トリニダード・トバゴ、非常事態宣言を3カ月延長、ギャング対策
トリニダード・トバゴは人口約150万人の小国、近年はギャング活動や銃犯罪の増加が社会問題となっている。
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カリブ海の島国トリニダード・トバゴでギャング暴力への対応として発令されている非常事態宣言がさらに3か月延長されることになった。議会の承認を受け、政府は警察など治安当局に対し、引き続き通常より強い権限を与える。犯罪対策の強化を狙った措置だが、観光産業への影響や政府の治安政策の是非を巡り、国内では議論も広がっている。
パサードビセッサー(Kamla Persad-Bissessar)首相は14日、首都ポートオブスペインの議会下院で非常事態宣言の延長を提案し、採決の結果、賛成26ー反対12で可決された。これにより、現在発令されている非常事態はさらに3か月間継続することになる。非常事態下では、治安当局が令状なしで逮捕や家宅捜索を行うことが可能となり、犯罪組織の摘発などを迅速に進められるとされる。
同国では近年、ギャング犯罪や銃器を用いた暴力事件が急増、政府は治安回復を最優先課題としている。2026年に入ってからも殺人事件はすでに60件以上発生し、人口規模を考えると高い水準が続いている。こうした状況を受け、政府は強い権限を伴う非常事態措置を継続する必要があると判断した。
同国の非常事態宣言は通常、最初は最大15日間の期限で発令されるが、議会の承認を得れば延長が可能である。実際に同国は過去14か月のうち、およそ10か月を非常事態の状態で過ごし、犯罪対策として繰り返し同様の措置が取られてきた。政府は今回の延長によって警察や軍の取り締まりを強化し、ギャング関連犯罪や報復的な銃撃事件の抑止を図る考えだ。
一方で、こうした強硬措置には批判もある。野党は非常事態の延長を繰り返すことについて、政府の治安対策が十分な成果を上げていない証拠だと指摘し、長期的な犯罪対策や社会政策の必要性を訴えている。また、非常事態の継続は国内経済、とりわけ観光産業にも悪影響を及ぼしているとされる。治安悪化のイメージが広がることで外国人観光客の減少につながる恐れがあるためだ。
トリニダード・トバゴは人口約150万人の小国、近年はギャング活動や銃犯罪の増加が社会問題となっている。政府は非常事態の延長によって治安回復を目指すとしているが、犯罪抑止と市民の自由のバランス、さらには観光や経済への影響など、今後も難しいかじ取りを迫られることになりそうだ。
