ハイチに「ギャング鎮圧部隊」派遣、米国連大使が要請
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
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米国のドロシー・シア(Dorothy Shea)国連大使代理は28日、ギャングの暴力に圧倒される中米ハイチを支援するため、新たな「ギャング鎮圧部隊」の国連承認を要請すると表明した。
シア氏は安全保障理事会の会合でこの発表を行ったが、ケニア国家警察が率いるハイチ国連支援ミッション(MSS)と新部隊がどう異なるかは不明である。
シア氏はケニア国家警察が1年以上に渡ってMSSを率いていることに謝意を示し、「MSSがいなければ、ハイチは野蛮人どもに蹂躙され、残虐行為がさらに拡大していただろう」と述べた。
またシア氏は「米国とパナマはギャング鎮圧部隊の設置と、同部隊への後方支援を提供する国連支援事務所の創設を求める決議案を安保理で回覧する予定である」と明らかにした。
国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は2月、MSSをサポートするため、ドローン、燃料、地上・航空輸送、その他非致死的な支援を提供する事務所の開設を提案していた。
シア氏は新部隊とMSSの違いについて説明せず、「素晴らしい部隊になる」とだけ述べた。
AP通信は外交筋の話しとして、「MSSは規模と国連の後方支援を大幅に増やし、名称をギャング鎮圧部隊に変えると提案を受けているようだ」と伝えている。
最初のケニア部隊は24年6月にハイチに到着。中米諸国(バハマ、エルサルバドル、ベリーズ、グアテマラ、ジャマイカ)を中心に2500人が駐留する予定であったが、現在の兵力は1000人を下回っている。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。大統領のポストは今も空席のままだ。
ポルトープランスの90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。
ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県ではグラン・グリフとみられる武装ギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。
最新のギャング間抗争は3月初めに勃発。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら激しい縄張り争いを繰り広げている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24年10月~25年6月までの間に、ギャング暴力により全国で少なくとも4864人が死亡、130万人もの市民が避難を余儀なくされていると報告している。
国連ハイチ事務所は今年、9億800万ドルを調達することを目標にしているが、調達率は今月初め時点で9.2%にとどまっている。
米政府は5月、ヴィヴ・アンサムとグラン・グリフを「外国テロ組織」と「国際テロリスト」に指定した。