トランプ政権、キューバ移民をグアンタナモ海軍基地に移送
グアンタナモ基地は長年、テロリストの拘束や審理の場として知られてきたが、2025年以降、移民の一時的な収容場所としても利用されている。
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米政府がキューバ出身の移民22人をキューバ領内にある悪名高いグアンタナモ海軍基地に移送した。現地メディアが16日に報じた。
この移送は今年1月にトランプ政権が発足して以来、キューバ国籍者が同基地へ送られた初の事例とされる。
グアンタナモ基地は長年、テロリストの拘束や審理の場として知られてきたが、2025年以降、移民の一時的な収容場所としても利用されている。
その施設は「グアンタナモ移民運営センター(Guantanamo Migrant Operations Center)」と呼ばれ、税関移民取締局(ICE)と海軍によって運営されている。
報道によると、今回移送された22人は米国への不法入国を試みたキューバ人で、今後送還手続きの対象になるという。ロイター通信は関係筋の話しとして、「これまでに同基地に移送された移民は730人にのぼる」と報じている。
トランプ政権は不法移民の取り締まり強化を公約の柱とし、グアンタナモの利用もその一環として進めてきた。基地での移民収容は非常に高額な運営費用がかかるとされ、超党派の議員団は5月の議会公聴会で、1人の拘留につき1日あたり約10万ドルに相当する費用が発生していると指摘した。
ホワイトハウスは大量送還を進めるため、移民取締強化策への予算増額を求めている。これはトランプ(Donald Trump)大統領が掲げる「大規模な強制送還」の実現に向けた取り組みと一致すると説明されている。
一方で、グアンタナモでの移民収容は費用面だけでなく、人権団体や国際社会から懸念も出ている。基地の本来の機能は軍事であり、民間の移民を収容することの法的根拠や適切性について批判が相次いでいる。また、拘束者の待遇や健康管理などについて透明性が欠けるとの指摘もある。
グアンタナモへの移送は米国とキューバの複雑な関係の中で象徴的な出来事となっている。かつては大量のキューバ難民が同基地を経由して米国へ向かった歴史もあり、基地が移民収容に関わってきた歴史的背景が今回の移送にも影を落としている。
トランプ政権の移民政策は今後も国際的な注目を集める見込みであり、グアンタナモがその舞台としてどのように機能し続けるかが注目される。
