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コンゴ民主共和国、「M痘(エムポックス)」の流行終息を宣言


今回の流行では、2024年以降に感染が急拡大し、疑い例は16万件以上に達した。
M痘(エムポックス)感染者のサンプル(World Health Organization)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国政府は2日、約2年にわたって続いたM痘(エムポックス)の大規模流行について、国内での流行終息を宣言した。

保健省は声明で、この感染症がもはや国家的な公衆衛生上の緊急事態ではないと判断したと明らかにし、長期に及んだ対策が一つの節目を迎えたことを強調した。

今回の流行では、2024年以降に感染が急拡大し、疑い例は16万件以上に達した。このうち約3万7000件が検査で陽性となっている。また死亡者は疑い例ベースで2200人以上にのぼり、検査で確認された死者も100人を超えた。

エムポックスは中央アフリカや西アフリカで動物から人に感染するウイルス性疾患として知られていたが、近年は人から人への感染が拡大している。特に2022年には性的接触を通じた感染が確認され、これまで報告のなかった70カ国以上に広がるなど、国際的な感染症としての側面が強まった。

コンゴでは今回の流行が周辺国にも波及し、2024年には世界保健機関(WHO)が国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言する事態となった。その後、感染者数や死者数の減少を受けて2025年9月に同宣言は解除されたが、流行の中心地であった同国では引き続き厳重な監視と対応が続けられてきた。

流行拡大の背景には、医療体制の脆弱さやワクチン供給の不足、さらに東部地域の紛争による保健活動の停滞など、複合的な要因があったと指摘されている。とりわけ地方では検査体制が十分でなく、実際の感染者数や死者数は報告を上回る可能性もある。

エムポックスの主な症状は発熱や発疹で、多くの患者は回復するが、子どもや免疫力の低い人は重症化することもある。今回の流行でも子どもへの影響が大きかったとみられ、地域社会に深刻な打撃を与えた。

政府は流行終息を宣言したものの、「ウイルスが消滅したわけではない」として警戒の継続を呼びかけている。監視体制の維持や迅速な検査・隔離体制の確保が不可欠であり、再流行のリスクは依然として残る。

今回の事例は感染症対策における国際的連携と地域医療体制の重要性を改めて示した。貧困や紛争など構造的課題を抱える地域では、感染症が拡大しやすく、抑え込みにも時間を要する。コンゴでの流行終息は一定の成果といえるが、同様の感染症が再び拡大する可能性を踏まえ、持続的な支援と監視が求められている。

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