米国、ハイチギャングの資金情報に300万ドルの報奨金
今回の措置は従来の指導者個人を標的とする懸賞制度とは異なり、組織の「資金の流れ」に焦点を当てた点が特徴である。
.jpg)
米国政府は25日、カリブ海の島国ハイチで勢力を拡大する武装ギャングの資金源に関する情報提供に対し、最大300万ドルの報奨金を提供すると発表した。対象となるのは国内で強い影響力を持つギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と「グラン・グリフ(Gran Grif)」で、米国はこれを外国テロ組織に指定し、取り締まりを強化している。
今回の措置は従来の指導者個人を標的とする懸賞制度とは異なり、組織の「資金の流れ」に焦点を当てた点が特徴である。米政府は誘拐や恐喝、武器取引などで得た資金網を解明し断ち切ることが、ギャング全体の弱体化につながるとみている。情報提供者には報奨金に加え、安全確保のため米国内や第三国への移住支援が行われる可能性もある。
ハイチでは近年、ギャングによる暴力が急速に拡大している。首都ポルトープランスの9割がギャングの支配下に置かれ、主要道路や港湾も実質的に掌握されている。ギャングは通行料の徴収や住民への恐喝、誘拐による身代金要求などを主な資金源とし、経済活動や物流が深刻な打撃を受けている。
国連によると、2021年以降の暴力により数万人が死亡し、数百万人が避難を余儀なくされている。食料や医療へのアクセスも悪化しており、人道危機が深刻さを増している。国家機能の弱体化も著しく、警察や司法制度が十分に機能しない状況が続く。
また、ギャングの資金構造も複雑化している。かつては政治家や経済エリートとの結びつきが指摘されていたが、近年では独自の収益基盤を確立し、より自律的に活動しているとみられる。さらに、武器の多くが米国など国外から不正に流入しているとの指摘もあり、問題は国際的な広がりを持つ。
国際社会は対応を強化し、治安回復に向けて多国籍部隊の派遣や警察支援が進められているが、状況の改善は限定的である。主要なギャング指導者の拘束も進まず、暴力の連鎖を断ち切れていない。
こうした中で、資金網に焦点を当てた今回の報奨金制度は新たな試みといえる。組織の経済基盤を揺るがすことで実効的な打撃を与えられるかが注目されるが、情報提供の安全確保や実効性には課題も残る。ハイチの治安危機は依然として深刻であり、米国の取り組みがどこまで事態の改善につながるかが問われている。
