メキシコ大統領「米国は安全保障面でその役割を果たすべき」
トランプ大統領は週末、最大の貿易相手国であるメキシコに対して30%の関税を課すと脅し、シェインバウム氏が米国へのフェンタニルの密輸を阻止できなかったと非難した。
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メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は14日、自国政府が合成麻薬フェンタニルの撲滅に十分な取り組みをしていないという米国の批判に反論し、「米国は自国領土内の麻薬密売人の逮捕と、国境を越えた武器の流入の阻止により一層取り組むべきだ」と発言した。
トランプ(Donald Trump)大統領は週末、最大の貿易相手国であるメキシコに対して30%の関税を課すと脅し、シェインバウム氏が米国へのフェンタニルの密輸を阻止できなかったと非難した。
シェインバウム氏は定例会見で、「我々は我々の役割を果たしており、彼らも彼らの役割を果たさなければならない」と語った。
またシェインバウム氏は「我々は米国からメキシコへの武器の流入の抑制、米国における麻薬密売に関与する人物の逮捕、そして米国が負うべき責任について、主張を続けてきた」と述べた。
さらに、「メキシコと米国は安全保障に関する合意を間もなく締結し、8月1日の関税発効期限までに調印する見通しである」と付け加えた。
シェインバウム氏は「ワシントンとの安全保障協定には米治安部隊のメキシコへの入国は含まれない」と述べ、あらゆる協力に関するメキシコのレッドラインを強調した。
トランプ氏は移民と合成麻薬フェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法滞在者を送還するなど、様々な移民・麻薬対策を導入している。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。米国に流入するフェンタニルの99.99%がメキシコ産である。
米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。
米疾病対策センター(CDC)によると、24年の全米の薬物過剰摂取による死者数は8万391人。過去5年間で最も少なくなった。23年は11万37人であった。
最も多くの死者を出した薬物はフェンタニルを含む合成オピオイド。24年の死者数は4万8422人、23年は7万6282人であった。