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ホンジュラス大統領選、右派のアスフラ氏が勝利、トランプ支持

アスフラ氏はトランプ米大統領の支持を受け、得票率40.27%で勝利。中道のナスララ氏の39.39%をわずかに上回った。
2025年11月30日/ホンジュラス、首都テグシガルパの投票所、取材に応じる右派のアスフラ候補(AP通信)

ホンジュラス大統領選挙の結果が24日、国民選挙評議会(CNE)によって正式に発表され、右派であるアスフラ(Nasry Asfura)氏の勝利が確定した。

アスフラ氏はトランプ(Donald Trump)米大統領の支持を受け、得票率40.27%で勝利。中道のナスララ(Salvador Nasralla)氏の39.39%をわずかに上回った。左派の与党・自由復興党(LIBRE)のモンカダ(Rixi Moncada)前国防相は19.19%にとどまった。今回の選挙で右派勢力が政権を奪還した形となる。

選挙は11月30日に実施されたが、技術的問題や不一致により再集計が行われ、確定に数週間を要した。CNEは2792の投票集計表に不整合があったとして特別再集計を実施、この作業が結果確定を遅らせる要因となった。最終的な票の手作業確認を経てアスフラ氏の勝利が確定した。

アスフラ氏の勝利は中米における政治的変化の象徴ともいえる。その支持基盤は保守層で、治安対策や経済成長の促進を掲げて選挙戦を展開した。トランプ氏は選挙期間中、SNSなどでアスフラ支持を表明し、援助や政策協力を示唆した一方で、同候補が敗れた場合にはホンジュラス支援を再考する可能性にも言及した。トランプ氏による関与は現地で論争を呼んだ。

一方、ナスララ陣営は選挙プロセスの透明性や集計過程に疑問を呈し、一部で不正の可能性を指摘したが、最終結果では信頼できる不正の証拠は示されなかった。また、LIBREのモンカダ氏は大敗を喫し、現政権を支える有権者の支持を大きく失った。ホンジュラス国内では今後の政治的方向性に対する議論が続くとみられる。

今回の選挙は単に大統領ポストを争うだけでなく、ホンジュラスの外交方針にも影響を与える可能性がある。アスフラ氏は就任後、米国との関係強化や治安協力、移民問題への対応を重点課題に掲げており、中米地域における保守派の連携強化が進むことが予想される。特にトランプ氏の支持を受けたことは、ホンジュラスと米国の関係深化を志向する新政権のスタンスを象徴している。

CNEは12月30日までに結果を確定させる法的義務を守ったとして、選挙プロセスの正当性を強調した。アスフラ氏は就任後、国内の政治的分断を和らげ、幅広い支持を取り付ける必要性がある。また、選挙中の混乱が国民の政治不信につながったとの指摘もあり、政府は社会的な信頼回復に努めることが求められる。

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