米財務省、コスタリカの麻薬密輸ネットワークに制裁
米国の制裁はコスタリカにおける麻薬密輸対策の強化と、国際的な犯罪組織への圧力を高めるものであり、今後の捜査動向や地域の治安への影響が注目される。
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米財務省は22日、中米コスタリカを拠点にコカインの国際的な密輸や資金洗浄に関与したとして、5人のコスタリカ国民と5つの関連企業・団体に制裁を科すと発表した。これらの個人・法人はコロンビアからコスタリカを経由して米国や欧州へ何トンものコカインを密輸した疑いがあり、同省の対外資産管理局(OFAC)が指定対象にした。
制裁対象にはネットワークの首謀者とされる男とその弟が含まれている。財務省はこの男について、「カリブ海地域で最も有力な国際的麻薬密輸業者の1人」と位置づけ、弟と共に複数のコカイン密輸ルートの確立に関与していたとしている。
ベッセント(Scott Bessent)財務長官は制裁発表に際し、「出荷の便宜を図る者から資金洗浄に関わる者まで、麻薬密輸のサプライチェーン全体が米国の中毒と死に責任を負っている」と述べ、組織全体を標的にする姿勢を示した。
今回の制裁措置は男の妻や義理の母親、さらに家族経営の企業も含まれている点でも注目される。指定された法人には美容サービスを提供する「マジック・エステティック・サロン(Magic Esthetic Salon)」などがあり、これらがコカイン密輸やマネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いが持たれている。これらの企業は資金洗浄や麻薬犯罪の隠れ蓑として利用されていた可能性があるとして、OFACはこれらも制裁対象に加えた。
米国の制裁は当該個人・法人が米国内で所有する資産へのアクセスを遮断するとともに、米国籍の個人や企業がこれらと取引することを禁止する内容となっている。これにより、関係者は米国の金融システムを利用できなくなるほか、国際的な経済活動にも大きな制約が課される見込みだ。
OFACは今回の指定について、コスタリカがコカインの重要な中継地点となっている現状への対応策の一環であると説明した。近年、コスタリカの港を通じたコカイン輸送が増加傾向にあり、複数の犯罪組織がこのルートを利用して米国向けの出荷を拡大しているという。米当局はこれまでにも同地域に関連する複数の密輸組織に対し制裁を科しており、今回の措置はこれら一連の取り組みを強化するものだとしている。
また制裁の背景には国土安全保障省(DHS)や麻薬取締局(DEA)とコスタリカ検事総長事務所との国際的な捜査協力がある。両当局は共同でこのネットワークの追跡を進めており、捜査に基づき今回の制裁リストの作成・公表に至った。
この措置はトランプ政権が進めるカリブ海地域の麻薬密売対策の一環でもあり、軍事的圧力や国際協力を通じて密輸ルートの封鎖や犯罪組織の壊滅を図る広範な政策の中で位置づけられている。軍事面ではカリブ海や太平洋東部での麻薬密輸船に対する攻撃が実施され、これまでに多くの容疑者が死亡している。
米国の制裁はコスタリカにおける麻薬密輸対策の強化と、国際的な犯罪組織への圧力を高めるものであり、今後の捜査動向や地域の治安への影響が注目される。
