コラム:マユリカの魅力、さらなる活躍に期待
マユリカは2011年結成の幼馴染コンビで、関西を拠点に漫才・コントを磨きつつ、ラジオ・YouTubeなど多様な媒体で活動を拡大している。
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マユリカとは
マユリカは阪本匠伍(以下、阪本)と中谷祐太(以下、中谷)による日本のお笑いコンビである。2011年に結成され、吉本興業に所属する。NSC大阪校33期出身であり、幼馴染としての関係性を土台に漫才・コント双方を行うスタイルを持つ。近年は大会での実績やメディア露出、YouTubeなどデジタル活動の拡充を通じて知名度を上げている。1
阪本とは
阪本匠伍はコンビのツッコミもしくはボケの役割を果たすことが多く、ネタ作成を主に担当する人物である(公式プロフィールでは阪本がネタ作成者として記載されている)。外見や話し方の特徴を活かしたキャラクター作りが得意で、舞台上での間合いや演出に工夫を凝らすタイプである。インタビューやメディア露出ではバイト経験や下積み時代の話を語ることが多く、舞台と媒体での表現を両立させている。
中谷とは
中谷祐太は阪本と幼少期からの知り合いで、コンビのもう一方を担う。キャラクター寄りの表現や、リアクションを活かしたボケ(あるいはツッコミ)で観客に強い印象を残すことが多い。趣味・関心が多岐に渡り、漫画や映画の話題をネタやトークに取り入れることがある。舞台以外でもラジオやYouTubeでのトークにおいて、独自の視点を提示することが多い。
コンビ名の由来
公式に明確な由来が広く公開されているわけではないが、結成年や旧コンビ名(いぶき)などの経緯から、改名後に「マユリカ」という響きが持つ独特の柔らかさや印象を意図して採用した可能性が高い。実際の命名背景や語感の選定理由はインタビューや事務所プロフィールで断片的に言及されることがあるため、命名の細部は本人の発言を参照するのが確実である。
芸歴
マユリカは2011年に結成され、NSC大阪33期の同期生として芸歴を重ねてきた。若手時代から関西の劇場やライブハウスで活動を行い、2018年には第7回ytv漫才新人賞決定戦で決勝進出、同年にM-1グランプリ2018の敗者復活に出場するなど大会経験を積んだ。2020年代に入ってからも複数の漫才賞や大会で上位に入り、上方漫才協会の新人賞受賞やオールザッツ漫才での好成績など舞台面での評価を受けている。近年はM-1グランプリにおいて2023年・2024年のファイナリスト(あるいは好成績)として注目され、全国的な認知度が上がっている。
芸風
マユリカの芸風は漫才を基軸としつつ、コント要素やキャラクターコントを取り入れる混合型である。ネタは阪本が中心に作成することが多く、観察に基づいた細かなボケ回収やテンポ重視の構成を特徴とする。幼馴染という関係性をネタやトークで積極的に利用し、二人の間にある「距離感」や「日常のズレ」を笑いに変えるスタイルをとる。舞台のほかラジオトークや企画型YouTubeでも二人の掛け合いによる即興的な面白さを展開している。
主な実績(大会優勝、メディア出演など)
第2回上方漫才協会大賞 新人賞受賞(受賞歴の一つとして公式プロフィールに記載)。
オールザッツ漫才2021では準優勝など大会での上位実績を持つ。
M-1グランプリに複数回出場し、近年(2023・2024)では準決勝以上あるいはファイナリストとして注目された。M-1公式サイトにも出場記録が掲載されている。
メディア出演としては関西圏のラジオレギュラーやバラエティ番組のゲスト出演、ローカル・ナショナルのテレビ番組やイベント出演がある。事務所の公式プロフィールやナタリーのアーティストページに出演情報がまとめられている。
YouTube・ラジオ・その他デジタル活動
マユリカはYouTube公式チャンネル「マユリカのプンカプンカ!」を運営しており、チャンネル登録者数は数万〜十万規模に達している(掲載時点での数値は変動するため最新値はチャンネルページを参照する必要がある)。YouTubeではネタのフル尺公開、舞台裏、トーク企画、短尺コンテンツなど多様な形式を投稿している。ラジオでは関西ローカルを中心に冠やレギュラー番組を持ち、音声メディアでの定期的な露出を行っている。デジタル活動は若い視聴者層との接点を増やす目的があり、SNS(X/TwitterやInstagram等)を通じて舞台告知や日常の発信も行っている。
冠番組
冠番組としてはラジオのレギュラー枠が主要で、「マユリカのうなされながら見た夢のあとで!」などのタイトルで定期放送を持っている。テレビでの冠番組は地域や期間限定での企画があるが、深夜やローカルの枠でのレギュラー化が中心である。冠番組を軸にした活動は、テレビ・ラジオ・ネットのクロスメディア展開においてファン基盤を固める重要な役割を果たす。
歴史・経緯(結成背景から大きな転機まで)
マユリカは幼馴染である阪本と中谷が学生時代からのつながりを基に2011年に結成した。NSC大阪で正式に訓練を受け、当初は関西の小さな劇場から活動を開始した。下積み期間には劇場ライブや若手限定の大会参加を繰り返し、2018年前後に全国大会やメディアでの露出が増加したことが第1の転機である。特にM-1グランプリやytv漫才新人賞などでの結果が注目を集め、上方漫才協会の新人賞受賞やオールザッツ漫才での好成績が続いたことで、ナショナルな活動機会が増えた。次いで、YouTubeやラジオを本格化させたことが第2の転機となり、デジタルの露出拡大により若年層のファン獲得に成功した。近年はM-1での上位進出やテレビ・ラジオ出演の常連化が続き、これが現在の認知度向上につながっている。
課題・問題(業界的視点とコンビ固有の課題)
業界的視点から見ると、国内エンタメ市場はジャンル別に回復や成長がある一方で競争は激化している。政府・産業界の報告では、コンテンツ市場全体は大きな市場規模を持つが(数兆円規模)、ジャンル間での偏りや海外収入の取り込み構造など課題があるとされる。演芸(特にライブ)分野はコロナ禍での影響から回復途上であり、ライブ集客や興行収入の安定化が継続的な課題である。芸人個人・コンビにとっては「舞台依存型収入のリスク」や「デジタルでの継続的エンゲージメント確保」の二点が事務所所属の有無に関わらず普遍的課題である。これらの業界的観点は経済産業省や文化庁、関係団体の報告にも示されている。
コンビ固有の課題としては以下が考えられる。
ネタの差別化と量産のバランス:舞台で高評価を得るネタを継続して生み出す必要があるが、制作負担が大きく体制整備が不可欠である。
メディア多様化への最適化:テレビ・ラジオ・YouTubeでの表現はそれぞれ最適化が異なるため、各媒体に合わせた内容制作とタレントマネジメントが必要である。
経済的安定と露出の両立:ライブ・テレビ出演は不確実性が高く、デジタル収益やスポンサーシップ、イベント出演での安定化戦略が求められる。業界全体のデータでは、メディアミックスや海外展開を含めた収益多様化が推奨されている。
今後の展望
マユリカの今後の展望は複数の軸で考えられる。短中期ではM-1などの全国大会での更なる上位進出や、テレビ・ラジオのレギュラー化拡大を通じた認知度向上が見込まれる。デジタル面ではYouTube登録者数の伸長やSNSでのエンゲージメント強化が、若年層のファン化に寄与する戦略となる。中長期的には海外展開やコラボレーション(アニメ、ゲーム、音楽など日本のコンテンツ産業との連携)を通じた新たな収益源確保が考えられる。政府や業界が示す「クールジャパン」やコンテンツの海外展開支援の枠組みを活用すれば、漫才・コントという日本固有の演芸文化を基盤にした国際的な展開も部分的に可能である。政府資料は日本のコンテンツ海外売上の拡大や産業政策の後押しを示しており、個々の芸人・コンビにとっては政策的支援を適切に活用する余地がある。
デジタル時代の戦略提言(専門家的視点)
エンタメ産業の専門家や政府資料が示す示唆を踏まえると、マユリカ(および同規模の若手中堅コンビ)が取るべき実務的戦略は次のとおりである。
プラットフォームごとのコンテンツ設計:短尺(ショートフォーム)と長尺(ネタ・舞台映像)を適切に組み合わせ、リーチと深いファン化を両立する。総務省や民間調査が示す「ながら視聴」世代への対応が重要である。
収益多様化の仕組み化:ライブ収入だけでなく、デジタル広告、メンバーシップ(サブスク)、タイアップ、商品化(グッズ)などで収益基盤を分散する。経済産業省の報告はコンテンツ産業における収益化モデルの多様化を推奨している。
コラボレーションとIP活用:漫画・アニメ・ゲームなどと掛け合わせることで、海外展開や二次利用の機会を広げる。政府のクールジャパン戦略はこうした連携の有効性を示している。
最後に
マユリカは2011年結成の幼馴染コンビで、関西を拠点に漫才・コントを磨きつつ、ラジオ・YouTubeなど多様な媒体で活動を拡大している。大会での実績や受賞歴、事務所のバックアップもあり、舞台での実力とデジタルでの発信力を両輪として強化する段階にある。業界全体の動向や政府の支援施策を踏まえれば、適切なメディア戦略と収益化の仕組みを整えることで、今後さらに飛躍する可能性が高い。各種データや公式情報については、最新の数値や出演情報を定期的に公式チャンネルや事務所ページで確認することが望ましい。
参照主要資料
- 吉本興業 公式プロフィール(経歴・受賞歴の公式情報)。
M-1グランプリ 公式サイト(大会出場・成績)。
ナタリー(タレントプロフィール・インタビュー)。
政府・業界資料(文化庁、経済産業省、クールジャパン等のコンテンツ産業に関する報告書)。
