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ホンジュラス大統領選、右派候補がわずかにリード、開票作業続く

今回の選挙ではトランプ米大統領がアスフラ氏への支持を表明し、さらにホンジュラスのエルナンデス前大統領に対する恩赦を約束したことが注目を集めた。
2025年11月30日/ホンジュラス、首都テグシガルパ(ロイター通信)

中米ホンジュラスで11月30日に行われた大統領選挙について、右派候補がわずかにリードしているようだ。

選挙管理委員会が12月1日未明に公表したデータ(開票率34%)によると、右派の国民党ナスリ・アスフラ(Nasry Asfura)氏の得票率が40.6%、中道右派の自由党サルバドル・ナスララ(Salvador Nasralla)前副大統領が38.8%。与党・自由復興党(LIBRE)のリキシ・モンカダ(Rixi Moncada)前国防相は19.6%にとどまっている。

ただし、票の多くが未集計であること、そして各候補が独自の票数を主張しており、最終結果の確定と承認にはなお時間を要する見通しである。

今回の選挙ではトランプ(Donald Trump)米大統領がアスフラ氏への支持を表明し、さらにホンジュラスのエルナンデス(Juan Orlando Hernandez)前大統領に対する恩赦を約束したことが注目を集めた。

エルナンデス氏は麻薬密輸などの罪により服役中であり、この発言は大きな波紋を呼んだ。

トランプ氏の選挙介入については賛否両論ある。支持する側は、彼の支持表明が浮動票や迷っていた有権者に影響を与え、アスフラ氏を支える追い風になったとみる。ある市民は「昔のほうが暮らしやすかった」と語り、物価高や経済の停滞に対する不満から、過去に保守政権下で経験した「安定」を求めて票を託した。

一方で、トランプ氏の関与は選挙の公平性や主権への外部干渉と捉える向きもある。特に、恩赦の約束は犯罪や汚職と結びつく過去を持つ人物の復権を示唆しており、ホンジュラス国内では賛否の声が交錯している。

さらに、与党の支持者や第三勢力支持者の間には「トランプ氏の発言が無ければ選択肢は違っていたかもしれない」との見方もある。

最終決定はまだ下されていない。だが、仮にアスフラ氏が当選すれば、ホンジュラスは再び保守政権による統治へと転換する可能性が高い。一方で、トランプ氏の影響をきっかけに当選したと見なされることで、政権の正当性や国際的な評価にも影が落ちかねない。また、有権者の票が割れたことで、政権の安定、あるいは分断という課題も浮上するだろう。

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