トリニダード・トバゴ政府、非常事態宣言を3か月延長

警察は非常事態宣言中、令状なしで家宅捜索や逮捕を行うことができる。外出禁止令は発令されていない。
カリブ海の島国トリニダード・トバゴ、首都ポートオブスペイン、警察官(Getty Images/AFP通信)

カリブ海の島国トリニダード・トバゴの政府が29日、非常事態宣言を延長した。

パサードビセッサー政権は18日、国内の刑務所で活動する犯罪組織が主要な政府高官の殺害と公共機関への攻撃を計画していたとして、非常事態を宣言した。

同国で非常事態宣言が発令されたのは7カ月ぶり。政府は昨年12月、ギャング暴力への懸念を理由に同様の措置を講じ、4月中旬まで継続した。

法務省は声明で、「刑務所職員や弁護士が高官の殺害を企てたとして起訴された受刑者を支援した」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

警察は非常事態宣言中、令状なしで家宅捜索や逮捕を行うことができる。外出禁止令は発令されていない。

当局は最近、刑務所内で携帯電話を使用し、外部にいる犯罪組織の仲間と共謀して暗殺、強盗、誘拐を計画したと告発されたギャングリーダーたちに対する取り締まりの一環として、高リスクの囚人を軍事基地に移送した。

検察庁は28日、一部の刑務官が警察官が刑務所捜索を行う際、受刑者に警告していたと明らかにした。

また検察庁は一部の弁護士が収監中のギャングリーダーなどに支援を提供したと非難した。

地元メディアによると、パサードビセッサー(Kamla Persad-Bissessar)首相は非常事態宣言の期間を3ヶ月間延長するよう関係閣僚に命じたという。

宣言は7月18日に発令され、15日間続く予定であった。

同国の人口は約140万人。内務省の統計によると、昨年の殺人件数は過去最多の624件に達したという。今年の殺人件数は7月17日時点で214件。昨年同時期は325件であった。

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