。このため、長期的な財政健全化策や歳出構造改革が引き続き求められている。
8. 今後の予定
8.1 通常国会召集(2026年1月23日予定)
政府は2026年1月23日に第208回通常国会を召集し、予算案の審議を開始する予定である。国会では与野党間で歳出項目や財政方針に関する活発な討議が行われる見込みである。昨今の政治情勢では、与党が参議院で過半数を確保していないため、野党との協議や妥協も必要になると見られている。
予算案は通常、3月末までに成立させることが慣例であるが、政治的調整の行方次第では審議が長期化する可能性もある。
9. 今後の展望
今後の展望として、2026年度予算案を契機に以下のような議論が予想される。
9.1 財政健全化と経済成長の両立
日本政府は財政健全化を掲げつつ、経済成長戦略を同時に進める必要がある。しかし、歳出増加と高水準の国債発行は、中長期的には財政負担を増大させる可能性がある。このため、税制改革、歳出改革、経済成長戦略の再構築が継続的に求められる。
9.2 社会保障制度改革
人口減少・高齢化の進行に伴い、社会保障制度の持続可能性確保は喫緊の課題である。現在の制度は財政負担の増大を招いており、給付水準と財源のバランスをいかに取るかが政策課題として浮き彫りになっている。
9.3 安全保障環境と防衛政策
地域の安全保障環境が厳しさを増す中、日本政府は防衛費の増額を続ける方針である。防衛財源の確保や米国との軍事協力強化、アジア太平洋地域における安全保障政策の展開が今後の重要な論点となる。
10. まとめ
本稿では、日本の2026年度予算案について、総額約122兆3000億円に及ぶ一般会計予算を中心に、その概要・内訳・財政収支・政策的特徴・今後の展望について包括的に分析した。本予算案は、日本社会が直面する高齢化、経済構造変化、安全保障環境の変動に対応するためのものであり、政策課題と財政制約のバランスをどう取るかが最大の焦点となる。
予算案は、社会保障費・防衛費・教育・経済支援の各分野で支出を増やしつつ、税収増加と公債依存度の低下を図る方向で組み立てられているが、長期的な財政健全化には引き続き政策的工夫が必要である。
参考・引用リスト
Reuters: Japan proposes record budget spending while curbing fresh debt (2025)
Kurdistan24: Japan Cabinet Approves Record ¥122.3 Trillion Budget (2025)
財務省資料: 令和8年度予算案のポイント
Xinhua: Japan gov't adopts record 122.3 trln yen draft budget for FY 2026
JICA: 令和8年度(2026年度)予算(政府案)について
中小企業向け予算関連: 朝日新聞系記事
経済同友会コメント: 令和8年度予算案について
以下で2026年度予算案をめぐる与野党の動き、ポイント、自民・維新連立政権(自維連立政権)の狙いと課題について詳述する。
2026年度予算案をめぐる与野党の動きと政治的争点
2026年度予算案をめぐっては、与党(自民党・日本維新の会連立政権)と主要野党(立憲民主党、日本共産党、国民民主党など)との間で激しい政策論争・戦略的駆け引きが展開されている。これは予算案が単なる財政計画にとどまらず、政治勢力の影響力や支持基盤の強化を図る政治戦の最前線となっているためである。
野党側の批判と論点
立憲民主党など主要野党は、2026年度予算案に対して「大盤振る舞い予算」と厳しい批判を展開している。立憲民主党幹事長はこの予算案を「たがが外れた予算」と表現し、歳出規模の大きさや国債発行の増加への懸念を指摘している。また、社会保障や生活支援策に関して「現場の実情に即していない」との主張を繰り返している。さらに、日本共産党は予算案の防衛費増額を「大軍拡予算」と批判し、緊縮策を含む別方向の政策を提案している。これらの批判は、財政の持続可能性や国民生活への影響を重視する立場からなされている。
野党は、予算案に対して具体的な修正要求や代替案も提示している。例えば、消費税引下げ・逆進性対策、給付付き税額控除(野党が過去に掲げた政策)などを通じて「暮らし優先」の予算編成を訴えている。このような政策提案は、財政規律を重視する政府側との対立軸となっている。
また、参議院では与党が過半数を確保していないため、予算成立には野党の賛成ないし支持が必要とされる局面が発生している。野党の動向は、予算審議の成立時期や内容に影響を及ぼす可能性がある。
与党および連立政権内の動き
2025年10月に自民党と日本維新の会は連立政権を形成し、高市早苗首相体制での新たな政治構図が成立した。この「自維連立政権」は、自民党の単独与党体制を脱し、維新を新たな連立パートナーとする政治基盤であり、2026年度予算案をめぐる政策形成において重要な役割を果たしている。
与党内の政策調整と譲歩
連立政権内では、自民党と維新の会との間で政策的な調整が随所で見られる。例えば、教育無償化や社会保障改革の具体案については、維新が独自の案を提示し、自民党側が歩み寄る中で合意が形成されつつある。高校授業料無償化に関しては、私立高校への支援額引上げを含む形で与党および維新間の協議が進展しているとの報道もある。
一方、連立内での「政策的摩擦」として、議員定数削減をめぐる議論が挙げられる。維新は衆議院議員定数を10%削減する法案を強く推進し、自民党側に対して合意形成を迫っているが、党内外での反発や他党の抵抗もあり、成立の見通しは不透明である。自民党内では維新の強硬な要求について慎重意見が噴出しており、連立内の不協和音として注目されている。
予算案の成立に向けた与党戦略
与党は予算成立を政治的な成果として位置づけ、野党の批判に対して「責任ある積極財政の実行」で応じる姿勢を示している。これは、経済成長や安全保障の強化を優先しつつ、税制改革や歳出の効率化を進めるという戦略目標と整合するものである。首相は「市場の信認維持」と「成長戦略の推進」の両立を掲げ、予算成立と同時に政策実行力をアピールすることを意図している。
また、政府側が補正予算や関連税制改正と一体的に政策を進めることで、物価高対策や中小企業支援などの短期的な景気刺激効果も図られている。これは2026年度予算案を単なる支出計画ではなく、政策全体の実行パッケージとして提示する戦略である。
自維連立政権の政策的狙いと政治的背景
高市政権が公明党との連立を解消し、維新との新たな連立枠組みを築いた背景には、2024〜2025年にかけての政治的逆風が影響している。自民党は一連の政治資金スキャンダルや選挙戦での支持率低下を受け、単独では安定的な多数を維持できない状況となった。そのため、政策的には一致点の多い維新を連立相手として迎え入れることで、政権の安定化と政策推進力の強化を図ったと評価できる。
維新側にも、自民政権との連携を通じて政策的影響力を高める狙いがある。維新は当初から行政改革・選挙制度改革・議員定数削減などの政策を強く主張しており、連立参加はそれらの実現機会拡大を意味する。一方で、企業・団体献金の扱いといった維新の政策要求の一部は連立内で十分に扱われていないとの指摘もあり、党内基盤への影響やイメージ戦略の面での課題が残る。
政治戦略としての「予算」と選挙
2026年度予算案の成立は、単なる財政計画の承認にとどまらず、与党・連立政権にとって政治的正当性の確保と支持基盤の強化の機会でもある。高市首相は予算成立後の通常国会で与党の政策実行力をアピールし、今後予定される政治イベント(参議院選挙に向けた体制構築や将来の衆議院選挙)への布石とする可能性がある。政策成果を通じて内外に政権の安定性や方向性を示すことが狙いである。
まとめ(追記部分)
2026年度予算案をめぐる政治動向の分析からは、単なる財政規模の議論を超えて、日本政治における与野党の戦略競争と政権基盤の構築過程が浮かび上がる。主要な野党は財政の健全性や国民生活重視の視点から批判と政策提案を展開し、与党・連立政権は政策実行力と政治的正当性を強調して対応している。自維連立政権の形成は、現下の政治環境における与党再編の象徴であり、予算案の成立過程は今後の日本政治の方向性を占う重要な試金石となる。
参考・引用リスト(追加部分)
与党自民党と日本維新の会が衆院議員定数削減法案を共同提出、野党は批判(沖縄タイムス)
野党側は「たがが外れた予算」と予算案を批判、参院で成立に野党協力必要との報道(毎日新聞)
連立政権の政策推進と統一協議の動き(首相官邸公式談話)
以下に、2026年度予算案をめぐる与野党別の予算修正案の具体項目比較表および各党の支持率動向データを加えた分析を含めて追記する。内容は専門的かつ分析的な観点から整理した。
与野党別の予算修正案の具体項目比較(2026年度予算案をめぐる修正要求)
2026年度予算案は政府案が示された後、国会審議過程で与野党間の修正協議が展開される。2025年度予算審議での修正例や野党の要求を参考に、与野党が重視する修正項目を整理する(表1)。ここで示すのは、主に与党・連立側(自民党+維新など)と主要野党(立憲民主党、国民民主党、れいわ新選組、共産党等)の修正要求の代表的な項目であり、実際の協議では細部が調整される可能性がある。
表1 予算修正案・修正要求の主要項目
| 区分 | 主な修正要求項目 | 概要 |
|---|---|---|
| 与党・連立(自民+維新含む) | 高校授業料の無償化拡大 | 公立高校に加えて私立高校支援額引上げ、無償化の対象拡大を重視。与党と維新で合意に近い調整が進む事例もある(私立支援引上げ等) |
| 社会保障の維持強化 | 年金・医療の安定化、介護支援の拡充等。財務省案に基づく予算規模の堅持を優先。 | |
| 中小企業支援の拡充 | 補助金・賃上げ支援等の支援強化。政府案でも1700億円計上が示されているが、さらなる拡充要求が出る可能性。 | |
| 立憲民主党(主要野党) | 給食費の無償化 | 公立小中学校の給食費無償化を要望。修正案規模では約4900億円程度の項目も検討された例がある。 |
| ガソリン価格引下げ等物価対策 | ガソリン価格等の生活必需品コストに対する税負担軽減を含む。野党修正案に組み込み。 | |
| 高額療養費制度の負担抑制強化 | 医療の自己負担上限引上げ見直し凍結や縮減項目の撤回要求。 | |
| 暫定税率廃止・消費税減税 | 消費税負担軽減等を主張(国民民主党等も同様の主張)。 | |
| 国民民主党等中道野党 | 所得制限の見直し(103万円の壁) | 税制面での副次支援強化を要求。 |
| 社会保障拡充 | 立憲と一部共通だが、重点が違う場合あり。 | |
| れいわ新選組・共産党等 | 大規模な再分配・支出増 | 大胆な歳出増および国債発行を含む政策提案。 |
分析・論点整理
与党・連立側は、政府案を基軸にしつつ維新等の修正要求を一部取り込み、合意形成を進める戦略をとる傾向が強い。一例として授業料支援の拡充を巡る細部調整が進んでいる。
野党側は生活者の負担軽減を前面に出す修正案を提示しており、給食無償化やガソリン価格引下げ、社会保障費の拡充を主張する傾向が見られる。特に立憲民主党は予算規模全体の変更も視野に入れた数兆円規模の修正案を議論しているという報道例がある。
修正案交渉は、国会運営上の力関係や採決状況に深く依存する。与党が単独過半数を欠く場合は野党の一部との妥協や譲歩が不可避となるため、修正内容が予算原案と大きく乖離する可能性も残る構造である。
各党の支持率動向(最新世論調査データ)
政治勢力の支持率は予算審議過程で重要な外的要因となるため、2025年末から2025年にかけた主要な政党支持率を整理した(表2)。
表2 主要政党支持率(例:2025年10月末時点・政党支持率調査)
| 政党 | 支持率(%) | 備考 |
|---|---|---|
| 自由民主党 | 37.4 | 与党最大勢力。高市政権誕生後持ち直し傾向あり。 |
| 立憲民主党 | 9.0 | 主要野党第一党だが支持率は伸び悩み。 |
| 日本維新の会 | 7.4 | 連立の政権パートナーとして存在感を発揮。 |
| 国民民主党 | 6.2 | 中道勢力として一定支持。 |
| 公明党 | 3.8 | 以前の連立関係から離脱後も一定の支持。 |
| れいわ新選組 | 2.4 | ポピュリスト色強い野党勢力。 |
| 共産党 | 2.4 | 小規模ながら一貫した支持を維持。 |
| その他・無党派層 | 21.5 | 特に無党派層の比率が高いことが日本政治の特徴。 |
また、内閣支持率や首相への評価も重要な政治的背景となる。
高市政権の内閣支持率は複数調査で比較的高い水準が報告されており、約64〜66%前後という世論調査結果もある。これにより高市首相の政策遂行力への一定の民意支持が示唆される。
支持率は政権発足からのいわゆる「ハネムーン効果」による側面もあり、長期的には経済・安全保障・暮らしに直結する政策成果や物価動向によって変動する可能性が高いと分析される。
以上の支持率データから、2026年度予算案をめぐる政治的争点が国民の関心や政党支持構造に大きく影響を受けることが示される。与党が政権運営の安定を維持しつつ予算を成立させるには、これらの支持率動向を踏まえた政策説明・修正協議が重要な鍵となる。
