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トランプ氏がキューバ問題に言及「まずはイランを終わらせる」


米国とキューバは冷戦期以来、対立と対話を繰り返してきた。
キューバ、首都ハバナの通り(ロイター通信)

トランプ(Donald Trump)大統領は15日、エネルギー危機に直面しているキューバとの交渉が現在も続いていると明らかにし、交渉がまとまらない場合には「別の行動」を取る可能性があると警告した。トランプ氏は大統領専用機エアフォースワンの機内で記者団に対し、「キューバとは話し合いをしているが、まずはイラン問題を片付ける」と述べ、外交上の優先順位として中東情勢への対応を先行させる考えを示した。

またトランプ氏は「キューバも取引を望んでいる。近いうちに合意するか、必要なことをすることになるだろう」と述べ、合意に至る可能性と同時に、米国が別の手段を取る可能性にも含みを持たせた。ただし具体的な措置については明らかにしていない。

米国とキューバの関係は長年緊張が続いている。両国は外交関係を維持しているものの、経済制裁や移民問題、安全保障などを巡って対立が続いてきた。トランプ政権は近年、共産党に対する圧力を強め、石油供給を制限する措置などを通じて経済的な締め付けを行っている。

こうした圧力の影響もあり、キューバは深刻な経済危機に直面している。燃料不足により発電所の稼働が制限され、国内各地で停電が常態化しているほか、医療や交通などの公共サービスにも影響が出ている。こうした状況の中で、共産党も米国との対話を模索している。

キューバのディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領は13日、トランプ政権との協議が行われていることを公式に認めた。国営テレビでの演説で「対話によって解決する道を探るための協議だ」と説明し、長年の対立からの脱却につながることへの期待を示した。

一方、トランプ氏はこれまでにもキューバ情勢について強硬な発言を繰り返してきた。キューバの体制が崩壊寸前だと指摘したうえで、米国が「友好的な形での統治移行(フレンドリー・テークオーバー)」を行う可能性に言及したこともある。もっとも、その発言は具体的な計画を示したものではなく、実際の政策方針は依然として不透明だ。

現在、米国はイランとの戦争を含む中東情勢への対応を最優先課題としている。トランプ政権はイランとの戦争をめぐる対応に注力し、トランプ氏は「まずイランを終わらせる」と強調している。こうした状況から、キューバ問題への本格的な対応はその後になる可能性が高いとみられている。

米国とキューバは冷戦期以来、対立と対話を繰り返してきた。近年は経済危機やエネルギー不足などに直面するキューバ側にも交渉への動機があるとみられており、両国関係が大きく動く可能性も指摘されている。イラン情勢をめぐる対応が一段落した後、米国がどのような対キューバ政策を取るかが焦点となりそうだ。

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