◎この政令は官報に掲載され、即時発効した。
メキシコ、首都メキシコシティ、オブラドール大統領(Getty Images)

米国の採石会社は24日、メキシコ政府が同社の土地を事実上収用したと明らかにした。

メキシコ内務省は23日遅く、米アラバマ州に拠点を置くバルカン・マテリアルズ(Vulcan Materials)が所有する海港と採石場を自然保護区に指定。この土地での活動を事実上禁じた。

オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は以前、この土地を収用すると脅し、後に約3億8500万ドルで買い取ると申し出ていた。

バルカン・マテリアルズ社は声明で、「この指定は米・メキシコ・カナダ協定に違反する」と非難。「これは現政権による、我々の事業に対する一連の脅しと行動の一部である」と述べた。

また同社は「当社所有の土地の収用は貿易協定に基づくメキシコの義務に対する新たな違反であり、エスカレーションである。この違法措置はメキシコと米国の貿易・投資関係を長期的に麻痺させるだろう」と断じた。

この政令は官報に掲載され、即時発効した。

政令は「同保護区の目的は地元の動植物種の保護である」と述べているが、この海港と石切り場は自然保護区には似つかわしくない、緑の少ない土地である。

さらに、オブラドール政権は石切り場からほど近い場所に観光列車を建設するため、原生林を切り開き、何万本もの木を伐採した。

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