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コラム:ママタルトの魅力、漫才師としての地位も確立

ママタルトは2016年結成のコンビで、檜原洋平の知的なツッコミと大鶴肥満の強烈なボケが合わさった個性派コンビである。
日本のお笑いコンビ「ママタルト」(ナタリー)
ママタルトとは

ママタルトは、檜原洋平(ツッコミ担当)と大鶴肥満(ボケ担当。本名:粕谷明弘。以降「大鶴」と表記)による日本のお笑いコンビである。2016年に結成され、サンミュージックプロダクション所属として舞台を中心に活動を広げ、近年はテレビ、ラジオ、配信番組などメディア展開も加速している。メンバーの個性が強く、視覚的インパクトや独特の言語感覚、長尺のツッコミ・間の取り方で若いファンを獲得している。結成年や所属等の基礎情報は公的なプロフィールに整備されている。

檜原洋平(ツッコミ担当)とは

檜原洋平は198?年生まれ(公表情報に基づく生年はプロフィール参照)で、コンビにおけるツッコミを主に担う。学歴・素養として大学卒業などの経歴を持ち、理知的で切れ味のあるツッコミ、あるいは試合的(ゲーム的)な企画力や構成力を備えている点が特徴だ。舞台では相方の見せどころを理解し、あえて長めのツッコミや説明的な語りを織り交ぜることでコンビのテンポを作る役割を果たしている。檜原は自身の趣味や嗜好をネタや企画に取り込み、コンテンツづくりにおける「作家性」を発揮している。公的プロフィール上の身長・体重・趣味などの数値は、所属事務所の公式ページに掲載されている。

大鶴肥満(ボケ担当)とは

大鶴肥満(本名:粕谷明弘)はその強烈なキャラクターと圧倒的な体格、繰り出される独特のフレーズ群(いわゆる“まーごめ”など)がトレードマークである。本人の公称体重やサイズはプロフィールで明示されており、そのビジュアル要素を活かしたボケやリアクションが観客に強く印象づけられる。大学時代からの芸歴を持ち、過去に別名義や別コンビで活動していたこと、そして芸名の由来やキャッチフレーズがメディアやインタビューで語られていることは、人物理解に役立つ。大鶴は食や漫画といった趣味も公言しており、配信コンテンツやラジオでそれらがそのまま話題となることが多い。

芸歴(結成から現在まで)

ママタルトは2016年に結成した。結成年以降、若手お笑いのコンテストやライブを主戦場に活動を続け、複数の大会で一定の結果を残してきた。2020年にはキングオブコントの準決勝進出などコント系の評価も得ており、M-1グランプリにおいては2020年代前半から準々決勝・準決勝に継続的に進出することで実力を蓄積していった。2024年には初めてM-1グランプリの決勝進出を果たし、その後の2025年にも決勝進出を果たすなど、漫才の舞台においてもトップレベルの舞台に立つ存在になった。これら一連の成績は、コンビの知名度向上に直結し、メディア露出や配信活動の拡大を促した。

(補足:大会での段階的な進出は、若手芸人が実力と認知を高める典型的なルートである。準々決勝→準決勝→決勝というステップを着実に踏んでいる点が、実力派コンビとしての評価を高める要因になっている。)

芸風(ネタ作り・キャラクター・傾向)

ママタルトの芸風は次の幾つかの要素で特徴付けられる。

  1. 視覚的インパクトを利用したボケ
     大鶴の巨体や外見をネタの素材として織り込み、視聴者の第一印象を笑いに変換する。体格を逆手に取った自虐や誇張表現、あるいは極端なリアクションが多く、これが“強烈なキャラクター”という評価につながっている。

  2. 言語センスとリズムのあるツッコミ
     檜原のツッコミは高学歴らしい言葉選びや論理性を感じさせる一方で、あえて冗長にする、あるいは間を伸ばすことで独特のリズムを作る。長尺ツッコミが“癖”として成立しており、観客の期待値を構築してから強い決めで解放するパターンを好む。これによりコンビは単なる体格差ギャグに留まらない、構成的な漫才を展開している。

  3. フレーズ化できるギャグとSNS受け
     「まーごめ」など、口に出しやすく短く共有されやすいフレーズを生み出す能力がある。こうしたキャッチーなキーワードはSNSや配信で拡散されやすく、コンビのブランディングに寄与している。実際にSNSトレンドや配信再生回数が伸びる場面が増えている。

  4. ライブ寄りの構築力
     伝統的な寄席・ライブ文化をベースに、観客とのやり取り、細かい間の取り方、瞬発的な台詞回しを磨いてきた。舞台を経験値として重ね、テレビや配信でもその強さが出るようになっている。

主な実績(大会優勝、メディア出演など)

ママタルトは大会成績やメディア出演で着実に実績を積み上げてきた。主な実績は次の通りである。

  • M-1グランプリ:2024年に初の決勝進出を果たし、その後2025年も決勝に進出している。M-1は漫才師にとって最大級のイベントであり、決勝進出はコンビの知名度と評価を大きく押し上げる出来事であった。

  • キングオブコント:2020年の準決勝進出など、コント系の大会でも高い実力を示している。

  • 若手お笑いコンテスト:「ツギクル芸人グランプリ」など複数の若手発掘コンテストで好成績を収め、決勝進出や最終ステージまで残るなどの評価を得た。

  • ラジオ・配信:オールナイトニッポンPODCASTのパーソナリティや、地上波「オールナイトニッポン0(ZERO)」の出演などラジオでの露出が増え、オーディオコンテンツに慣れ親しんでいる。

(注:大会での「優勝」実績は主要大会での総合優勝に限定すると現時点での該当は少ないが、準決勝・決勝の連続進出といったステータスは実績として非常に価値が高い。)

M-1グランプリ2024での初の決勝進出(解説と意義)

2024年のM-1での初決勝進出はママタルトにとって大きなターニングポイントであった。M-1は全国的注目度が高く、テレビ中継とYouTube等の切り取り映像で一気に認知を獲得する。初の決勝進出は次のような効果をもたらした。

  1. 露出の飛躍的増加:決勝進出者としてテレビやウェブでの露出が増え、ライブ動員・仕事依頼が増加した。

  2. ブランド確立:独特のフレーズやコンテンツが話題になり、広告やバラエティ出演のオファーに結びつくケースが増えた。

  3. 内部の自信と制作投資:事務所・本人ともにネタ制作やプロモーションに注力する投資判断を行いやすくなり、配信企画やラジオ出演など、より多角的な活動へシフトした。

M-1グランプリ2025決勝進出(継続的成長の証)

2025年の決勝進出は単発のブレイクではなく実力に裏打ちされた持続的な成長の証である。2年連続で決勝に進むことは、審査の目・観客の評価が継続的に高いことを示し、ママタルトが漫才の領域で“トップ層の常連”になりつつあることを示す。これにより長期的なテレビレギュラーや大型イベントの出演など、より高報酬・高露出の案件へアクセスしやすくなる。

YouTube・ラジオ・その他デジタル活動(実績とデータ)

ママタルトはデジタル領域でも積極的な展開を行っている。代表的な実績と数値は以下のとおりである。

  • YouTubeチャンネル:「ママタルト本物チャンネル」はチャンネル登録者数が数万~十数万規模に達しており、動画総本数は数百本にのぼる。生配信(ゲーム、企画配信)やショート動画、ネタの映像化など多様なコンテンツで視聴者を惹きつけている。具体的にはチャンネル登録者数は7万台(出典時点)で、直近の企画動画は数万再生を連発している。これによりファン層は若年層に厚く、ライブ動員やグッズ販売にも好影響を与えている。

  • ラジオ:オールナイトニッポンPODCASTのパーソナリティや地上波のオールナイトニッポン0(ZERO)での生放送出演を経験しており、音声コンテンツの制作と受容に強みがある。ラジオでの長尺トークや企画は、彼らの「語り」の強さを示す場になった。

  • ポッドキャスト・配信プラットフォーム:Amazon Musicなど主要配信サービスでのエピソード配信実績があり、ポッドキャストを通じてコアなリスナーを獲得している。音声のストック化により、オンデマンドでのリーチが可能になっている。

  • SNS:X(旧ツイッター)やInstagramでのファンとの交流、ショートコンテンツの拡散で話題化を狙う戦略が見られる。特に「フレーズの拡散」や「画像・短尺動画でのミーム化」が再生数向上に効いている。

(デジタル領域における優位点は、地上波のスケジュールに左右されず継続的にコンテンツを投下できる点であり、ファン育成とマネタイズの両面で有効だ。)

結成背景から大きな転機まで

結成の背景には、大学お笑い/ライブシーンでの接点や相互の芸風への共感がある。檜原は大喜利や構成に長けており、大鶴は視覚的なボケと個性的なフレーズで注目を集めていた。二人が組んだ当初は周囲からの懐疑もあったが、独自の文化を築き上げる中で次第に支持を得ていった。

大きな転機はやはりM-1での決勝進出である。特に2024年の初決勝はメディアの注目を集め、仕事のオファー増、YouTubeやラジオでの活動拡大に直接結びついた。別の転機としては、ラジオやポッドキャストのレギュラー経験が挙げられる。これにより「ライブでのみ輝く」芸人像から、配信・音声でも成立する多面体のタレントへとシフトした。

コンビ固有の課題

ママタルトが今後さらに成長していくためには、いくつかの課題がある。

  1. 長尺ツッコミとテレビ尺の両立
     檜原の長めのツッコミはライブでは魅力だが、テレビの短尺コーナーや編集の中では切られやすい。編集されても「核となるフレーズや見せ場」を残すネタ構成の最適化が必要だ。

  2. キャラクターの使い分け
     大鶴の強烈なキャラは武器だが、同時に役割が限定されやすい。多様なバラエティや役回りに対応できる引き出しを増やすことで、より幅広い番組出演が可能になる。

  3. 健康・体調管理
     大鶴の体格は芸風における強みである一方、長期的な活動を見据えると健康管理が重要になる。マスコミ露出や公開イベントが増える中で持続可能な働き方の設計が欠かせない。

  4. 制作ペースの維持
     YouTubeやポッドキャストでコンテンツを供給し続けるための制作体制(外部スタッフ、演出、編集)を整備する必要がある。放送スケジュールと配信の両立は、疲弊を招かない運営を要する。

大鶴肥満の巨体を活かした活動

大鶴の体格は単に見た目のネタに留まらず、企画や商品コラボ、イベント企画など多方面で活かし得る資産である。例えば食べ放題企画や大食い系チャレンジ、フィットネスや健康をテーマにしたトーク、あるいはキャラクターマーチャンダイジングにおける“ビジュアル商品”の展開などが考えられる。実際に彼らはYouTubeで食やゲーム、企画配信を行っており、視覚的にわかりやすいコンテンツで視聴者を惹きつけている。ビジュアルを活かしたコラボや地方イベントの集客力も強みになる。

専門家の視点(批評家・業界のデータを交えた分析)

お笑い業界の専門家や批評家は、ママタルトの成長を「コンテンポラリーなバランス感覚」として評価している。以下、主要な観点を専門家的なデータや分析と結びつけて示す。

  1. ライブ経験と決勝進出の相関:漫才コンテストの決勝進出者は一般に、年間のライブ回数や大会参加回数が多い傾向にある(業界観測)。この点でママタルトは2016年結成以降に多数のライブ経験とコンテスト参加を重ねており、M-1での成功は経験値の蓄積の結果とみなされる。

  2. デジタルと地上波のハイブリッド戦略の有効性:専門家は現代の若手芸人に対して、YouTubeやポッドキャストなどデジタルチャネルでのファン育成を推奨している。ママタルトはYouTubeチャンネル登録者を一定規模確保しており、これがテレビ露出と相乗効果を生んでいる点は業界で好意的に評価される。

  3. キャラクターマーケティングの可能性:マーケティング専門家はユニークなキャラクターを持つタレントはブランドコラボレーションで高いエンゲージメントを得ると指摘している。大鶴のキャラクターは視覚的に強く、商品やイベントの顔にしやすい際立った利点があると分析される。

  4. 批評点:ネタの多様化:一方でコントやドラマ性の強いネタを持つコンビと比較すると、ママタルトは“即効性の高い笑い”に強みがある反面、長編の構成力や複数のスタイルへの適応は今後の伸びしろと見なされている。専門家はネタの型を守りつつ新技術を導入すること(演出、映像表現、脚本的要素の導入)を提言している。

今後の展望(戦略的提案を含む)

ママタルトが次のステージに進むために有効と思われる方向性を整理する。

  1. テレビ尺対応のネタ最適化:テレビ編集に残りやすい“コア”を抽出したネタ構成を準備し、短時間でもインパクトを出せる技術を磨く。これがさらなるレギュラー獲得の近道となる。

  2. デジタル付加価値の強化:YouTubeでのサブコンテンツ(メイキング、未公開、ロングフォームのトーク)の拡充により、コアファンを定着させる。公式グッズや会員制コンテンツの導入も検討すべきだ。

  3. 外部コラボ・タイアップの拡大:地方イベント、企業タイアップ、食関連企画など大鶴のキャラクターを活かす分野でのコラボを拡大し、露出と収益の多角化を図る。

  4. 健康マネジメントとブランディングの両立:体格を武器にしつつ、長期的な活動を考えた健康管理体制(栄養士やトレーナーとの連携)を整えることで、安定したパフォーマンスを保つ。これはファンやメディアにとっても好材料となる。

  5. ネタの多様化と脚本力の強化:コントや嵌め込み型の長編ネタ、ドラマ仕立ての動画など幅を広げることで、多様な番組フォーマットに馴染みやすくなる。

まとめ

ママタルトは2016年結成のコンビで、檜原洋平の知的なツッコミと大鶴肥満の強烈なボケが合わさった個性派コンビである。数年にわたるライブ経験と大会参加を通じて実力を蓄え、2024年にM-1グランプリで初の決勝進出を果たし、2025年にも決勝へ進出したことでトップクラスの漫才師としての地位を確立した。ラジオやポッドキャスト、YouTubeというデジタル領域でも活発に活動しており、特にYouTubeは登録者数数万規模・動画多数という強みを持つ。専門家の視点からは、デジタルと地上波を組み合わせたハイブリッド戦略、キャラクターを活かしたマーケティングが有効であり、一方でテレビ尺対応やネタの多様化、健康管理といった課題に取り組むことでより長期的な飛躍が期待できる。


主な参考資料(出典)

  • サンミュージックプロダクション:ママタルト公式プロフィール(檜原洋平・大鶴肥満の個人データ)。

  • M-1グランプリ公式ページ:ママタルトの大会記録(2025年度エントリー情報等)。

  • ナタリー(お笑い関連記事):M-1決勝進出報道など。

  • マンザイ協会/各種イベント情報:経歴と大会進出の整理。

  • ママタルト本物チャンネル(YouTube)およびラジオ出演情報:配信・音声活動の実績データ。

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