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▽国連のハイチ担当は最近、首都ポルトープランスを訪問し、暫定大統領評議会の議長らと会談していた。
2021年11月2日/ハイチ、首都ポルトープランス郊外、ギャンググループ「G9&Family」の戦闘員(Getty Images)

国連は27日、中米ハイチに流入する違法武器がギャングの暴力に拍車をかけ、深刻な人権侵害につながっていると警告した。

それによると、過去数か月間のギャング暴力による死者は確認できているだけで4200人に達し、1300人以上が負傷したという。

国連のハイチ担当は最近、首都ポルトープランスを訪問し、暫定大統領評議会の議長らと会談していた。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは3年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

ポルトープランスと周辺地域の暴力は昨年10月頃から激化。アルティボニット県では地元のギャングが複数の地区を襲撃し、市民少なくとも115人を虐殺した。逮捕者は出ていない。

最新のギャング間抗争は今月初め頃に発生。ポルトープランスの大部分を支配するギャング連合「ヴィヴ・アンサム(Viv Ansam)」と対立する複数のギャングが民間人を巻き込みながら支配地域の拡大を目指しているとされる。

国連によると、過去数か月間の暴力の中心にいるのもヴィヴ・アンサムで、自警団がギャングを殺害する事件も多発しているという。

昨年11月にはポルトープランスのスラム街で自警団がギャングの構成員少なくとも77人を殺害。その一部は拘束後に処刑されたと伝えられている。

さらに、24年8月~25年2月の間の国家警察による取り締まりで2000人以上が殺害され、24年2~7月までに報告された1253人から60%増加したとしている。

国連によると、国家警察の銃器が過去4年間で1000丁近くギャングに横流しされたという。一部の警察官が闇市場で銃器を売っているという情報もある。

全体として、推定27万~50万の違法武器がハイチ全土で流通しているとのこと。

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