中米2025年8月7日

米財務省、人気ラッパーを含むメキシコのカルテル関係者4人に制裁

米財務省は6日、メキシコの麻薬カルテルとつながりのある4人を制裁リストに追加し、その資産を凍結すると発表した。

その中には人気ラッパーのエル・マカベリコ（El Makabelico）が含まれている。

財務省は声明で、制裁の対象について、麻薬組織カルテル・デル・ノレステの幹部3人とその関係者とされるリカルド・ヘルナンデス（Ricardo Hernandez、34歳）と説明した。

ヘルナンデスはソーシャルメディアで数百万人のフォロワーを持つミュージシャン。エル・マカベリコという芸名で活動している。

財務省はエル・マカベリコのコンサートやイベントが麻薬組織の資金洗浄に利用され、ストリーミングプラットフォームで得た収益の50％が直接組織に流れていると指摘した。

スポティファイの広報担当はロイター通信の取材に対し、「弊社は米財務省の決定を審査しており、法的義務を遵守する」と述べた。

アップルとアルファベット傘下のユーチューブはコメントを出していない。

エル・マカベリコがSNSで自身のレーベルとして記載しているデル・レコード（DEL Records）もコメントを出していない。

トランプ米政権は2月、カルテル・デル・ノレステや世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルなど、中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定。今月初めにはシナロア・カルテルの一派であるロス・チャピトスも外国テロ組織に指定した。

カルテル・デル・ノレステはメキシコで最も暴力的な麻薬組織の1つと考えられており、米国とメキシコの国境沿い、特にテキサス州ラレドで大きな影響力を行使しているという。