米国務省、ホンジュラス選管委員のビザ申請拒否、大統領選の集計遅れで
ホンジュラスでは11月30日に実施された大統領選挙の集計で混乱があり、結果の確定が先送りとなっている。
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米国務省は19日、ホンジュラスの大統領選挙の集計遅延を受けて、同国の選挙管理委員会の委員のビザ(査証)申請を拒否したと発表した。米国はこれに加え、民主主義を脅かす行為に関与したとして別の人物にもビザ制限を課す方針を示した。
ホンジュラスでは11月30日に実施された大統領選挙の集計で混乱があり、結果の確定が先送りとなっている。票の集計過程で数々の不整合や技術的不具合が発生し、全体の約15%に当たる票の集計が未完了のままだ。
国務省は今回、ホンジュラス国民選挙評議会(CNE)の委員のビザ申請を拒否。CNEは主要3党の代表で構成されているが、投票用紙処理システムの混乱や集計遅延などをめぐり批判を浴びている。選挙管理体制への信頼低下は国内外で懸念されており、接戦が続く中で、集計の透明性や正確性が強く問われている。
ルビオ(Maro Rubio)国務長官は声明で、ビザ拒否の措置はホンジュラスにおける民主主義の保護と、選挙プロセスの透明性確保を促すためのものだと説明した。
またルビオ氏は民主的な選挙運営を損なう行為に関与したとみられる人物に対して、米国は今後もビザ制限の対象を拡大する可能性があると強調した。
この選挙では右派の国民党アスフラ(Nasry Asfura)氏と中道のナスララ(Salvador Nasralla)氏が競っている。暫定結果では、アスフラ氏の得票率が40.5%、ナスララ氏が39.3%。与党・自由復興党(LIBRE)のモンカダ(Rixi Moncada)前国防相は19.3%にとどまった。
当局は手作業による票の再集計を進めつつ、全票の正確な集計を急いでいる。
国際社会もホンジュラスの選挙プロセスに注目しており、EUや米州機構(OAS)などが透明性確保を求めている。これらの国際機関は組織的な不正の証拠は確認していないものの、集計の混乱や政治的緊張が民主的手続きを損なう恐れがあるとして注意を促している。
選管は12月30日までに最終結果を発表する義務があるが、合意が得られなければ議会が介入する可能性も示唆されている。最悪の場合、カストロ(Xiomara Castro)大統領の任期延長という異例の手続きに発展する可能性も議論されている。
今回のビザ拒否はホンジュラス国内の選挙プロセスに対する国際的な圧力の強化を象徴するものであり、民主主義と透明性をめぐる議論が中央アメリカ全域で高まっている現状を反映している。
