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コラム:オダウエダの魅力、個性強すぎるネタで新境地

オダウエダは2014年の結成以来、舞台を基盤に着実にキャリアを積んで来たコンビであり、2021年のTHE W優勝によって全国的な注目を浴びた。
日本のお笑いコンビ「オダウエダ」(ORICON NEWS/吉本興業)

オダウエダとは

オダウエダは吉本興業所属の女性お笑いコンビで、2014年に結成された。メンバーは左が小田結希(おだ ゆうき)、右が植田紫帆(うえだ しほ)で、NSC(吉本総合芸能学院)36期出身の同期コンビである。漫才やコントを中心に活動し、若手〜中堅の舞台を経てテレビ・ラジオ・デジタル媒体へと出演の幅を広げてきた。結成以降の代表的な大きな出来事としては、2021年12月に行われた女芸人日本一決定戦「THE W 2021」で優勝したことが挙げられる。

小田 結希とは

小田結希は1995年6月26日生まれ、愛媛県西条市出身。身長は約170cmで、コンビでは左側に立つことが多い。趣味に美術館巡りやミステリー、海鮮やお酒が挙げられており、特技としてソフトボールや小道具作りなどを公表している。キャラクターとしては目立ちやすい身体的な高さを活かしたボケや、表情を大きく使う芸風が特徴で、小道具を使ったギミックや身体を張るネタも得意としている。公式プロフィールでも活動情報や特技が紹介されている。

植田 紫帆とは

植田紫帆は1991年7月1日生まれ、大阪府出身。身長は約160cmでコンビの右側に立つ。趣味はネットサーフィンやマンガ・映画鑑賞、ゲーム等で、自己紹介的なトークでは知的な切れ味やツッコミの速さを見せることがある。コンビ内での役割分担やキャラクター形成において、植田は理知的なツッコミ・淡々とした語りでボケを引き立てるタイプであり、二人の対比がネタに活きている。公式プロフィールやメディアインタビューでその素顔や嗜好が断片的に語られている。

芸歴(結成から現在まで)

オダウエダは2014年4月4日に結成され、NSC36期(大阪校)で出会った2人がコンビを組んだ。結成当初は大阪のライブや若手向けのテレビ番組、単発のイベント出演などを中心に活動していた。2010年代後半には東京進出や都内・全国の漫才・コントライブでの活動を増やし、徐々に知名度を上げていった。TBSや日本テレビをはじめとするテレビのバラエティや特番、地方番組にも出演経験があり、舞台出身の芸人としての下地を保ちながらメディア出演を増やすフェーズが続いた。

2020年代に入るとデジタルメディア(公式YouTubeチャンネル「オダウエダ総合案内所」等)やラジオ番組への定期出演を通じてファン層を拡大し、2021年には女芸人No.1決定戦「THE W 2021」で優勝して大きな注目を集めた。優勝後はテレビの露出やトーク番組、バラエティ、イベント出演の機会が増え、以降はラジオのレギュラーやYouTubeの動画更新、舞台活動を並行して行っている。メディアや公式プロフィールによる活動年表的情報で結成年・所属事務所・主な出演歴を確認できる。

芸風(ネタ作り・キャラクター・傾向)

オダウエダの芸風は漫才・コントの両方を取り入れつつ、二人の対比を明確に立てるスタイルが基盤になっている。小田の身体的特徴や大きなリアクション、時に奇抜な発想のボケと、植田のツッコミや冷静な観察がかみ合うことで、テンポの良い掛け合いが生まれている。また小道具やセット、出囃子を活かした空気作りをするネタも多く、「場の空気」を操作して笑いを作る手腕がある。ネタの作り方としては二人でアイデアを出し合い、舞台での反応を重ねて磨くスタンダードなライブ→ブラッシュアップ方式を基本にしている。

傾向としては、観客の共感を誘う日常のズレや、少しブラックでシュールな転換を用いることがある。また短時間で強い印象を残すショートネタと、起承転結をしっかり作るロングコントの双方を使い分けられる柔軟性が強みである。THE Wで披露されたネタも、二人のキャラクターの差とテンポのよさを活かしたものだった。

女性に人気の理由

オダウエダが女性ファンから支持を受ける理由は複数ある。まず一つに、二人とも女性ならではの視点で作るネタやトークで共感を呼ぶ点がある。恋愛や友人関係、日常のちょっとしたモヤモヤを切り取る笑いは同世代の女性に刺さりやすい。次に、舞台や配信でのトークにおいて人柄の良さや親しみやすさが伝わること、SNSやYouTubeでの素の表情や企画行動を通じて「素の二人」を好きになるファンが生まれている点も大きい。見た目の好感度やキャラクターの分かりやすさにより、ライブのリピーターになる女性視聴者が増え、グッズ購入や配信視聴へとつながる傾向がある。

また、若手時代から培われた舞台力があるためライブでの見せ方が上手く、ライブ会場でのファン獲得がメディア露出につながりやすい。メディア記事やランキングサイトのフォロー数・視聴数を見ると、デジタルでの支持も一定の規模を持っていることが確認できる。

主な実績(大会優勝・メディア出演など)

  • 結成:2014年。NSC36期出身。

  • THE W 2021 優勝:2021年12月13日開催の「THE W 2021」でオダウエダが優勝し、女芸人ナンバーワンの座を獲得した。優勝賞金は1000万円で、決勝は複数組の中から最終審査で選ばれた。優勝を機に地上波番組や特番への露出が増加した。

  • テレビ・ラジオ出演:THE W優勝以前から若手向けのバラエティや特番に出演しており、優勝後はさらに全国ネットの番組や特番に登場している。定期的なラジオ出演としては、ABCラジオの番組関連での活動やポッドキャスト・アーカイブ配信などにも関わっている。

  • デジタル活動:公式YouTubeチャンネル「オダウエダ総合案内所」を運営し、登録者数は数万〜十万程度(取得日時による変動あり)、総再生回数は累計で数千万回単位と報告されている(出典により更新時点差がある)。YouTube以外にもstand.fmやPodcast、各種アーカイブ配信で番組を残している。

女芸人No.1決定戦 THE W 2021 優勝(詳細)

「THE W」は女芸人のネタバトル大会で、一次〜準決勝を経て決勝ライブで優勝者が決定される年次大会である。2021年12月13日の決勝でオダウエダはAブロック1位として勝ち上がり、最終的に優勝を果たした。大会の審査は業界の著名人や芸人が務め、視聴者投票や審査員の評価により勝敗が決まる形式だった。メディアはオダウエダの優勝を「若手女芸人の新たな台頭」と報じ、賞金および優勝による露出増がキャリアにとっての大きな転機になったと評価している。

YouTube・ラジオ・その他デジタル活動(実績とデータ)

オダウエダはデジタル展開にも力を入れている。公式YouTubeチャンネル「オダウエダ総合案内所」は定期的にネタ動画、企画、舞台ダイジェスト、ラジオのアーカイブやショートコンテンツを配信している。各種ランキングサイトの情報によると、チャンネル登録者数はおおむね数万〜8万台前後、総再生回数は数千万回規模であると報告されている(数値は取得日時によって変動するため、最新の数値はプラットフォーム上での確認が必要である)。YouTube以外では、ABCラジオなどでの番組出演や、stand.fm・Spotify等でのポッドキャスト・アーカイブ配信、X(旧ツイッター)やInstagramでの告知を行っている。ラジオ番組「がっちゃんこ」等への出演情報や番組アーカイブは放送局の番組ページや配信プラットフォームに残っている。

(参考データ例:一例として公表されているタイミングのデータではチャンネル登録者数が7〜8万人台、総再生回数が2,500万〜2,800万回程度といった数字の報告が見られる。正確な現状値はYouTubeの公式チャンネルページや各種解析サイトで確認すること。)

結成背景から大きな転機まで

結成背景はNSC同期生という出会いに起因する。NSCでの同期関係をベースに2014年にコンビを結成し、ライブ中心に活動を続ける中で徐々にメディアへの出演機会を増やしていった。大きな転機はやはりTHE W 2021での優勝である。優勝は単に賞金やタイトルの獲得に留まらず、テレビ・ラジオ・配信での露出増、番組オファーの増加、スポンサーやイベント出演の機会拡大、そしてファン層の拡大につながった。THE W優勝以前は舞台での評価や一部のバラエティ出演での認知度が中心だったが、優勝を機に全国区での知名度が上がり、コンビの仕事の幅や単価が上がる重要な転機となった。

課題・問題(業界的視点とコンビ固有の課題)

以下に業界全体の課題と、オダウエダ固有の課題を分けて整理する。

業界全体としての課題
  1. メディア露出の二極化:テレビ・配信双方で露出の機会はあるが、上位の一部芸人に仕事が集中する傾向があり、中堅〜若手が安定して収入を得る構造は必ずしも強固ではない。短期的ヒットで終わるケースも多い。

  2. デジタル収益化の難しさ:YouTubeやPodcastで視聴数を伸ばしてもプラットフォームの収益や広告単価では十分とは言えない場合が多く、ライブと並行しての収益多様化戦略が必要である。

  3. 長期的なパーソナルブランディングの重要性:個人のSNSやサブスク的なファンとの接触が重要になってきており、芸人個人の発信力が仕事の受注やファン維持に直結しやすい。これに対応できないと波に乗り切れないリスクがある。

これらは芸能・お笑い業界全体で指摘されている構造的課題であり、メディアや専門家の論評でも話題になっている点である。

コンビ固有の課題
  1. ネタの持続性と進化:THE W優勝のような成功を経たあと、優勝ネタの印象が強く残り過ぎると新ネタで印象を上書きする必要がある。常にネタの方向性を更新していくことが求められる。

  2. 露出増に伴う使い分けの難しさ:テレビ向けの短尺ネタ、舞台向けのロングネタ、デジタル向けの企画など媒体ごとに受け手が異なるため、コンテンツ制作のリソース配分が課題になる。

  3. 個々のメディア適応力:二人のキャラクターの差を活かす一方で、個別の仕事(ソロ出演やMCなど)への適応力を高める必要がある。特に長時間番組やレギュラー番組では、安定したトーク力や構成力が求められる。

  4. 健康・スケジュール管理:ライブとメディア出演の増加により身体的・精神的な負荷が増えるため、持続可能な働き方を整備することが重要である。

これらは一般的な課題であるが、オダウエダが持つ「舞台力」と「デジタル接点」をどう組み合わせて収益化・ブランド強化に結び付けるかが鍵である。

今後の展望

オダウエダの今後の展望として、以下の方向が考えられる。

  1. メディア横断のコンテンツ設計:テレビの短尺ネタ、YouTubeの長尺企画、ラジオの深掘りトークを連動させ、ファンの導線を作ること。たとえばYouTubeでの企画がラジオやライブに送客するようなクロスメディア戦略を強化することが有効である。

  2. ブランド化とグッズ展開:THE W優勝という肩書きを軸に、ライブグッズや限定コンテンツ、ファンクラブ的な有料配信を整備することで継続的収益源を確保する道がある。これは近年の芸人・クリエイター界隈で確立されつつあるモデルである。

  3. ネタの多様化とコラボレーション:他ジャンルのクリエイターやタレントとのコラボレーションを増やし、新しい観客層へリーチする戦略。YouTubeやSNSでのコラボはお互いのチャンネル流入を生むため効果的である。

  4. 舞台継続と育成的側面:若手や後輩芸人と共演するライブやイベントを主催することで、コミュニティ構築や「場の価値」を高めることができる。舞台での蓄積はテレビや配信では代替しにくい強みとなる。

  5. 個人活動の強化:二人それぞれが単独で引き受けられる仕事(ラジオのパーソナリティ、MC、ドラマ・CM出演など)を増やし、コンビ活動と個人活動をバランス良く設計すること。これにより収益のリスク分散や認知拡大が期待できる。

まとめ

オダウエダは2014年の結成以来、舞台を基盤に着実にキャリアを積んで来たコンビであり、2021年のTHE W優勝によって全国的な注目を浴びた。二人の得意とする対比芸と空気を作る力は強みであり、デジタル展開やラジオ出演を含めてファン基盤を拡大している。今後の課題は、優勝の“勢い”を持続させるためのネタとコンテンツの進化、媒体ごとの使い分けと収益化の設計、そして過密スケジュールを見据えた健康と働き方の管理である。業界的にはメディア露出の集中やデジタル収益化の課題といった構造的な問題があり、個別の戦略だけでなく事務所・マネジメントと連携した長期的なプランニングが求められる。

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