◎ロス・セタスは2012年にもう1人の幹部が殺害され、空中分解。複数の派閥に分裂し、今もメキシコで一定の影響力を行使している。
メキシコ、麻薬カルテル「ロス・セタス」の幹部ミゲル・アンヘル・トレビノ・モラレス(Getty Images)

米コロンビア特別区の司法当局が16日、悪名高いメキシコの麻薬カルテル「ロス・セタス(Los Zetas)」の幹部であるミゲル・アンヘル・トレビノ・モラレス(Miguel Angel Treviño Morales)の起訴状を公開した。

モラレスは2013年にメキシコで逮捕されて以来、刑務所に収監されている。

司法当局は起訴状の中で、モラレスは刑務所内からロス・セタスの分派グループを運営していると主張している。

ロス・セタスは2012年にもう1人の幹部が殺害され、空中分解。複数の派閥に分裂し、今もメキシコで一定の影響力を行使している。

起訴状によると、モラレスが運営するグループはセタスの後継組織として、モラレスとその弟が2015年に創設したという。兄弟は親族にこの運営を任せたとされる。

米当局はメキシコの刑務所のセキュリティに何度も苦言を呈してきた。カルテルの幹部はしばしば、弁護士や親族を通じて刑務所内でも影響力を行使し、豪勢な暮らしをし、場合によっては組織を運営することもできる。

起訴状によると、モラレスらはこのグループを通じてメキシコの広い範囲で影響力を行使し、収監後も麻薬密売、人身売買、マネーロンダリング(資金洗浄)、殺人、誘拐などを主導しているという。

司法当局は兄弟を麻薬、共謀、マネロン、その他複数の犯罪で告発し、メキシコ当局に身柄を引き渡すよう要求している。米当局は10年ほど前からモラレスの身柄引き渡しを求めているが、複数の裁判が結審しておらず、保留されている。

メキシコのカルテル指導者は国内の刑務所にいれば活動を続けられるため、優秀な弁護士を雇い、身柄引き渡しに徹底的に抵抗する。

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