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なぜ飼い主は愛犬と音楽を共有するのか

犬のストレス軽減やリラックス、さらにはトレーニングの支援として、音楽を取り入れる場面が見られるようになった。
熟睡する子犬(AP通信)

近年、犬の飼い主がペットと音楽を共有する事例が増えている。音楽が人間の気分を左右するように、特定の音や曲が犬の行動や感情に影響を与える可能性があるとして、音楽を活用する飼い主や専門家の関心が高まっている。犬のストレス軽減やリラックス、さらにはトレーニングの支援として、音楽を取り入れる場面が見られるようになった。

飼い主やトレーナー、動物保護施設のスタッフらは、犬がケージ内で過ごす時間や飼い主不在時の不安に対して、音楽が気をそらす手段や落ち着いた環境作りに役立つと述べている。ソーシャルメディア上には、特定のプレイリストに合わせて遠吠えしたり、リラックスしたりする犬の映像が投稿されており、音楽が犬の日常に溶け込んでいる様子が伺える。

ただし、専門家は音楽の効果について一様ではないとの見方を示す。音楽が犬に与える影響は、犬の性格や置かれた状況、音楽のジャンルや音量によって異なると指摘されており、単なる万能の解決策と考えるのは適切ではないという。

米国の獣医療・動物行動学者らは、犬がストレスや不安を感じる多様な要因に対処する際、音楽はサポート的役割を果たす可能性があると説明するが、まずは獣医師や認定された専門家による評価や対応が優先されるべきだと強調する。例えば、分離不安や大きな音に対する恐怖心といった一般的なストレス要因に対して音楽が補助的に機能することはあるものの、それだけで行動問題を根本から解決するものではないという。

一部の動物保護施設では、クラシック音楽や落ち着いたインストゥルメンタル音楽をケージ周辺で流し、犬たちの緊張を和らげる試みをしている。施設の担当者は「犬たちがより落ち着き、ストレスが軽減されているように見える」と述べ、音楽が雰囲気を穏やかにする助けになると評価している。

音楽を用いる際のポイントとして専門家が挙げるのは、犬一頭一頭の反応を観察することだ。ある犬はクラシック音楽で静かになる一方、別の犬は別のジャンルの音楽にしか反応しない場合もある。犬は生まれつき特定の音楽を好むのではなく、日常的に聞き慣れた音や状況と結びついた経験によって特定の音に安心感を抱く可能性があると指摘される。

飼い主が外出時にテレビや音楽を流しておく例もあるが、同じ曲ばかりを繰り返すと、逆に「飼い主がいなくなる合図」として認識してしまい不安を強める恐れがある。そのため、プレイリストを定期的に変更するなどの工夫を勧める声もある。

また、音楽を犬との時間に取り入れる際には、その犬がどのような音や状況に落ち着くかを丁寧に見極めることが大切だ。専門家は犬のストレスや行動の問題については、音楽を一要素として活用しつつ、必要に応じて獣医師や認定された行動専門家の助言を受けることを推奨している。

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