◎米国は1914年にパナマ運河を建設し、何十年もの間、運河周辺の領土を管理してきた。
米国のトランプ(Donald Trump)次期大統領が21日、大西洋と太平洋を結ぶパナマ運河の管理権を奪還すると圧力をかけた。
トランプ氏は自身のソーシャルネットワーキングサービス「トゥルース・ソーシャル」に声明を投稿。世界で最も交通量の多い水路のひとつを通過する米船籍が不当な扱いを受けていると主張した。
またトランプ氏はパナマ当局が過剰な通航料を請求していると非難。パナマ運河の管理権を取り戻すと脅した。
「我が国の海軍と商業は非常に不公平で不当な扱いを受けている。パナマが請求している料金は馬鹿げている。パナマ当局は私が復帰次第、このぼったくりをやめることになるだろう」
米国は1914年にパナマ運河を建設し、何十年もの間、運河周辺の領土を管理してきた。しかし、米政府は共同管理の期間を経て、1999年に運河の管理権をパナマ政府に引き継いだ。
トランプ氏はパナマ運河周辺での中国の影響力拡大に懸念を示したうえで、「パナマ運河はパナマが管理するもので、中国が管理するものでも、他の誰が管理するものでもない。パナマ運河を悪の手に渡すわけにはいかない」と主張した。
パナマの人口は約440万人。その約半数が首都パナマシティで生活している。
米国はパナマの最大の貿易相手国であり、2012年に米国・パナマ自由貿易協定(FTA)を結んでいる。