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▽トランプ政権はUSAIDの対外援助契約の90%以上とそのプロジェクト予算600億ドル(約8兆9500億円)を削減した。
2022年7月21日/ハイチ、首都ポルトープランスの学校に開設された避難所(Ralph Tedy/ロイター通信)

国連児童機関(ユニセフ)は2月28日、米国際開発庁(USAID)の援助停止により、中米ハイチで避難生活を送る数万人の子供が危機的状況に置かれていると警告した。

米国務省は緊急食料支援プログラムとイスラエルおよびエジプトへの軍事援助を例外として、全ての対外援助事業・資金を凍結するよう命じた。

米国はどの国よりも多くの対外援助を行っており、この2年間で1000億ドルを超える予算を計上した。

ユニセフによると、乳幼児の健康診断や食料支援など、USAIDの資金援助を受けていたサービスは軒並み停止に追い込まれたという。

トランプ政権はUSAIDの対外援助契約の90%以上とそのプロジェクト予算600億ドル(約8兆9500億円)を削減した。

ユニセフのハイチ代表はジュネーブの記者団に対し、「USAIDはハイチにおけるユニセフ活動の主要な支援者である」と語った。

また代表はギャングの支配下に置かれる首都ポルトープランスで何万人もの子供が死の危険に直面していると警告した。「ハイチは紛争、暴力、貧困に見舞われた国であり、USAIDの援助停止の影響は甚大である...」

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

この結果、100万人以上が住居を失い、その場しのぎの不衛生なテントやシェルターで避難生活を余儀なくされている。ギャング紛争が始まって以降、国を離れた市民は数十万人と推定され、一部は米国を目指している。

ユニセフによると、ギャングの半数は10代の子供で、8歳の少年が勧誘されたこともあるという。

ハイチでは子供の7人に1人しか学校に通えず、1月にはポルトープランスで47の学校がギャングによって破壊された。

USAIDはハイチに3800万ドル相当の支援を約束していた。

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